7話目
7話目
基礎戦闘能力。
単純な筋力や戦闘技術の総称。冒険者ギルドでは秘宝よりも重要視される能力だ。
「知っているとは思うが、数年前に秘宝を使わず10階層まで到達したと発表された。名前は栄門善明。」
俺も一応知っている。
なんでも、素の身体能力がすごい高い人で秘宝を使わずとも鉄骨を持ち上げたり折り曲げたり出来るのだとか。
ただ、そんなこと普通の人間には出来ないはずだ。
「肌は真っ黒で額に2つの凹凸がある」
故に考えられるのは一つ。
「迷宮適合を使用したと考えられる」
「迷宮適合ってさっき渡られた資料の?」
「そうだよ。二度目の迷宮適合を使用することで黒い肌に角が生える。これは栄門の特徴と当てはまってるね」
そこで、視線が俺の方へ集まる。俺の特徴とも当てはまるからであろう。
「……俺も迷宮適合を使用している」
「天落くんも迷宮適合を使っているからあとでどのくらいの身体能力か体験さてみようか」
またなのかと、キングが怯え始めるが気にしない方がいいだろう。
「話は戻すけど、迷宮適合に関しては保安庁からもらったものだと考えているよ」
「資料には死亡する率がが高いと書いておりますが」
森森が発言した。
確かに使ったら死ぬ確率のほうが高いですがものをもらうなんて頭がおかしいように感じるだろう。
だが、その考え方は資本主義が発達しすぎたこの都市にとっては遅れている。
「欲しい人が多かったんじゃないかな?」
今では経済の中心にいる冒険者ギルドなのだから危険をこころみず進んでいく人は多い。
死ぬか、稼ぐか。
その二択になったとき冒険者たちは必ずと行っていいほど立ち向かう。
「つまり冒険者たちは秘宝を持っているかどうかに関わらず警戒しなければいけないんだ」
「ありがとうございます」
……もしここで冒険者ギルドの中にも迷宮適合の研究所があると言えば作戦は大きく変わるだろう。
もらって使うのと、作って使うのでは、迷宮適合の量が変わってくる。
その時、天落は葛藤していた。
もし、教えなければ研究所にあるはずの迷宮適合は独り占めできるだろう。しかし、そんな事をして作戦が失敗したら迷惑がかかってしまう。
仲間を思う気持ちと、欲望がぶつかり合い頭がクラクラしてくる。
「あれ、天落くんどうしたんたい?」
そのときであった。天落の様子がおかしくなったことに吉村がきがついたのだ。
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