19話目
19話目
なぜか今までより早く動ける体を極限まで使い、殺した盾持ちのホブゴブリンを隣りにいる盾持ちへ投げる。
当たり前のように盾で守ってくるが、それを求めていた。
盾で死体を防いだのを確認するやいなや、一瞬で近づき足で盾を蹴った。
防がれたせいで外傷はないが、それでもいい。求めていたのは別だ。
蹴った衝撃でホブゴブリンは倒れていたのだ。それも盾の下敷きになるように。
倒れたとはいえ盾が邪魔して短剣で攻撃をすることはできない。しかし、戦闘不能にするだけであれば方法はいくらでもある。
盾の下敷きになったホブゴブリンの上に勢いよく乗り全体重乗っける。
下からはボキボキという音が聞こえた。
「二匹目!」
動けないのであれば死んだも同然だ。
直にホブゴブリンからおり最後の盾持ちと向き合う。
すぐに殺してやろうと、足に力を入れて走り出そうとしたその時!!
ブオン!
褐色のホブゴブリンの攻撃が盾持ちを破壊しながら迫ってきた。
「うお!! あっぶね!!」
盾持ちと戦っていたとはいえ、意識していたので避けることはできた。しかし、ここまで当たり前のように仲間を囮にするとは思わなかったので心臓がドックンドックン言っている。
だがこれで動ける奴は俺と褐色のホブゴブリンしかいなくなった。
「場は整った」
もう邪魔をしてくる奴は居ない。
なら後は倒すだけだ。
あの大剣を避ける事が出来る間合いを維持しながら、、攻撃をしてくる時を伺う。
攻撃してきた時が最後だ。後隙が大きいから為替さえすれば殺せる。
しかし、そのことはホブゴブリンも分かっているようでにらみつけてくるだけで動いてはくれない。
獣みたいに後先考えずに攻撃を仕掛けて来いと苛立ちを覚えてくるが、先に動いたら殺されるのは俺だと我慢をする。条件は揃っているが、どうしても相手から動いてくれなければいけない。
いわば千日手。
「・・・」
そんなとき俺はこの状況を動かす方法を思いついた。直ぐに実行してやろうと、ホブゴブリンを中心に円を描くように移動する。
求めているのは投げることが出来るものだ。
死体でも何でもいいのだが、あたるように投げてやれば避けるなり、切り捨てるなりしなければ行けない。そうしたら隙が出来るはずだ。
俺はその隙をつく。
じりじりとすり足のような歩行で移動する。
距離は保ちながら、そして視線は外さないように。そうしなければ俺が死んでしまう。
ホブゴブリンの攻撃は後隙が大きいとはいえ、攻撃事態は素早く対処するにはずっと見て居なければいけない。
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