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⑵『前後不覚の、メトロノーム』
⑵『前後不覚の、メトロノーム』
㈠
お前は本当に本当に、この闇の中核で、何が言いたいんだ、と聞かれ、それがさっぱり分からないんですが、眼前に、前後不覚の、メトロノームがあることだけは、確かなんです、と言う言葉の結びは、自分には適切な言葉なのである。
㈡
どういうことなんだろう、我々にはしかし、言葉と言うものの自由の価値を、知る権利がある。と言えば、俺は俺の適切を、痛覚に到るまで、自白するだろう。そうだろうし、面目ない、と言っても、始まらない自由は不自由であるのだ。
㈢
しかし、またしても、メトロノームか、音を刻む標的、俺は素晴らしいと思うようになったよ、人生の時を刻むんだ、メトロノームは。だから、俺は歓喜しながら、前後不覚の、メトロノームと言う小説を、書くようになったのだ。