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⑷『前後不覚の、メトロノーム』
⑷『前後不覚の、メトロノーム』
㈠
自由な時代さ、フォームが崩れた小説でも、俺は書き続けるよ、前後不覚の、メトロノームを。何が言いたいかって、実際のところ、何も言いたくないんだ、だってさ、みんな、自由に暮らせば、それで、幸福じゃないか、何か言う必要なんてないんだ。
㈡
そうだろ、え、ここにその文言を書けってか、幾らでも書くよ、平和のためにね。そうだ、天界には素晴らしい景色と食物があるってさ、銀河鉄道に乗って、皆、行こうじゃないか、我々のための、我々なのだから、実際、自裁するまでもなく、幸福さ。
㈢
あはは、おかしなことを言うなよ、っていうお前は、実は俺なんだ。鏡写しさ、他者で生きる自分が居たら、偽物の様な本物だね、前後不覚の、メトロノームは、今、まさに、そう言っている、俺たちは、優勝するために、集まった訳じゃない、平和の発展のために、集まったんじゃないか。