30話目
30話目
宝箱を開けた俺は思わず顔をしかめた。しかし、それは毎度の事。
一度手を付けてしまえば脳に情報が流れ込んでくるだろう。そう思いながら取る。
すると衝撃と共に情報が入ってきた。
「……」
入ってきた情報を見たが、俺の顔は変わらなかった。
悪い物ではない。しかしいい物でもない。
なぜならそれは、使うのにデメリットがあるからだ。【五度の火垂る】のようだ。しかし、それに比べたら致命的な物ではない。使ったら人生が終わるわけではないから。
とは言え、無視できるほど軽いデメリットでは無かった。
なら捨てればいいじゃないかと思うかも知れないが……効果のなかの一つに体力の増強というまさに求めていたのが入っていたのだ。
容易く使えるほどのデメリットではないが、効果は強力だ。
俺は少し考え、ひとまず使わない事にした。落っこちないように、ポーチにちゃんと入れる。
「いくか」
使った方がいいのかも知れないと、頭に残るが今は振り払った。
☆
4層
やっと4層までこれた。
ここまでの徒労を思うと、この先を心配してしまう。いつ冒険者たちが来てもおかしくない状況に、いつ殺されてもおかしくない魔物たち。
常に危険との隣り合わせで、力を付けた今でも心配が止まらない。
一歩一歩前へ進んでいく。
疾走を使っていないせいか、足が重いが自分の体の状態が鮮明にわかる。ダンジョンに入ってきた時より悪くなっているだろう。それもそのはずだ。常に自分の限界をこえて走り回っているうえに、原理が分からない能力を湯水のように使っている。
何を燃料に使っているのか分からない能力は、今のところ体の不調だけでとどまっているがいつ倒れてもおかしくない。
そう言えば、燃料と言えば食料があげられるだろう。
一本で成人男性2日分有るはずの補給食を1時間程度で2本も食べているのだから、能力の燃料じゃないかと勘くぐってもいい。
俺はポーチに入っている補給食を開け、口にほおばる。エネルギーへの変換効率がいい素材を使っているらしく、食べてから直ぐに力がみなぎるんだ。
「よし!」
食べ終わり、袋はそこら辺へ捨てる。
覚悟をきめ足に力をいれた。まるで人じゃない速度で走り出した。
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