表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/86

25話目



25話目


 少し考えればわかるだろう。

 地上では殺人強盗をした俺は凶悪犯罪者になっているはずだ。そんな俺を捕まえるために冒険者が出そろってきたのだろう。


 ダンジョンに入った時は潜伏を使っていたから、入ったことはバレないと思っていたけど指紋かなんかでバレたのだろう。もしくは秘宝で探したのか。

 まあ何でも良い。


「目が覚めた」


 何も考えず弱者を倒すだけで自分は凄いと勘違いしていたとを、冒険者の攻撃でわかった。

 考えて、考えて、考える。


 力に飲まれ傲慢になったゆえに使っていなかった脳の機能が、霧が晴れたように活性化した。


「閃光の指輪」


 俺のすぐそばまで近寄り攻撃してきた巨体の冒険者はまんまと目を眩ませた。しかし距離が遠かったからか、後ろの方で待機している奴らには効いていない。


「ぐあぁぁぁぁ!!」

 

 心臓の音が聞こえるほど冷静になり撃つべき手を考える。全身がやけどによってヒリヒリと痛いがそのおかげで目の前の事に集中できる。

 網膜が焼けてしまったのか、巨体の冒険者は手で目を覆った。ぬけぬけと剣を手放してだ。


 このチャンスを逃さないように、疾走を使い攻撃しようとする。


 しかし、脚に力を入れ飛び跳ねるように動いた瞬間、また火の玉が飛んできた。人を覆うほどの大きさのある火の玉を恐れながらも、ギリギリ横にとびことで避けることが出来た。もし動こうとしていなければまた火だるまになっていただろう。

 

「はぁはぁ」


 火の玉を見たからか全身から冷や汗が止まらなくなった。火で全身があぶられるのはトラウマになってしまうのはしょうがない。しかしそんな状態であれば潜伏を使用する事が出来た。

 冒険者の視線が火の玉で切れた時に使ったのだ。


 これで一旦は落ち着ける。

 呼吸を整えながら火の玉を発射してきた後方にいる女性の冒険者に目をつけ、どう対処するべきか考える。

 

 直後、巨体の冒険者が動き出した。確実に俺へ向かってきており、剣を地面に叩きつけるように攻撃してくる。

 見ていたので後方へ下がるように避けたが、潜伏を使ってもバレる事を忘れていたせいで驚いてしまった。


 どの様な種で俺の場所が分かるのか見当がつかないが、巨体の冒険者は仲間と会話をしている訳では無さそうなので、十中八九秘宝を使用しているのだろう。

 もしくは俺のように何らかの能力を持っているか。


 よけながら冒険者の情報を収集していく。そんなときある事に気づいた。


 巨体の冒険者は俺を攻撃してきているはずなのに潜伏が解けていないな?


 潜伏は俺の行動をしられたら解けてしまうはずなんだ。なのに攻撃してきている巨体の冒険者にはまだ潜伏が効いている。

 なにか見落としているような事が有る気がする。


 俺は首をかしげながら攻撃を避けていく。


 ……いいや。もう攻撃してしまおう。


 なんで俺の位置がバレてしまっているのかを知りたかったが、この状況に巨体の冒険者は慣れてきているのか攻撃のスピードが上がっている。

 これ以上は考え損だ。


 手に持っている短剣を構え、次の攻撃に合わせて反撃してやろうと距離を調整する。そんなとき、後ろの方にいる冒険者の1人が大きな声を出した。


「反撃してくるぞ!!!」

「なんだと!」


 まるで俺の事が見えているかのように巨体へ忠告をした。

 なぜ、巨体の冒険者ではなく後ろの冒険者が忠告したのか? 点と点が繋がりかけている。あと少しで分かりそうなのだが……


 もしかして! と、おもい俺は巨体の横が見える位置に移動するように走った。


「おい! 大声を出すなって行っただろ!!」

「しかし、あ! 時速30kmで9時の方向へ走っています!」


 取り乱しているのか、後方の男は普通に喋っている。っと、あ〜あ種が分かっちゃった。


「横です!! 真横に居ます!!」


 巨体の冒険者の耳にはカナル型の……イヤフォンが入っていた。

 分かったことで、解き放たれたように走り出した。






【麻薬求めてダンジョンに入りました!〜現実逃避してるヤク中は短剣片手に走り回る〜】をご覧いただきありがとうございます!!

よければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです!!


毎日投稿です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