24話目
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24話目
「機嫌をとれって問題にしたくないからって事ですか?!」
「そう言っているだろ? その秘宝を持ていけ」
「いやいや、教祖様に許可を貰わないと合うことは出来ませんよ!」
「……そうなのか、ならいい寝るから、そいつらを騒がせるな」
「はぁ、分かりましたよ」
カードをしまい部屋へ戻る。本来であればもう少し殴ってやりたかったけど、駄目だと言われるのであれば、手を引くしかない。
とはいえ、騒がしくはなくなった。これで寝ることが出来るだろう。
早く布団で寝たいからと、若干速足で戻っていくのだった。
★
アルべノート
倒れている軍人を見て思わずため息が漏れる。
「どうするかなー」
明日作戦開始なのに、こんだけ負傷者が多いと作戦を延長するしないだろう。いや、そもそもあれだけ酒を飲んでいたのだから、天落さんが殴りこみにくる以前から延長は確定していたのかも知れない。
部屋のなかにはいり、この人たちをどうするべきか考える。
そのまま放置していても良いんじゃないかと思うほど、沢山の人が倒れているので正直何もしたくない。
「まあ、スッキリはしたけどね」
元々この人たちに無理難題を吹っ掛けられていたので清々しい。倒れている人の上に乗りながら移動し、まだ天落さんの魔の手にかからなかった人たちの前まで行く。
「こんにちは。貴方は最高責任者さんだっけ?」
「あぁ、そうだ」
「なら……今回の事は不問にしてくれるかな? 耐えられない程うるさくしていたのは君たちだから、自業自得と言う事にね」
「駄目だ! これほどの事を不問にするわけにはいかない!」
「ふーん。ならこれ、請求させてもらうね」
アルべノートはポケットの中に手をいれ一枚の紙を取り出した。そこには沢山の数字が書かれているようだ。
「な、何だこれは!」
「君たちが飲み食いした分。いやー、大変だったよ? 戦争中に酒を出せやら、もっと食料を出せやら色々行ってきたからね。お金も結構かかっちゃったんだよ」
「だが、こんなに行くはずが無いだろう! 10億と書かれているぞ!」
「え、妥当だと思うんだけど? だって戦争中で、食料も少なくてままならないときだったんだから。ちなみに、戦争に来てもらった恩はあるから、本来請求したい額の半分にしておいたよ。感謝してくださいね」
「だが、こんなに払えるわけないだろう!」
あれだけ調子に乗っていた軍人が、焦っているところを見ると楽しくなってくる。
「いやいや、周りをよく見てくださいよ。そこに落ちている酒。銘柄はちゃんと読みました? かの白星ですよ。一瓶100万するお酒もあるんですから、妥当でしょ?」
「な……」
ちなみに白星は占拠した市で酒を買い占めている時に、丁度良く売ってくれた酒だ。安酒ならまだしも高級な酒を戦争中にかかえているわけにもいかないので、お金に変えてしまいたかったらしい。そのおかげで少し安めに売ってくれたのだ。
「さて、話をぶり返して悪いですが、もう一度聞かせてもらいます。今回の事は不問でよろしいでしょうか? もちろんお金のことも」
「ああ!!! 不問にしよう!! 何もなかったんだ!!」
そうすると軍人さんは早歩きでアルべノートから遠ざかってしまった。近くにはいたくないのだろか?
まあ確かに、急に10億請求してくる人の近くにはいたくないよな。
アルべノートはこのために作った請求書を折り畳み、ポケットの中にしまう。
「戦争終わったらこっそり王様に見せてあげようかな」
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