表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/170

第49話


「……はい!解答用紙を前に回してね~!」


 テストが終わり、俺も皆と同じように解答用紙を前に渡していく。これで、約1週間かかったテストがようやく終了した。


 このテスト期間で勉強してきた成果は、全部出せたと思う。正直、赤点はないと思うし、結構いい点数が取れたのではないだろうか。


「……うん!お疲れ様!一旦職員室に戻ってから、またホームルームにするね~!」


 先生がそう言って出ていくと、皆が各々しゃべり始めた。俺もまた全てのテストを終えた達成感で、体を思いっきり伸ばす。


「やっと終わった~……。テストどうだった?信護~……」


 すると、隣の席に座る心南が、俺に話しかけてきた。俺は伸びるのをやめて、心南に返事をする。


「ああ。今日のも、割と解けたと思う」


「じゃあ、全部いけてるじゃん。ま、アタシも結構できたと思うけど……」


「まあ、何にせよ、これで1学期の期末テストは終わりだな」


「やっと、夏休みだし!」


 俺が期末テストが終わったことを告げると、心南は夏休みが始まることを言ってきた。俺もその事実に、少しテンションが上がる。


「そうだな。やっと遊べるし……」


 やっと、療心学園に行ける。それは口から出すことはなかったが、俺が心から思ったことであった。


 俺がそんなことを思っていると、俺と心南の周りに勉強会に参加したメンバーが集まってきた。もちろんその中には、療心学園に住む美保の姿もある。


「お疲れ~!」


「やっと終わったな。この地獄のような期間が……」


「マジでそれな……」


 まずは照花が元気よくそう言ってきて、勝と秀明がそれに続いた。勝と秀明の声は、そこまで元気には聞こえない。


 やはり、疲れているのだろう。点数が取れなかったから、ではないと思いたい……。


「……お前ら、点数はちゃんと取れたんだろうな?」


 利光が目つきを鋭くしながら2人にそう問うと、2人は何度も頷いてみせた。どうやら、いつもよりは取れた実感があるらしい。


「あはは。よかったね、2人とも」


「桜蘭は取れたのか?点数」


「うん。バッチリだよ」


 桜蘭が笑いながらそう言うので、俺は桜蘭に点数を取れたのかを問う。すると、桜蘭から笑顔でそういう返答がきた。


 桜蘭も、納得のいくテストになったようだ。すると心南がある提案をしてくる。


「……そうだ。テストも終わったし、皆で遊び行こ?」


「いいね!行こ行こー!」


 そんな心南の提案にすぐに頷いたのは、照花だった。だが、美保が首を横に振って行けないことを告げる。


「ごめん。私はいけない、かな」


「そっかー……。男子陣はどう?」


 美保の返事に肩を落とした照花であったが、すぐに俺たちに問いかけてくる。俺は問題ないので頷きを返したが、利光は首を横に振った。


「悪いが、予定が入ってる。俺も行けそうにない」


「俺は行けるぜー!勝もだよな!?」


「おう!もうテストも終わったんだしな!」


 利光の不参加にまた肩を落とした照花であったが、秀明と勝が行けることを言うとパッと顔を明るくさせる。そしてその顔を、俺と桜蘭に向けてきた。


「……俺も行けるぞ」


「うん。僕も行けるよ」


「じゃ、行けるメンバーだけで行こ。放課後、そのままね」


 俺と桜蘭も行けることを表明すると、心南がそう言ってきた。そんな心南の言葉に、行けるメンバーが頷く。


 テスト終わり直後の遊びほど、解放感がある遊びはないのではないだろうか。美保と利光は用事があるので仕方がないが、テスト終わり直後の遊びを楽しもうと思う。


読んでくださりありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