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つかの間の幸せ
私がCOCONAとしてメディアに出てから何日か経った。
今まで私の存在を邪魔だと言っていた家族も、クラスメイトも、手のひらを返したかのように私に接してくる。
家族は私がホンモノのCOCONAじゃないことを知ってる。
だけど、私がCOCONAとして活動することで、COCONAの父だからという変な理由で会社も大儲け。
それに加えて私がテレビに出る分、お給料が入ってくる。
だから家は万々歳ってこと。
…あの両親は私のことをいい稼ぎ口とでも思ってるんじゃない?
でも今まで私に目も向けてくれなかった人たちが私の方を向いてくれるなんて…
これ以上にない喜びだった。
私はCOCONAとして活動することが運命なんじゃないか…
本当のCOCONAは私だったんじゃないか…
本当は向こうがニセモノなんじゃないかとまで思い出した。
あぁ…今思うとなんて馬鹿なこと考えてたんだろ。
人から奪った幸せなんて、続くわけないのにね。
でも私はその時はまだ何も気づけてなかったんだ。
これから私がどんなことになるか…なんて。