班長会議
「それでは修学旅行第二日目の事後研修を始めます。」
委員長の藤崎美和子に代わって一斑班長の由比藤絵里菜が宣言した。この二人は仲がいい。
藤崎は…、まだ顔色が悪い。声をかけてみた。
「調子が悪いんだったら部屋に帰って休め。」
今、閉店後のホテルのレストランに集合しているのは各班の班長と代表委員だけだ。班長会議の司会だけなら由比藤に任せてもいい。
「いえ…、先生。ぜひこの機会にみんなに言っておきたいことがあります。」
正直言って担任としては休ませたい。明日に響くようなことはしてもらいたくない。
しかし、藤崎が事前準備の段階から相当熱心に下調べをしていたこと、この修学旅行に何か相当な決意を秘めていたらしいことがわかっていたので無下にはできなかった。
「それでは班長は今日の反省を言って下さい。」
由比藤が促がす。班長たちがほとんど一言ずつ似たようなことを述べる。その日のうちに研修地の感想を言わせて、旅行後に出させるしおりを書くきっかけにするためだが、みんなぼそぼそ当りさわりのないようなことを言ってるだけだ。ほとんど事後研修になってないな。
「では最後に委員長の藤崎さん、どうぞ。」
「今日はみなさんにご迷惑をかけてすみませんでした。だけど貴重な経験が出来たと思います。」
藤崎が青白い顔をして、ぽつりぽつりと話し始めた。
「あの…ガマに入った時、何かを感じました。」
ガマとは沖縄県に点在している洞窟のことだ。太平洋戦争最後の局面、沖縄の地上戦で日本軍の部隊、そして住民たちが戦火から逃れるためにこのガマに隠れた。そして多くの民間人が……、死んだ。
「わたしには見えたんです。
本土が勝手に始めた戦争のせいで、傷つき、尊厳を奪われ、死んでいかなければならなかった人たちの姿が…。
わたしはあの中に入るまで、ここにはきっといろんな人たちの悲しみ、悔しさ、何よりも恐怖がひしめきあっているのだろうと覚悟をしていました。
だけど心のどこかで『霊なんかいるわけがない』と思っていた。思ってしまったんです。
あの人たちが姿を現したのは、そんなわたしたちを戒めるためだったに違いありません…。」
藤崎らしくない要領を得ない言い方だが、必死さが声と態度ではっきりとわかる。
だらけていた班長会議の雰囲気がぐっと重くなった。
「幸いわたしはガマを出た後すぐにお祓いをしてもらったためそれ以上怖い目には遭いませんでしたが、あそこでもっともっと恐ろしい目にあった人たちがたくさんいるんです。だからわたしたちは、どこにいてもどんな時でも、そういう人たちのことを決して忘れてはいけません。わたしはそのことを学習しました。みんなもそれを学習しなくてはいけません。そうでなければあなたたちもわたしのように、あの人たちの姿を見なくてはならないことになるでしょう。」
全員が押し黙った。
もっともこれは、藤崎が霊とか言い出したことを気味悪く思っているだけだろう。無論平和学習としていいことじゃない。戦跡は心霊スポットではない。
「バカか、おまえは。戦跡は心霊スポットじゃねえ」
そう言ったのはおれではない。
「フン、あんたに美和子のことを馬鹿だとか言う資格があるの?」
由比藤が、声を上げた男子…緒方恭輔に向かって言った。確かに学年トップの藤崎と常に中くらいの緒方とでは成績にはっきりとした差がある。
「あのなあ藤崎、おまえはあの洞窟の中に入って霊が見えたような気がしただけだ。それで塩をかけてくれたあの人、名前は知らんが現地の人だろう。あの人は霊を払ったようなつもりになっただけだ。それでおまえは霊を払ってもらったつもりになっただけだ。」
由比藤にかまわず緒方は藤崎を見て言う。
