第75話
あれから、数日が経った。俺は精密検査も受けたが、何の問題もなかったので、無事に退院することができた。
未だ打撲の傷は痛むが、それでもマシになった方だ。そんな俺は今、学校の教室にいる。
今日は、テストの返却日なのだ。これが終わってから、本格的に夏休みへと突入していくことになる。
俺の手元にはすでに、全てのテストが返ってきている。その点数は、軒並み80点を超えていて、中には90点後半まで取れている科目もあった。
これは、皆でやった勉強会が大きかったのだろう。単純に、自分の勉強量が増えたのが、点数が上がった要因といえる。
すると、俺の周りに勉強会をした面子が集まってきた。皆、各々のテストを持ち寄っている。
「信護ー!テスト、どうだったんだ?」
「見ての通り、高得点だ。そっちは?」
「へっ!見ろ!過去最高だぜ!」
勝がテストの事について問いかけてきたので、俺はテストの点を見せる。代わりに勝の点も見せてもらうと、確かに点数は上がっていた。
「おー!よかったな。これで、利光に怒られなくてすむじゃん」
「ああ!秀明も上がってたし、勉強会は大成功だな!」
勝がそう言うと、秀明も点数を見せてくれる。確かに上がっていて、赤点も回避できていた。
「そうか。利光と桜蘭はどうだった?」
「……いつも通りだ」
「うん。僕も上がってたよ」
俺は2人の点数も見せてもらったが、利光はいつも通り俺以上の点数を、桜蘭は俺と同じぐらいの点数を取っていた。すると、心南の方にいた照花と美保も、点数を見せてくれる。
「私はこれぐらいだよ~!」
「私も、前回より良くなってたよ」
「お、そうか。よかったよかった」
照花と美保も、無事にテストの点数が上がっていた。心南の点数は返された時にすでに見せてもらっており、心南も問題なく上がっている。
つまりこれは、勉強会大成功といえるのではないだろうか。勉強会に参加した皆の点数が、軒並み上がっているのだから。
「……それより、本当に大丈夫なの?信護」
「ん?ああ。少し痛むけど、そこまでではないぞ」
「そっか……。なら、良いんだけど……」
心南が心配してくれるが、俺は本当にそこまでの問題はないのでそう答える。俺の怪我の原因は、美保以外は知らない。
気分のいい話ではないだろうし、俺も大怪我を負ったわけではないので、伝えないことにしたのだ。すると、秀明が俺たち全員に問いかけてきた。
「なあ!今度こそ、全員で遊びにいかねえ!?」
「いいんじゃないか?行けるなら、だけど」
秀明の提案を聞いた勝は、その提案に乗った。勝が皆を見ると、それぞれが頷いている。
皆乗り気のようだし、俺も前の埋め合わせがあるのですぐに頷いた。今日は、全員が大丈夫らしい。
「よっしゃ!じゃあ、この後いこうぜー!」
こうして今日、皆で遊ぶことが決定した。今回は、最後まで皆と一緒に遊べると思うので、楽しむとしよう。
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