9話目 決意〜体の不調〜
9話目
あぁ、社会に蔓延るゴミをどうしてやろうか。大企業から順番に潰していくのがいいのだろうか。
社会のあり方に疑問を持ち、俺のような人を減らすためにどうすればいいのか考えていた。
しかし、一般的な方法として一番最初に思いつくであろう、法律に基づいて解決するのは最初から頭になかった。
殺してどうにかすればいいとしか思ってないのである。
なぜなら社会が安定していないからだ。
ある人はその日暮らすための金を精一杯稼いでいるのに、ある人は末代まで豪遊できる金を持っている。
ある人はきれいな水がないからと泥水を啜っているのに、ある人はきれいな水を浴びるように消費する。
ある人は骨折しても自己責任なのに、ある人は些細な傷であれ大金をもらって治療している。
俺は間違っていると思うんだ。
だから『今』を壊したいと思っている。
神だって嘆いているはずだ。すべての人が平等でないことに。
「そうだ、そうか! 資本主義が悪いんだ」
金は天下の回りものであるはずなのに、一箇所に集まりすぎているんだ。そのせいで、俺にまで金が回ってこない。
だったらどうすればいいのか?
「上から順に殺していこう。そうすれば下まで回る」
金が止められている場所があるのだとすれば、そこをなくせばいい。
「ですよね神様! 俺はやってみせますよ、法律を盾にふんぞり返っている豚どもに革命を起こしてやります!」
両手を合わせ膝をつき頭を少し下げる。これは信仰の証だ。
そして、社会を変えてみせるという決意でもある。
こんな姿一時間前の俺に見せたら何やってんだと笑われるだろう。それほどこの短期間で変わっていた。
だからといって決意が浅いと言っているわけではない。
今までの生き方と、どのような仕打ちをされたのか。そして現状と、クスリによって常人とはかけ離れた思考を行う頭。
それらが合わさったからこそ、この結論に至ったのだ。
「さて、こうしちゃいられない。」
俺はすぐに移動しようと立ち上がる。しかし体に異変が起きた。
「直にち…じょう……に、もどら。
あれ? 視界が……」
まっすぐ立てないほど視界が歪み始めたのだ。
ヤバいと思い座り込もうとしたが、一歩遅い。
足元がおぼつかず倒れてしまったのだ。
「どうし……たんだ」
なぜこうなったのか予想しかできない。何らかの病気によって、脳の血管が塞がったのか、もしくは自律神経が狂ったのか。
しかし、それらすべてが間違っていると確信を何故か持っていた。
少しずつ真っ暗になっていく視界に恐怖心をいだきながらも、抵抗せずにいるのであった。
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