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三巻 秘密秘密の過去話

「俺」こと豊城春人(ほうじょうはると)は昔々のそのまた昔、まだ化け物を誰もが視ていた時代、犯してはならない罪を犯した。


ーー祭典荒し


それは化け物の祭りの最中に、赤い炎と人の生き血を持って、化け物を襲うことだった。


なぜだか知らないが、俺が生まれた土地では化け物は赤いものと血液に弱いと言われていた。



そのため、絶対に化け物の前でそれらを見せてはいけないと、つねづね聞かされていた。



なぜならば、化け物と人間との友好関係を断てば、この世に災いが渦巻くとされていたからだ。


つまり

「祭典荒し」はけして行ってはいけない禁忌だった。


ところが当時二十歳の俺はその禁忌を破ってしまった。


名を藪川疾風丸(やぶかわはやてまる)と言い、将軍の息子だった。


恐いもの知らずの破天荒なやつで、仲間にそそのかされて、祭りを荒らしに行った。


そこで化け物を殺し、首を取って家に戻ったそうだ。


するとどうだろう。


国は次々に崩壊していき、しまいには大量の化け物に攻められて人々もろとも消えてしまった。



その中でただ生き残った俺は、地獄の閻魔大王の元に連れていかれ、右腕に呪いの調印を受けた。



『…これは永久(とわ)に続く呪い。

我らが滅びても消えはしない。

化け物を裏切った罰じゃ。

お前が輪廻をいくら繰り返しても忘れぬよう、腕に跡を残してやろう。


もちろん罪の記憶も一緒にな。そしてお前の義務として、化け物を救うことを命ずる。

お前は一生罪を滅ぼして、生きるのだ。

いいな、童よ覚えておれ』


それからのことは覚えていない。

たぶん釜か何かにぶちこまれて、死んでいったのだろう。



つまり、俺は藪川疾風丸の生まれ変わり。

やつに変わって未だに化け物を救う役目を担っているわけだ。


自身の意思ではなく、強制的に。


そして、化け物が助けを求めたとき、俺は夢を視る。

化け物の声が聞こえ、助けを求めた場所に魂が吸い寄せられる。

それと同時に右腕の調印が浮かび上がるわけだ。



それにしても、

今回は可笑しなもんだ。


化け物が子供を虐めてたじゃないか、愉しげに。


助けを求めるのは普通、子供のほうじゃないのか?


「……ま、そのうち判るか…」


俺はあまり深く考えず、そのうちやってくる化け物のことを苦々しく思いながら、

またゆったりとした眠りについた。


できることなら会わずに済みますように・・・


頭の中はそんな不可能な願いでいっぱいだった。


やっと春人くんと化け物の関係を明らかにすることができました(^_^)

これでまた進めていけそうです。(笑)

よろしければ、またお会いしましょうね☆

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