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リトライ!!─救国の小女神様、異世界でコーラを飲む─  作者: 山本桐生
プロローグ

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真相と解決

 時間は少し遡る。

 それは、オシッコをしたいとデルスから離れた時。


「ほら、シノブ。ここで待ってるから」

「お父さん。私の力は教えたよね。アバンセにだって勝てる力」

「まぁ、お父さんが直接見たわけじゃないけどな」

「それでね、覚えといて欲しいんだけど、私にこの力がある限り、絶対に負けたり、捕まったりしないの。それに今日はヴォルが隠れて付いて来ているから特に絶対の絶対、私は大丈夫なの。分かった?」

「分かったような、分からないような……どうかしたのか?」

「いいからこの言葉を覚えといて」

「あ、ああ」

「じゃあ、戻ろう」

「ん? オシッコは大丈夫なのか?」

「……ついでにしてく」


 そんな話をしていた。

 だからこそ、お父さんはデルスに脅された時、その脅しに屈しなかったのだ。俺の言葉を信じたから。


 今日は縛り上げたデルスとその仲間達を警察へと突き出した。

 取調べは後日にまた行われるだろう。


★★★


 ふぅ~

 お風呂は最高だぜ~

 今日は疲れたしな~

 お風呂に入っていると。

「シノブ、お父さんも入るぞ」

 と、お父さんも入ってくる。

「それじゃ私が背中を流してあげるね~」

 二人でお風呂に入りながら。

「シノブはいつからデルスが怪しいと思っていたんだ?」

「怪しいってよりは、良い人過ぎて逆に信じられなかったっていう感じかな」

「うちの娘はどうしてこう捻くれてしまったのか……」

「でもそのおかげで犯罪を未然に防げたし!!」

「それはそうなんだけどな」

「それで例えばデルスが悪い人間だったら、って考えたの。そうなると2年前のお父さんの事故もデルスが関係しているんじゃないかって。関係しているなら、お父さんの事を殺そうとしていた事にもなるし、本当に殺そうとしているなら、今回の大森林の見回りは絶好のチャンスでしょ? だから警戒だけはしてたんだ」

「シノブはまだ12歳だよな?」

「うん。言いたい事は分かる。考える事が子供っぽくない、大人っぽいって学校でも言われるし」

「……今日はシノブに助けられたな。ありがとう」

 頭をクシャクシャと撫でられる。

「うん」

 ヤベェよ。ちょっと嬉しいわ、これ。


★★★


 さて後日。

 真相は?

 俺の予想は半分当たって、半分外れていた。

 まずは2年前。お父さんの事故は本当にただの事故だった。

 瀕死の状態であったお父さん、その親族にその事を伝えるか伝えないか、病院でのそんな話の中でお母さんの親族の話も出たそうだ。

 そこでデルスはお母さんがモア商会の親族である事を知ったのだ。そこが始まり。

 そこからはデルスが自分で話していた通り。2年間、計画を練っていたらしい。結果としてこのバカは相当長い期間ブタ箱にブチ込まれる事になるんだけどな。


 さてこの話を聞いて、怒ったのがお姉ちゃんである。

「シ~ノ~ブ~、また隠してたのね!!?」

 デルスの事について好き嫌いなんて話をしていた時の事を言っているんだろう。

「隠してたんじゃないって!! だって私の勘違いだって事もあるし!!」

「ヴォルも!!」

「シノブが絶対に秘密とか言うから」

「裏切り者!!」

「危ない事ばかりして心配させないの!!」

「私が危険な事をしているのではない……危険が私を呼んでいるのだ……痛いっ!!」

 ゲンコツ。

 そんな感じで事件は解決。名探偵シノブ・完。


★★★


「ねぇ、ヴォル。私の夢、教えてあげようか?」

「知ってる。よく言ってるし」

「再度、聞かせてあげるよ。そう、私の夢は就職」

 前の世界では無職だった。だからこそ生まれ変わった今の夢、それは就職!!

 しっかり働き、しっかり稼ぎ、しっかり親孝行をしてやるんだよ!!

「それでね、名探偵シノブになろうと思うの」

「名探偵……」

「ヴォルの鼻があれば仕事として成り立つんじゃないかって」

「それ名探偵ヴォルフラム」

「でもさ、ヴォルと一緒に仕事が出来れば、ずっと一緒に居られるじゃん」

「俺は森の主になるつもりなんだけど」

「やだー、ずっと私と一緒にいようぜぇ」

 ヴォルフラムにギュッと抱き付く。

「俺の方こそ嫌だ。シノブにずっとコキ使われたくない」

 と言いつつも、ヴォルフラムの尻尾はパタパタと嬉しそうに上下するのだった。

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