19話目
19話目
『じゃあそっちに人送るから驚かないでね』
吉村との電話はまだつながっていた。男2人を切る事に夢中で耳にスマホを当てる事を忘れていてが、音が大きかったようで普通に聞こえた。
「え、今から来るのか?」
『うん、すぐだから』
天落が周りに被害が出ない速度で頑張って走って3日かかっている。今から人を送るのは時間がかかりすぎではないのだろうか?
しかしその考えはすぐに裏切られることになる。
目の前に、門が出てきたのだ。
「到着だ。天落くんありがとうね」
門からは吉村が出てきた。転移門を使ったのだろう。
転移門は機密性と代償の事を考えて、相当なことが無ければ使う気が無いと、吉村自身に説明されていたので考えに入っていなかった。
「そこに落ちているのは、さっき言っていた門番かな?」
「あぁ。こいつら二人が門番だ。そこに転がっているデブは宝具庫の管理をしていた」
「そっか。じゃあ宝具は全部貰って早く帰ろうか。アルべノート早く来な!」
吉村は転移門にむけてアルべノートを呼ぶ。
「すみません! ちょっと手間取ってて!」
するとすぐに門から出てきた。何やら髪型が乱れているし、目には薄くクマがみえる。なにか大変な事でもあったのだろうか。
「アステカの軍隊の事は有紗に任せていいと言っただろう。なにか起きたのかい?」
「いや~、酒が欲しい、食料が欲しいって暴れるんですよ。何なんですかねあいつら」
俺が苦労している間に、吉村も苦労していたようだ。
まあ人が沢山来たのだから管理するのが大変になるのも仕方が無いのだろう。しかし有紗さんに全部任せてしまってもいいのだろうか?
「仕方がないさ。国王が自由人なんだから、軍人も欲望に忠実になるのも理解できる」
「まあ、後数日の付き合いですから我慢しますよ」
「お願いね。じゃあ、ここにある秘宝全部回収してもらっていいかな?」
「分かりました!」
するとアルべノートは腰に掛けている巾着に次々と秘宝を突っ込んでいくのであった。
「天落くんはもう帰ってもらっていいよ。この転移門使って良いから速めに休んじゃいなね」
「なら少し寝かせてもらう」
お言葉に甘え転移門をくぐり寝る事にした。この3日間ほぼ寝ずに動いていたから眠いのだ。
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