少し雰囲気が変わった。男子の班長たちがニヤニヤしだした。もともと美人で女子に人気があり、それ故に何となく男子には敬遠されている藤崎に食ってかかる奴がいるのが面白いのだろう。
「緒方…、あんた霊を馬鹿にするのね。そういう奴がいちばん後悔するのよ…。」
緒方は周りの男子の反応もどうでもいいようだ。藤崎しか見ようとしない。
「幽霊がいるかどうかなんておれは知らん。いるかもしれないし、いないかもしれない。」
「見たことがないから? あたしは見たわ。」
「バカ言え。自分が見たものしか信じないとしたら、徳川家康がいたことも、ここに空気があることも、地球が丸いことも信じられなくなるぞ。」
「だったらなんであたしが見たものを、見たわけじゃないとか言うのよ!」
「日本列島に人が住むようになってからどれくらい経つんだ? 何百万年か知らんが。人が死んだことがない土地なんてきっとどこにもないぞ。おまえは洞窟に入る時に『ここでたくさんの人が死んだんだ』とずっと思い続けていた。霊が見えてもおかしくないと思っていた。洞窟の中は光がまったく差さない。真っ暗な中で物音ひとつしなければ気持ちが悪くなってもおかしくない。」
「あんたねえ! あそこで死んだ人に対して失礼だとは思わないの!」
「沖縄戦では空からの爆撃で、海からの艦砲射撃で、あらゆる場所で多くの人が死んだ。なんでガマの外には幽霊が出ないんだ? 結局おまえは、霊が出るって聞いていた思い込みと、暗闇と無音の雰囲気に当てられてヘンなものが見えたつもりになっただけだ。」
「これだからあんたは馬鹿なのよ…。ガマの中で死んだ人と、外で死んだ人の違いがわかってる? 爆撃や砲撃で死んだ人はアメリカ軍によって殺された。戦争なんだから敵に殺されることはあるでしょう。だけどガマで死んだ人たちを虐殺したのは日本軍よ! 食料の強奪をしたり、ガマの外に出れば死ぬとわかっているのに民間人を追い出したり…。」
「アメリカ軍のせいで死んでも幽霊にならなくて、日本軍のせいで死ぬと幽霊になるって…。ずいぶん政治的だな。」
「それだけ悔しいってことよ。」
「そうすると、牛島満中将の幽霊が出ないのは悔しくなかったっていうことか?」
牛島中将とは沖縄に派遣された第三十二軍司令官のことである。沖縄の軍民に徹底抗戦を呼びかけた後、長勇参謀長とともに摩文仁の丘の洞窟で自決した。
「あんたガイドさんの話聞いてた? 牛島は民間人の処遇について米軍と何の交渉もしなかった。ただ『俺が死んでもおまえたちは戦え』って言って死んだ。同じ司令官でも太田少将は『沖縄県民の今後を頼む』と言って死んだのに!」
太田少将とは、海軍沖縄根拠地隊司令官太田実のことを指す。
「ということは、太田司令官の方が未練があったのかもしれないな。自決した旧海軍司令部壕に幽霊が出るなんて聞いたことないが。」
「太田少将は戦いの中でも民間人のことを考えられる人格を持っていた。牛島とは違う!」
「生き残った人たちで牛島中将のことを人格者だったという人は少なくない。」
「生き残った連中ね…。多くの兵士や民間人が死んだのに、ああいう地図に線を引いていただけの高級軍人がのうのうと…。」
「バカ言うんじゃねえ! 誰であろうと死なずにすんだのならいいことだし、死んじゃったのなら悲しいことだ。」
「きれい事よ! 自分の責任で人が死んだのならきちんとけじめをつけるべきだわ。」
「それはとにかく牛島中将には『牛島』っていう表札を『牛鳥』って読んで料亭と間違えて玄関に入ってきた男を座敷に上げて、夜中まで酒を飲んだっていうエピソードもある。それにひきかえ太田実はひどい亭主関白で寝たまま奥さんに髭を剃らせていたそうだ。そんな牛島司令官が本心であんな言葉を遺したかったのかは誰も知らない。」
