22話目
22話目
ギーっと音を立てながら、開いた先に見える道は今まで見てきた迷宮と同じだ。3階層ともなれば慣れたものだ。
ポーチに入っている食料を口に入れながら、前へ進んでいく。
少年たちから獲った食料は元はそれなりに量があったが、目に見えて少なくなっている。結構おいしいからとドンドン食べていたのがいけなかったのだろうか。しかし、体を動かしているからか、腹が減る速度が早い。
そう思いながらもポーチの中に手を突っ込み、新しい食料を取り出す。
補給バーと書かれているパッケージを手で切り中身を出す。ごみはポーチに入れてしまえば荷物になるので、そこらへんに投げ捨てた。
どうせ俺に咎めをいれる人は居ないのだから、ゴミの行方なんてどうでもいいのだ。
「うまいよな」
いくら食べても、このナッツと蜂蜜の愛称は抜群だ。それにプラスして、脇役の生地として扱われているパイも美味い。ここ数年は口に入れる事すらなかったバターの風味が体を喜ばせてくれる。
その分カロリーは高いのだろうが、動いていれば0キロカロリー。
十分に咀嚼し、名残惜しくも飲み込む。
口の中に残っているくどくなってきた甘さを残り少なくなっている水で洗い流し準備は整った。
「ふぅー……行くか」
気合が入った。
普通に生きていればそうそう食べることが無い物を食べた感情。それは殺意である。
目的を失わないように、神に誓い進んでいくのであった。
☆
「見つけた」
3階層初めての接敵。相手は見飽きてきたホブゴブリンだ。
しかし、いる数の桁が違う。
2階層では5体程度であったが、目の前にいるのは最低でも10体。そのうえ、全てのゴブリンが褐色であり、明らかにボスよりも難易度がたかい。
あきれた声が出て来そうになるが、我慢だ。
いま俺は潜伏を使用できており、奇襲できる状態。それを破られるわけにはいかない。
「ギャギャ」
「ギャ」
「グギャギャ」
何やら会話している素振りを示しているホブゴブリンを見て隙を伺う。
さて、行こうかな。
【仮名 疾走】を使用し、勢いをつけながら近付いた。
「オラ!!!」
「グギャ!!」
「ギャ!?」
勢いのまま、鋭利を使い首を飛ばす。たとえ初撃で俺のことがバレたとしても、疾走を使用しているスピードにはついてこれない。
通り過ぎるように殺した数は4体。
「戦いの始まりだ!」
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