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12話目

 

12話目


 異能 未来選択

 未来を確定させる。この能力によって奇跡的に生還したのだ。しかし、未来選択が使用できるのは未来視が発動した時のみ。つまり、いつでも使えるわけではない上に未来視によって複数の未来が見えた時のみだ。


 ランダムな要素が多すぎるゆえに戦術に組み込めるようなものではない。ならなぜ今回未来選択を使用できたかと言えば、ジェット機に乗っている時未来視が発動したからだ。

 そしてその未来視によればこの後は……


 敵がいる中思いっきり走り、建物の中へと逃げていく。建物の中にはもちろん職員が沢山いるが、それでも中へ入らなければいけない。

 だって、銃を真上に撃って居るのだから。


 真上へ発射された銃弾はどうなるかどうなるか誰でも分かるだろう。


 屋上へと繋がる扉から醜い程の悲鳴が聞こえ、それと一緒に地面に硬い物が落ちたであろう音が沢山した。


「順調だ、このまま()を助け出せないかな」

「それは無理そうね」


 歩きだそうとした時、脇腹に銃を突きつけられていた。後ろからは女性の声がする。


「襲撃を受けたって騒ぎになっていたから着てみたけど、貴方かしら?」

「……そうだね!」


 突きつけられている銃を見たところ、秘宝で良く使われている素材の光沢を発していた。炎龍を使用してたため、まだ秘宝に警戒する必要はないだろう。そう思い、懐にある拳銃を取り出し、間髪入れず脇から銃口を後ろに向け発砲した。


 耳鳴りのような音を一回、二回と鳴らし女性から離れる。

 撃った位置的に心臓に当たってくれればいいけど。


 そう思い見ると心臓らへんの衣服が破れているだけの女性がいた。命中した事は明白なのに血は一切出ていなかった。よく見れば青黒くなっているが、決して銃が命中したようには見えない。


「急に何してくれるのよ!! 痛いわね!!」

「そりゃぁ殺さなきゃ殺されるしね」


 銃ですら殺すことができない以上、逃げるしかない。女性に背を見せて走り出した。


「迷宮適合した私から逃げることなんてできないわよ!」


 一度逃げ出してしまえば、男と女の身体差で逃げ切れるはずだ。そう思っていた。

 女性が走り出したと思うと、すでに背後にいた。人間ではないような速度で走っていたのだ。


「速すぎるんだけど」

「迷宮適合のおかげだわ!」

「迷宮適合ってなんだよ!」


 追いつかれた。そう思ったとき反射的に秘宝を使用してしまった。

 すると吉村の体は煙のように消え去ってしまった。



 秘宝 タナトス

 一時的に現実への干渉が出来なくなる秘宝だが、このような説明だと有用性が見えてこない。

 例を上げて説明しよう。


 この秘宝は幽霊になることができる。


 現実への干渉ができなくなるということは体がなくなるということ。しかし、生きていることは変わりない。

 誰にも見えない、何にも干渉できない。そんな存在へとなることができるのだ。


 とはいえ欠点は沢山ある。現実に干渉できなくなったため光が反射しなくなり何も見えなくなる。その上、移動が一癖も二癖もある。

 地面を触れることができないから歩くことができない上に重力が働かないため宙に浮いたふうになる。

 ……とおもう。


 五感が働いていないのだから自分がどうなっているか知ることはできないのだ。


「とはいえ一先ず安心だ」


 保安庁を混乱させれた上に、よくわからない女性から逃げることができた。今のところは上出来だろう。

 しかし、代償分の仕事ができているかと言えば全然だろう。


 秘宝を3つも壊した上に、タナトスの代償もある。

 個人としてはタナトスの代償が辛いところがある。教祖としてはいい感じに負傷できて、奮闘した感じを出せてはいるだろうけど。


「とはいえ、代償が両腕なのは辛いな」



【麻薬求めてダンジョンに入りました!〜現実逃避してるヤク中は短剣片手に走り回る〜】をご覧いただきありがとうございます!!

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