六巻 妖子の舞い
語句説明的な?ものです。
●夢写し…夢を操り、鏡のように見せたいものをみせること。
●妖霧…その名の通り妖気でつくる霧のこと。
これにかかったものは妖力がなければ見えない。
●醜人…妖力のない人間を化け物が皮肉った言い方。無人のほうがまし。
無人は一般人を意味する。
では、本文をお楽しみください。
『春人さん、酷いですわ。
わたくしの前から逃げるなんて…』
当たり前だろう。
いくら使命だとしても、化け物と関わりたくない。
素性の判らぬ、不可思議な生き物となんて。
『わたくしご依頼いたしましたよね?』
口の聞けない俺を尻目にライトグリーンはぺらぺらと話し出す。
一也の頭にどっかりと居座り、和みなら話しているのが癪に触る。
一也といえば、宙を見る俺を不思議そうに見つめている。
『昨日の夕の刻に夢写しをされたでしょう?
あの場をご覧になったでしょう?
それなのに…それなのに…』
エメラルドグリーンの瞳がきらきらと輝く。
悲しき光の舞い。
艶やかで美しい。
化け物独特の妖気の美しさだ。
『わたくしご依頼いたしましたのに…』
人はこれによって惑わされ、見え無きものにうろたえ、捕えられる。
『春人さん、聞いていますか?』
餌食になるとも知らずに。
「聞いてるさ。
はたから見れば俺は変人だよ。」
ライトグリーンは不思議そうにこちらを見つめると、『まぁ』と可愛らしい声をあげて、すらりと妖気でその場を包み込んだ。
『これで大丈夫でございます。
妖霧は醜人には見えませぬ。私供が見えないように。春人さんのように力がなければ。』
俺は好きで力を得た訳じゃない。
罰で得ただけだ。
それに化け物どもに親しまれるような人間じゃない。恨まれるなら判るが。
『さぁ、ゆっくりとお話しましょう。』
鈴が鳴るような声でくすくすと笑い、俺を探してうろたえる一也を、愉しげに見つめた。
「その、『醜人』っての止めてくれない?
俺の家族なんだから。
それと一也を困らせないで。」
ライトグリーンは訝しげに眉を潜めると、『判りましたわ。』と言って、『無人』と言い直した。
それから四つ角の裏から、妖気で造られた俺を一也のもとに向かわせた。
『これでよろしいでしょう?お話しましょう。』
俺は一也が学校に向かうのを確認して、ライトグリーンに向き直った。
どうでしたか?
ライトグリーン(本名ではありませんが(笑))のイメージはどのような感じですか?
私は動物的なイメージですが、しゃべり口調からして、姫ぽっいかもですね。
良ければ感想で教えて頂きたいです(^O^)
判りづらいとこも!