6話目
6話目
天落は思わず黙ってしまった。なぜなら、100メートルを全力で走ったことがないからだ。
どれだけ体力が減るのか全くわからない。
どんなときだって体力は途切れさせないようにしておなければいけない状況にいたから仕方がないのだが、わからないものはわからない。
それに走るといえばダンジョンでのことを思い出す。
ダンジョンではできるだけ早く下の層に行くためにずっと走っていた。それから鑑みて考えてみるが……それでもわからない。
100メートルがどれくらいだったのかも知らないし、そもそも疾走使っていたから疲れもあまりなかった。
結局よくわからないのだ。
「そうか」
だが、口は出さない。今の天落は聞いても意味がないことはわかっていた。
★
「よし、それじゃあ話を戻そうか。作戦会議を始めよう」
天落のことは一段落したので本題へ戻ってきた。それに伴いこの場にいる全員が気合を入れ直す。
「まず、次に攻めなければいけないのは冒険者ギルドだね。ダンジョンの管理は基本的に冒険者ギルドが行っているから、ここを占拠できたら私達の勝ちだ」
冒険者はダンジョンに潜る人たちの総称だ。その人達の安全を守るためにできたのがギルドであり、現在では【白の森】全体に多大な影響を与えることが出来る。
「想定では保安庁よりも占拠に手間取るだろう。ダンジョンに潜る人が多いおかげで秘宝の所持量も比べ物にならない」
「冒険者全員が秘宝を持っていると考えたほうがいいんでしたよね」
「そうだね。所持率は3人に1人と言われているけど隠し持っている人は多いだろうから気をつけたほうがいい」
吉村と有紗がおもな進行を担っている。
「ただ、秘宝に関してはどうにでもなる。炎龍の咆哮を使えばいいんだから」
どれだけ秘宝を持っていたとしても破壊されたらどうしようもない。つまり保安庁のときと同じように炎龍の咆哮を最初から使うのがいいだろう。
「重要なのは秘宝を度外視した戦闘能力だね。日々ダンジョンに潜っているから戦闘能力はすこぶる高い」
俺もダンジョンに潜ったとき最低限の戦う能力がないとだめだと思い知らされた。
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