「あのねえ緒方、責任っていうのはどんな気持ちだったかじゃなくてそれがどんな結果を生んだかによって負うものなのよ。あの牛島の遺言があったから将兵も民間人も降伏することができなかった。降伏の許可を得ようにも司令官はもういない。」
「簡単に降伏を許可する軍隊なんて世界中どこにもないぞ。もっとも敗戦直前のドイツ軍はヒットラーの命令を無視して勝手に降伏していたが。その点日本軍は投降する部隊も潰走して総崩れになる部隊もなかった。軍隊っていうのはひどく負け始めると組織としての機能を失う。だけど日本軍はいくら負けても最期まで日本軍であることをやめなかった。」
「それがいいことだって言ってるんじゃないでしょうね。無駄な攻撃を繰り返してみんな犬死にしていった!」
「犬死にね…。死んだ人に失礼だな。」
「そんな言い方で歴史上の事実を曲げるべきじゃないわ。」
「犬死にっていうのは、事実じゃなくて解釈だ。」
「沖縄に派遣された日本軍は上陸してきた米軍の兵力の何分の一かで、武器も貧しいものだった。アメリカ軍の兵士はみんな自動小銃を持っていたけど、日本軍の兵士は明治時代に制式化された、いちいちボルトを引かなければ弾が出ない銃しか持っていなかった。」
「三十八式歩兵銃は確かにボルトアクションだが、狙撃銃としては名銃だ。大砲や航空機の発達によって遠くの敵を倒すのは歩兵の仕事じゃなくなった。だから近くの敵を倒すために、命中精度では劣っても速く弾を撃ち出すことができる自動小銃、つまり突撃銃が開発された。しかし日本軍は沖縄戦では完全に制空権を失い、大砲のような重火器も決定的に不足していた。遠くの敵を倒せない突撃銃を持っていても意味がない。ボルトアクション小銃で遠くの敵を狙い撃ちした方がマシだ。だいいち物資不足の日本軍が弾をそんなに速く撃ち出しても仕方がない。」
「要するに、大砲も飛行機も全く不足していたっていうことね。」
「その通りだ。」
「だから犬死だって言うのよ。あんな兵力と装備の日本軍が米軍を撃退できるはずがなかった。負けが決まっている戦いに放り込まれて死んだのは無駄死にだとしか言えないわ。」
「沖縄戦における日本陸軍の目的は米軍を撃退することじゃない。そんなことができるとは誰も考えていなかったろう。」
「だったらなんであんなことをさせたのよ!
さっさと降伏すればいいのに!」
「少しでも米軍に犠牲を強いること。そして他県に米軍が侵攻するのを遅らせるための時間稼ぎだ。」
「本土防衛のための捨て石にしたっていうことじゃないの!」
「沖縄は、日本本土だ。」
「あんたはそう思ってるかもしれない。だけど当時の日本人はそうは思っていなかった。だから沖縄を捨て石にできた!」
「当時の日本人と言ったってたくさんいるぜ。沖縄に対する思いも人それぞれだろう。」
「沖縄に地上戦を強いたじゃないの!」
「日本とアメリカは遠い。」
「いきなり何言ってんのよ!」
「だから戦闘は最初のうちは日本とアメリカの間で、つまり太平洋とその島々で行われた。
日本は負けていくごとに西へ西へと追い詰められた。ついに沖縄に入られたっていうことだ。日清戦争、日露戦争では戦場は中国大陸で日本の領土はそうならなかった。勝っていたからだ。ドイツもイタリアもそうだが、負ければ外国の軍隊が国内に入ってくる。国内で地上戦が行われたのは、負け始めたからだ。沖縄に地上戦を強いたのはアメリカだとも言える。沖縄ではなく台湾で行われた可能性だってある。事実日本陸軍は台湾と沖縄の両方に兵力を分散していた。」
「あんたは色々言ってるけどね、沖縄を捨て石にしたことには変わりはないわ。」
「確かに沖縄より東京が大事だったろう。だけどそれはどの地方にも言えることだ。サイパンより沖縄が大事、沖縄より九州が大事、九州より東京が大事…。」
