表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第3話 現状確認

 昨日は再び魔物に襲われる…という事もなく無事に朝を迎える事が出来た。テントの片付けやかまどの後始末を終え、ハンターズギルドのある拠点、『ケールムント』へ出発した。


 そして、その道中でチェイサーの皆からこの世界の事を聞いたり、質問をした。知らない事がたくさんあり頭が混乱しそうだが、なんとか自分の中でまとめる事が出来た。


 まず、この大陸はアーネルヘル大陸といい、その中には4つの国が存在し、東側に『イストルグ』、西側に『カウル』、南側に『サーケルード』、北側に『ノーズポスト』となっており、それらをまとめて『アーバンティ国』という1つの国とし、国王が治めている。


 俺が目覚めた森(ディシスの森と言うらしい)や今向かっているケールムントは、西の国、カウルにあるものとの事だ。


 このアーネルヘル大陸は、まだ端から端まで調査が進んでいないため、ハンター達は、日々未開拓の土地を調査したり、魔物の討伐に精を出している。


 次に、ハンターズギルドにはランクというものが存在する。FランクからAランクまで存在し、ハンターとしての活動で名声を上げる事で、受注出来る任務や依頼が増えていくとの事だ。

 ただし、例外的にNランクが存在しているらしい。このランクは研修期間みたいなもので、ハンターとしての心得を学んだり、キャンプ地でテントの設置や野宿体験をするなど、ハンターとしての基本的な事を頭で、体で覚えていくのだという。


 次に、スキルについてだ。

 スキルには3つ種類あり、1つは、身体の中に秘められた「内部的」にあるものと装備品に付与されている「外部的」なもの『パッシブスキル』。


 もう1つは武器を使って攻撃する際発動するもの『アクティブスキル』。


 最後の1つは体の中に秘められたもの『レイテントスキル』がある。


 パッシブスキルについては、内部的なものは誰もが必ず1つ以上スキルを持っているらしい。これについては、ギルドで研修を終えた後、『鑑定眼』というスキルを持った人に調べてもらうことで知ることが出来る。

 そして、外部的なものは、装備品にスキルが付与されているため、装備するだけで発動出来るらしい。


 アクティブスキルはスキルパワーというものを使用して攻撃を行う、必殺技の様なものだろう。普通の攻撃とは違い、大きくダメージを与えたり、攻撃範囲が拡大したりするらしい。

 ただし、無限に発動出来る訳ではなく、スキルパワーの残量がなくなると、不発に終わってしまうとの事だ。回復手段はあり、アイテムによる補給や自然回復による回復が主らしい。


 レイテントスキルについては、所謂潜在能力と呼ばれるものだ。しかし、このスキルは謎が多いため、よく分かっていないとの事らしい。

 ある日突然レイテントスキルが覚醒して、大幅にパワーアップした、なんて報告もごく少数ながらあるとの事だ。


 最後に武器についてだ。

武器には、「剣」、「キャノン」、「魔術具」の3つがあり、それぞれ大きな特徴がある。

 まず、剣には機動力が高く、取り回しの良い「片手剣」、片手剣の刀身を大型にして、威力を高めた「両手剣」がある。ハンターによっては、もう1つの片手剣や盾を装備したり、両手剣の刀身を更に大型にした剣を持つ者もいる。(ジェイドはこの巨大な両手剣装備だ。)


 次にキャノンについてだ。キャノンは巨大な砲身に弾を込め、発射するというものだ。昔、動画投稿サイトに似たようなものを撃つ動画が上げられていた。あれはロケットランチャーというモノだったか。使用する弾も、爆風と破片で広範囲にダメージを与える榴弾と、弾頭を硬くして、モンスターの鱗を貫通させる貫通弾など、色々な種類がある。


 最後に、魔法具だ。魔法の威力を上げる補助的な装備らしい。杖や魔導書、ピアスやネックレスなど、様々な形で身に付けるだけで良いとの事だ。魔法の威力は、攻撃に限らず、回復魔法の治癒能力を上げたり、バフ、デバフの効果が大きくなったりするらしい。(ケリアやパズは剣やキャノンを装備した所は見てないので、恐らくこれだろう。)


 以上がケールムントに着くまでに整理した情報だ。

 今自分は驚きを顔を浮かべているだろう。その理由は、この世界へ来る前に、プレイしようとした「ハンティング・ワールド」というゲームだ。

 というのも、人生初のゲームだったので、操作をきちんと覚えてからプレイをしようという考えだったので、説明書を読んだのだ。その際に前述した単語や地名等が書いてあったのを記憶している。今、自分がいるのはこのゲームの中の世界なんだ。


 「…大丈夫か?』


 ジェイドがこちらの顔を伺いながら話掛けてくる。驚愕の表情を浮かべる俺を心配してくれたのだろう。しかし、迷惑掛けっぱなしなのに更に迷惑を掛ける訳にもいかない。


 「…はい、大丈夫です。聞き慣れない単語がありすぎて、ちょっと頭が混乱しているだけです。」


 「それは仕方ないよ。いきなり違う世界に飛ばされて、この世界の事を知ろうとしてるんだ。平常でいられる事のほうがおかしい。」


 「まだまだ時間はあります。分からないが部分があれば、また説明致しますので、お気軽にお声を掛けてもらってもいいんですよ!」


 「そういうこった!元の世界に帰りたい気持ちはよく分かる。だが、どのみち国王に会えるまでにはかなりの時間を要する。国王に会えるのはAランクハンターのみ。俺達も会った事は無いんだ。急ぐ必要はない、ゆっくりとこの世界を知ってくれ。」


 皆が俺を想って言葉を掛けてくれる。そうだ、俺は武器を持って戦った事なんて無い。ただ人より足が早いだけ。そんな奴がAランクのハンターになれるはずがない。

ジェイドの言う通り、まずはモンスターと戦う為の体を作るんだ。


 「…そうですよね!今はくよくよしてる場合じゃないですよね!皆さんにはかなりの迷惑を掛けてしまいますが、よろしくお願いします!」


 「うん!元気になったようで良かったよ!…と、ここがケールムントだ。そしてここをずっと奥に行った先にハンターズギルドがある。まずはそこに行ってハンター登録をしよう。」


 ケールムント…非常に活気のある場所だ。町には家が建ち並んでいる。中世ヨーロッパのような雰囲気だ、少し先には広場があり、そこでは子供達が走り回って遊んでいる。道の端には、いくつもの店が並んでいる。食べ物、服装、家具…色々な物を売っているのが確認出来る。

 

 (今日からここで過ごして、ハンターとして活動する拠点になるんだな…)

 

 期待と不安が入り混じる中、チェイサーの皆と一緒にギルド登録の為にケールムントの地へ足を踏み入れた。


 


 


 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