5話目
5話目
「どうしたんだ?」
何で驚いているのかわからないから、今この状況に戸惑っている。
そんな中やっと動き出したのが吉村だった。
「私が説明するよ」
「お願いする」
「まず、異能の認識を教えてほしいんだけどいいかな?」
「好きなときに使える超能力だ。秘宝よりも使いやすい」
ダンジョンにいたとき一番頼っていたのが異能だ。潜伏、疾走、鋭利。余すところなく使い戦い抜いてきた。
「ならその認識をまず変えてもらおうか」
「間違っているのか?」
「間違いっていうほどのものではないんだけどね。天落くんに限れば正解みたいだし」
わけわからなくなってくる。
「異能はね、勝手に湧き水のように溢れ出てくるものではないんだよ」
「どういうことだ?」
「秘宝と同じように異能を使うには代償が必要なんだ」
「代償だと? 何ま取られた覚えはないぞ」
今までのことを思い出すが、四肢はなくなってないし代償なんて覚えがない。もしかして覚えがないだけで勝手に取られているのか?
「うん、多分だけど天落くんの異能は代償がないみたいだからね」
「……さっきと矛盾してるぞ。代償が必要なのか必要ではないのかどっちなんだ」
「ほら、秘宝でも代償ないものもあるでしょ。それと同じだよ」
確かに閃光の指輪は代償なんてなかった。
「と言ってもほとんどの異能は代償があるとは言えないほどしか取られない。その上、大半の代償が体力だ。気にするほどでもない」
「そうか……それならなんで驚いていたんだ?」
「強すぎるんだよ天落くんの異能が」
今まで異能を使っている人をそこまでみたことが無いからわからなかったが、確かに俺の異能は強いと思う。
しかし、驚くほどなのだろうか?
八神の異能のほうが秘宝が使い放題な分強いように感じるが。
「例えばね、代償がない場合の異能は……鋭利だと紙が劣化したカッター程度の鋭さが限界なんじゃないかな」
「その程度なのか?」
俺がさっき手刀で椅子を切ったとき、相当鋭かったと思う。最低でも新品のカッターよりは鋭かった。
迷宮適合の身体能力も合わさっていたんだろうが、それを考慮しても鋭利の異端さがわかる。
「なら、どの程度の代償を払っていたら俺の鋭利と同等にまでなるんだ?」
「んー」
斬った椅子を見て考え始めた。
「100メートルを全力で走ったときと同じくらいの体力で、10秒間はこの鋭さを保てるかな」
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