「だから、沖縄を捨て石にしたことに変わりはないって言ってるでしょ! 牛島の最期の言葉は、おまえらは捨て石になれって言うのと同じことだわ!」
ひやひやしてきた。この話は沖縄の人には聞かれたくない。緒方の言っていることは本土人の見苦しい言い訳にしか聞こえないだろう。緒方は比較的落ち着いて話しているが、藤崎はこの生徒らしくもなく、どんどん感情的になっている。レストランこそ閉店しているが壁一枚向こうはパブリックスペースだ。誰かが聞きつけて面倒なことになるかもしれない。ホテルや他の客とトラブルになることだけは避けたい。
「確かに、牛島中将の最期の言葉はそう受け止められても仕方がない。だけどそれは、沖縄を時間稼ぎに使うという陸軍の方針を反映させたものだ。一方海軍は沖縄を決戦の地とし、後のことは考えないという方針で臨んでいた。だから大和を出し、貴重な操縦士と燃料を犠牲にして特攻隊を出した。」
「何の役にも立たなかったけどね。」
「悪臭と灼熱の生き地獄のようなガマの中で多くの人が一杯の水を求めていた。だけど空襲と艦砲射撃で一歩も外に出られない。そんな中、一瞬だけ米軍の攻撃が止んだ。その間に水を汲みにいくことができた。米軍にとって民間人を砲爆撃しているヒマなどないような厄介な敵が出現したからだ。無論……、特攻隊だ。」
「特攻で敵艦を撃沈したことはほとんどないそうね。」
「当たり前だ。船は喫水線下、つまり水面の下の船底の部分を攻撃されなければまず沈まない。航空機が甲板に衝突しても沈まないだろう。自発的な体当たりを幾つも見てきた当時の人達は、当然そのことを知っていた。」
「だったらなんであんなことをさせたのよ!」
「敵艦の、主に空母の飛行甲板に穴をあけるためだ。それだけで空母は飛行機を飛ばせない。飛行機を飛ばせない空母は空母じゃない。空母の形をしたモノだ。無論爆撃して爆弾を命中させられればもっといいが、大戦末期にはそんなことができる爆撃機乗りはみんな死んでいた。しかし特攻ならば爆撃して命中させなくても、激突する瞬間まで人間の手で操縦することができる。当然命中率は上がる。」
「結局あんた、沖縄を捨て石にしたっていうことは否定できないのね。」
「確かにな。だけど牛島中将と太田少将の遺言の違いは沖縄を時間稼ぎにするっていう陸軍の方針と、それとは別の海軍の方針の違いが背景にあるわけだから、簡単に人格の違いとは言えないんじゃないのかな。後の事は考えないっていう海軍の方針があったからこそ太田少将は『沖縄県民よく戦えり。県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを』と電文を打つことができた。陸軍軍人の牛島中将にはできなかった。さっきも言ったけど、中将があんな言葉を遺したかったかどうか……」
「何を思っていたかどうかなんてどうでもいいの。あの遺言のせいで多くの人が死んだことが問題なのよ。責任っていうのは気持ちじゃなくて結果に対して負うものなの!」
「確かにそうだな。牛島中将は自分の死を、沖縄を捨石にするために使った。だから死んでなお多くの人に恨まれている。」
沖縄県がある限り、牛島満は永遠に悪人だろう。
「こうとも言えるか。中将自身も他県侵攻を遅らせる、時間稼ぎのための捨石だったと。」
「時間稼ぎ、時間稼ぎっていうけどね。時間を稼いで何になったの!」
「時間を稼いでいる間に少しでも米軍に出血を強いることによって、講和条件を少しでも有利にするのが目的だった。」
「何が有利な講和条件よ! 結局無条件降伏しただけじゃないの! さっさと終わらせたほうが、少しでも人が死ななかったわ!」
「日本は無条件降伏したんだろうか?」
「はあ? あんた、何言ってんの?」
