神社に向かう途中
少年達は、山の中に入っていく。噂が流れ始めてから通る人がいなくなったのだろうか。最初の方は地面が踏み潰されてできた道があったのでその道を辿っていたが、進んでいくとその道が落ち葉などで埋め尽くされているので、見えなくなっていた。
「ね、ねぇ、道わかるの?」
「…まっすぐ行けば着くはずだろ。そのまままっすぐ行っても着かなかったからまたまっすぐ戻ればいいだけだしな」
「た、確かにそうだね」
少年達はさらにまっすぐ歩き続ける。1人の少年は道が分からないのが理由で“恐怖”という感情が芽生え始めていたが、もう1人の少年はそんなものはなく只々好奇心だけで体を動かしていた。
「でもなんか、あれだな。道がわかんなくてまっすぐ歩いてるだけだけど、楽しいな。」
「ぼ、僕はちょっと怖いんだけど…」
その言葉を聞いて好奇心だけで体を動かしていた1人の少年は少し気を遣った。
「わ、悪い。つい夢中になっちまって…。辞めるか?」
「え!?あ、いや、ううん。僕は大丈夫だよ。ごめんね!そうだよね僕は1人で行ってるわけじゃないのに…。先に進もう。」
「そ、そうか。無理はするなよ。お前は俺の大事なダチだからな!」
そう言って少年達は道が見えない、落ち葉の絨毯の中で神社に向かって足を動かし始めた。