2話目
2話目
信者の中で異能と呼ばれる能力を持っている人は5人いるらしい。そのうちの3人がこの場にいる。
1人目はキング。頭に秘宝と思われる王冠を被っており、子供ながらおこちゃまとは呼べない人相をしている。
二人目は森々。見たところ秘宝は持っておらず護身用の武器も持っていない。女性ですらっとした印象を与えられる。
三人目は如来。全身が隆々な筋肉に覆われており肉弾戦が得意そうに見えるが、特殊な服を着ている。吉村が言うには仏教とか言う宗教の正装らしいが、なんでアトラス教に入っているのに別の宗教の恰好をしているのだろうか?
あらかじめこの3人の事は簡単に説明されていたんだが実際に見ると……何というか個性的な人たちだ。それぞれに信念があるように感じる。
「質問いいかな?」
「何だい。何でも答えるよ」
その時、キングと呼ばれる人が吉村に質問を問いかけていた。
「その人の事を紹介してほしい。教祖さんが連れてきた人だから信用はしているけど、作戦会議に出る以上はどういう人なのか知っておきたい」
「あ、そうだったね。自己紹介をお願いできるかな天落くん」
「あぁ」
キングは俺の事を指さしてきた。確かに重要な会議に出ているのに俺はの事を分かっていないんじゃあ問題があるだろう。
「天落だ、名字は捨てたから天落と呼んでくれ。ニュースになっていると思うが、ダンジョンに入って行った連続殺人者だ」
「あ、あれ君だったんだ! じゃあ教祖さんが言っていたのも君なんだね!」
「言っていたとは?」
「君と話してこの宗教を作ろうと思ったらしいんだよ。ね、教祖さん」
「うん、そうだね。数年前に天落くんと話したときに、今の仕組みは駄目だと思ったんだ」
天落は驚いていた。自分と話したからなんて理由で、ここまで大規模宗教を作ろうと思ったなんて知らなかったからだ。思わず呆然としてしまう。
「できることなら何が出来るか教えてくれないかな?」
「あ、ああ。何から話せばいいか分からないが……一応俺は異能者? と言うのに当てはまるんだと思う」
「あれ? 天落くん異能使えるんだ」
「ダンジョンに潜っている時使えるようになったんだ。教えた方が良いのか?」
「出来る事なら教えてほしいな。作戦に組み込みやすくなるし。まあ、無理強いはしないよ。異能は初見殺しの部分が強いからね」
その答えに少し悩んだが、教える事にした。俺の異能は知られていても対処のしようが無いからだ。
「俺は異能を3つ持っている」
「え!」
「一つ目が潜伏。相手の視界に入っていな」
「ちょ、ちょっと待って! 君3つも異能持ってるの!」
キングはあまりの衝撃に机をバン! と叩きながら立ち上がった。せっかく教えようとしているのにと思いながらも、凄い驚いているので話をとめる。
「持っているぞ」
「」
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