「先生、ポツダム宣言でどんなことを言ってたかわかりますか?」
なぜこっちに振る。おれは社会の教師じゃねえぞ。
「日本の領土を北海道、本州、四国、九州の四島とその周辺の島々に限る。戦争犯罪人を軍事裁判にかける。天皇制を含む全ての日本の機関を、米軍に隷属させる。…これぐらいしか覚えてないぞ。」
今言ったことも正確かどうかはわからない。
緒方が藤崎に向き直って言った。
「これって条件だよな。」
「何言ってんの! 条件じゃなくて要求じゃない!」
「日本の領土を四島とその周辺に限るっていうことはそれらの領土は保証するっていうことだ。戦争犯罪人を裁判にかけるっていうことは、それ以外の日本人を処刑しないっていうことだ。米軍に隷属させるっていうことは天皇制を存続してもいいっていうことだ。」
「詭弁よ!」
「詭弁じゃない。広かろうが狭かろうが領土を保証するっていうことは、日本という国家の存続を認めたっていうことだ。ドイツ第三帝国が地上から跡形もなく消されたのとはわけが違う。これは沖縄戦の影響だけじゃない。硫黄島で日本軍が玉砕した数は約二万、アメリカ軍の死傷者も約二万だ。」
「戦死者と死傷者を同じ基準で並べるのはどうかと思うわ。」
「少なくともトルーマンに、日本人を一億人殺そうとしたらアメリカ軍も一億人死傷するかもしれないと思わせるのには成功した。これが後のポツダム宣言に影響を与えただろうことは簡単に想像できる。確か宣言の中に『日本人を奴隷化するつもりはない』っていう文言があったな。無条件降伏するってことは、奴隷にされても文句を言わないってことだ。日本軍の勇戦敢闘のおかげだ。」
藤崎が緒方を見てにやりと笑った。
「あんたさっきから、日本軍は最期まで日本軍であることをやめなかっただとか、水を汲みに行けたのは特攻隊のおかげだとか、日本軍の勇戦敢闘のおかげだとか言ってるけど、そんなことを言って自分が強くなったような気がしてるんじゃないの? 自信のない男に限って自分がやったわけでもないことを自慢気に語るものなのよ。あんたがどうしようもなく成績が悪いことは知ってるわ。あんたのその知識はどうせネットから仕入れたもんでしょ。あんたいじめられっ子だったんじゃないの? 自分が弱いくせに、それを認めたくなくて強い物、正確にはちがうわね、無能で愚かで弱かった日本軍を強いと信じて、自分と同一化しようとする…。外でいじめられて何にも言えないくせに一人でパソコンの前に座っている時だけは自分が日本になったつもりになってアジアの人々の悪口を書き込む。ネットウヨなんてそんなもんよ。
要するにね…、あんた気持ち悪いのよ!」
確かに右翼、特にネット右翼と呼ばれる人達にそういう傾向があることは否めない。
そしてインテリとか知的エリートとか呼ばれる人々に左翼的な思想の持ち主が多い。
インテリはインテリであるが故に進歩的な平等思想を標榜している。つまり苦労してエリートになったとしても、それだけでは他人を見下すことができない。そこで庶民の自然な感情、生まれ育った国を愛するだとか、そういった感情を見下す。「おまえらが日本を愛するなどと言っていられるのは、日本が今までどんなことをやってきたのか知らないからだ。」「おれは日本人だが日本を愛することができない。なぜならおまえらと違って日本人がどんなにひどいことをしてきたかを知っているから。だからおまえらも日本が嫌いになれるように教育してやろう…。」これによって彼は初めて自分が知的強者であることを実感できる。
無論本人はこんなことを意識していないだろうが、教育界にもこの手の人物が多いことは確かである。右翼も左翼も思想というより、その人のパーソナリティーと言った方がいいかもしれない。