14話目
14話目
あの後も何回かホブゴブリンと戦ったが、回数を重ねていくうちにパターン化してしまい、相当油断しなければ負ける事が無いところまできた。
見つけたら、潜伏を使いながら一気に近づいて行き2匹同時に倒す。出来れば一振りで倒せた方が良い。潜伏で攻撃すれば驚いてくれるから、2回目の攻撃も十分できるが、そうしてしまうと反撃される隙を作ってしまう。
出来れば攻撃した後は、反撃されない距離を保ちたいのだ。だからと言って、距離を保てない場合もある。その時は倒したホブゴブリンを盾にする。
即席の肉壁にするのだ。
そうでもしなければ、棍棒を真正面から受けなければいけなくなってしまう。俺の反射神経だと振りかぶられてから気付いたのでは避けるのは困難だからだ。
その後はどうにかして潜伏を使い戦っていく。
その場のノリとフィーリングでどうやって潜伏を使うのかは様々だが、一番楽だったのは倒した死体を投げる事。でも死体って案外重いんだ。戦いの中突発的に投げようとすると腰が砕けるくらいには重い。
だからと言って潜伏を使わないという選択肢はない。
俺がここで生き残っている理由の8割くらいが潜伏だ。それくらい使いやすく、殺すのに直結しやすい。
そんなわけで、俺の作戦は潜伏だよりなんだ。
さて、そんな風に感傷に浸っていたわけだが、ここで朗報だ。
2階層の門を見つけた。
時間にして20分くらいだろうか? それよりもかかっているかも知れないが、1階層の時よりは経っていない。メシ食って調子が良かったんだ。
まあ、魔物と戦ったりしたからこれでも遅いのかも知れない。しかし次の階へ行くには絶対にボスを倒さなければいけないので。体の調子だったり潜伏だったりを調整しなければいけないのだ。
それに戦闘経験なんて皆無だからね。ある程度戦った方が良い。
1階層のボスでは考えなしに突っ込んだが、今回は潜伏をちゃんと使いながら門を開けた。
ただ、まあ……門を開けた時に認識されてしまった判定を喰らってしまって普通に見付かってしまった。
「グギャギャ!!」
「グギャ!!」
「グギャ!!」
「ギャ!」
「ギャ!」
「ギャ!」
「ギャ!」
中にいたのは2階層で何回も見たホブゴブリンの集団。
しかし違う点が3つあった。
一つはホブゴブリンと同じ体形だが肌の色が違う個体が一匹いる事。
二つ目は統制がとれている事。肌の色が違う奴が一番上だ。
そして三つ目が武器の種類が増えて、質も上がっていることだ。前4匹が鉄製の盾と槍を持っており、その後ろの2匹が弓を持っている。一番後ろにいる褐色のホブゴブリンは巨大な大剣を持っている。
俺が思っていたような魔物らしくない戦い方だ。想像では血みどろで我武者羅に戦っていると思っていたんだけどな。
2階層では群れているとはいえ、我武者羅に戦っている感じがあったから勘違いしていた。
とは言え戦わなければいけない。
「勝ってやる!」
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