14話目
14話目
空腹を我慢しながら走り、2日たった頃。
俺は、東京スカイツリーが見える位置まで、来ることが出来た。迷宮適合のおかげで、視力も上がっているようだから、まだまだ遠いのだろうが、吉村から受けている作戦を、実行するときが来た。
東京スカイツリーが見えてきたら、潜伏を使ってだれにもばれないように、行動しなければ行けないのだ。
だから、周りに被害を与える様な、走り方をしてはいけない。ここからはダンジョンでもやっていた、コソコソした移動にしていく。
異能を使うため、建物の影に隠れる。ここら辺は建物が沢山あるから、隠れる事は容易い。
「潜伏」
異能の潜伏を使った事で、俺の姿を見れる人は、いなくなっただろう。後はへまをしないように、東京スカイツリーに行くだけだ。
足音にも気を付けながら、歩いて行くのだった。
★
叫び声と思うほどの音が、腹から響き渡る中、3日目でやっとスカイツリーにまでこれた。潜伏のおかげで、面白味があるような事は一切なかったがな。
あ、だけど、たまに冒険者の隣を通り過ぎたりもした。一切バレてなかったけど。
しかし一つ面白いのを見つけたんだ。
それは冒険者と思われる人の中に、部分的に肌が黒かったりする人がいたんだ。
多分だが、迷宮適合のせいなのだろう。あの黒さは迷宮適合でしか、見たことがない。しかし、不完全な所を見ると、調整版なのだろう。
あんなのがどれだけいたとしても、負ける気がしないので無視したがな。
俺は思い出しながらも、東京スカイツリーの中に入ろうとする。
東京スカイツリーは、宝物庫と聞いていたのだが、それは一番上のフロアだけらしく、下層は一般人も入れるようになっていた。
そのおかげでなのか途中までは、スムーズに入る事が出来ている。
しかし問題が一つ発生した。
「さて、上に行くにはどうしたらいいんだ?」
上への行き方が分からないのだ。
いや、エレベーターで行けばいいというのは分かる。問題は、潜伏を解除しなければ、エレベーターに乗った際不自然な空間が、出来てしまうことだ。
そうなったら、俺の方に人が寄ってきただけで、潜伏が解除されてしまう。
ばれないように行動していたのに、潜伏が解除されてしまえば元も子もない。
「階段があればいいんだが……そう簡単にはいかないよな」
階段は見つけることは出来たが、非常階段と書かれており、使うことは出来ないみたいだ。
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