謎の女
「すごい?すごい?ねぇねぇ!ひますごいよね?沢山褒めてくれてもいいんだよー?ねー、亮兄ぃ?」
「う、うん…。俺の予想の何倍もひまは強いし凄かったんだな。よーしよしよし、ひまは強いし偉いなぁ。」
少し、いや大分調子に乗っているなとは思ったが…実際として凄いし、これだけの肉が手に入るとなるとかなり助かったりもするのでしっかり褒めさせてもらうとするか。
それにしても本当に大きいな、食べきれるかわからん程に肉が手に入ってしまったな。
流石にこの肉を全部干し肉に変えるってのもなぁ…とりあえず火起こしさえ出来ればな、釜戸的なものを作って焼肉もどきもできるんだがな。
まぁそれはおいおい考えるとして、そろそろ現実に目を向けますか……。
「さて、ひまさんや。」
「んー?どーしたの?」
「もしかしてさ、この猪…俺1人に運んでもらうつもり、とかじゃないよな…?」
「ヒマ、タオスノ、ガンバッタ!だから運ぶのは亮兄ぃに任せたっ!」
いやもう絶ッ対にそうだと思ったんだよ。
もう既に運んでもらう気満々で手伝うつもり0って雰囲気伝わってきてるし。
運ぶの自体は構わないんだけど…これ、運べるのか…?
一応何パターンかやれるだけ試してみるかー…それでも無理だったら……最悪この猪は諦めるかここで調理して食うしかないな。
「うん、当たり前だが出来るわけもなかったな。さて、本格的にどうしようか……。」
「あのー、何かお困りな感じですかネ?」
「え?あぁ、そうですね……」
「それでしたら手助けさせていただきますネ!見た感じこれをお運びすればいいんですかネ?」
「あー…はい、そうですね…。でも、大丈夫なんですか…?」
「ではでは、早速運ばせていただきますネ!」
「あの、無理はしなくても……え?」
どういうことだ…?困っていたところに現れた女性に助けを求めはしたが、そもそも運ぶなんて出来ると思っていなかったし、本当に運んでもらえたらラッキー!くらいで考えていたが…女性の人が猪に触れた途端に猪が消えた!?
魔法!?もしかして、定番のあの魔法なのか!?!?
ひまも俺と同じことを考えているのか驚きつつも興奮した様子で俺の方を見て頷きまくってるな…。
まぁ興奮するなって方が無理があるよな…俺だって同じ気持ちだしな。もちろん分かってるぞ、ひま…こんなの、聞くしかねぇよな。
「あ、あの!もしかして今のって…魔法的なやつですか!?!?」
「おやおや、貴方たちは"マジックボックス"が気になるのネ!ちなみに質問の答えはもちろん魔法だネ!」
「!!!!」
驚きと予想が当たった事による興奮でもはや返事をする事すら出来ていない俺たちに女性は更に嬉しい提案をしてくれた。
「興味津々みたいだネ!私でよければ教えることは出来るけど、試してみる…ってその顔を見れば聞くまでもないネ…!」
「いいんですか!?!?」
「もちろん良いに決まってるよネー!でも、話の続きは貴方たちの拠点に帰ってから、だネ!!」
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