21話目
21話目
「はぁ。眠い」
天落は睡眠不足気味で、眠気が絶えず襲ってきてきていた。そのうえ3日間も走っていたせいで何も考えたくない程精神的に疲れておりギリギリの状態だ。
幸い肉体はピンピンしているため疲れはない。
与えられた部屋の事を思い出しながら、保安庁の中を歩く。天落はまだ保安庁の構造が分かっていないため、迷いそうになるが案外体は覚えているようで見知った廊下に出るとすぐに部屋まで到着した。
秘宝を外すのすら面倒くさく、そのままベットに寝転がる。
何やら、がやがやとした声が聞こえるが、天落には関係ないので寝てしまう事にした。ゆっくりと瞼が落ちてきて、夢の世界へ誘われようとする。
それから数分がたった頃、なぜか天落は起きていた。寝れないのだ。
異常なほどうるさく、寝付く事すらできない。なんでこんなにうるさいのか分からないが、寝れない事に無性にイラついてきた。
「だまらせに行こう」
このままでは寝れないため、一度文句を言いに行くことにした。
ベットから降り、部屋から出る。一度寝かけたからか、足取りが重いがだまらせればすぐに寝れる。
安眠を求めてふらふらとした足取りで声の方向に歩いて行くのだった。
すると、廊下を歩いている時に前から声をかけられた。荒い言葉遣いで、信者たちには見られない言葉の使い方だ。
「おい、なぁ二やっているんだ? 一般人がこんな所にきたらだぁめだろぉ?」
酒臭い。そしてなぜか筋肉がムキムキだ。
信者たちのなかに筋肉を維持できるほどの食料を調達出来る人は少なかったはずなんだが、と思いながら、ショボショボする目を開ける。
するとそこには、酒瓶を持った巨体の男がいた。
「その酒はどこから持ってきたんだ?」
天落は酒を見た時、思わずそう尋ねてしまった。保安庁には酒なんか無かったはずだと記憶していたからだ。それにもし合ったとしてもなぜ目の前の名も知らない男が持っているのだろうかと疑問しか湧いてこない。
「あ? これか? 貰ったんだよ、いいだろ」
「誰からもらったんだ、酒はなかったはずだが?」
「そんなの知らねぇよ! ただ、ちょっとお願いしたらくれたんだよ。あ、そうか。お前も酒がほしいんだな? それならこれやるよ、仲間たちがまだまだ沢山持ってるからな!」
男から酒瓶を手渡されるが、天落は受け取らなかった。
なぜならこいつらが、どうしようもないクズだということがわかったからだ。
「やっとわかった。アステカ王国からきた援軍だな?」
「あ? 知ってたのかよ」
「その酒は信者たちにねだったというわけか」
アルべノートが転移門から来たとき相当疲れていた様子だったのがなんでか分からなかったが、こういうことか。
「一度潰したほうがいいな」
「は? 何いってんだ?」
一応援軍だから殺しはしない。しかし、ここまで舐められていて何もしないのは嫌だ一度死なない程度にぶっ倒して置こうじゃないか。
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