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第1幕 黒髪の騎士?!イケメンに跪かれました。

初投稿です。

よろしくお願いします。

 澄み渡る空とオレンジ色の屋根がたち並ぶ美しい街並み。ヨーロッパを思い起こさせる石造りの街並みは活気に溢れ、人々は陽気に笑い賑わっている。


 そこから少し離れた場所には見渡す限り緑で覆われた森があり、その奥に白亜の美しい城が静かに聳え立っていた。


 その城の中では、力のある貴族は勿論、弱小貴族や商人まで招待され、大々的に凱旋パーティーが開かれていた。


 ホール内では、各々がお話したり踊ったりしている中で、1人の男が金髪の女の前で跪いた。


「君に興味が湧いたようだ。私と付き合ってみないか?」


「はい?!・・・?!」


 吸い込まれるような美しいブルーの瞳をパチパチさせながら、訳がわからないという表情で当惑しているのは、長い金髪にオレンジ色のドレス、背が高いのに華奢なスタイルのこの城の第3王女ローザ・シルフィーだ。


 動揺して口をパクパクさせ始めているローザに、黒髪で長髪、雅やかな黒い軍服をきた男は更に言葉を被せた。


「私と付き合えば君を幸せにできる。だから何も心配する事はない。」


 ローザは男の言葉にハッとしたのか、瞳は動揺から一瞬で冷ややかな色に変わった。


「あなたがどなたか存じ上げませんが、私にはれっきとしたフィアンセがおります。ですからあなたに幸せにして頂かなくても結構ですわ。」


ハッキリと突っぱねるローザに、男はフッと意味ありげに笑った。


「そのフィアンセ殿は、何故今君の隣にいないのかな?ましてや王家が主宰した凱旋パーティーで、君はその王家のお姫様なのに、それでも君の隣にいない理由は?」


 ローザはキッと男を睨みつけた。瞳の奥には怒りと不安、そして悲しみが見え隠れしている。


「き、今日は、お仕事が溜まっていて手が離せないからと・・・。私のフィアンセは真面目なのでございます!」


 苦し紛れに出た嘘がバレバレだというように、男は少し憐れむような表情で苦笑いした。


「そうか。君のフィアンセは真面目だという事にしておいてあげようか?」


「無礼な方ね!あなたとは言葉も交わしたくはございませんのでこれで失礼致します!」


そう言うと、ローザはキスをされた手をまだ握られている事に気づいて、思いっきりその手を振り払って男のもとを去って行った。


男はローザの後ろ姿を見つめながら、フーッとため息を吐きながらも、王女の歩いていく先を面白そうに眺めた。


「ほんっと失礼!!何あの人!!」


プンプン怒りながら、ローザはホールを細いヒールでカツカツと音を鳴らしながら扉に向かって歩いた。


 その姿を見ていた貴族達は、クスクスと笑ったり陰口をたたいていて、一国の王女に対する態度とはかけ離れた態度をとっていた。


 ローザは慣れたものなのか、全く気にも留めない表情のまま扉を開こうとしたその時、先に誰かが扉を向こう側から開いた。


 入って来たのは、聖剣の騎士と謳われるアイトワイズ王国随一の剣士と、その隣には黄色の可愛い花をあしらった明るい色のドレスを着た黒髪の女がエスコートされて入ってきた。


 その聖剣の騎士こそがローザの婚約者である。


 「ベートシュ様。今日はお仕事が終わりそうにないからと使いの方が来られたのですが早く終わられたのですね。」


 感情が読み取れない表情ではあるが覇気はなく、下向き加減にローザは口を開いた。


 「ああ。早く終わったのでローザの為にここに来る途中に偶然にヒメール嬢とお会いしてしまってね。パートナーが見つからず、1人で来るのは恥ずかしいと仰ったので、今夜は僕がパートナーをかって出たんだよ。」









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