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【聖剣使いの英雄伝説・第8章・89ページより】
「皆のために、俺は絶対に負けないっ!」
百mを超える巨大なCEから放たれた、赤い光線の奔流を前にして、英人は恐れず自ら突っ込んでいった。
彼の背後には守るべき街の人々が居るのだから。
「全ての悪意を浄化する、神の光よ大地を照らせ、『白き聖杯の盾』ッ!」
英人の左手に現れた白く荘厳な盾が、山を撃ち抜く光線すら弾き返す。
彼はそのまま光線を押し返し、巨大なCEの体に聖剣を突き立て、聖なる黄金の光を開放した。
「これで終わりだ、唸れ、エクスカリバァァァ―――ッ!」
シュゴオオオオオォォォォ―――――ッ!
体内に聖剣の光を流し込まれては、さしもの巨大CEもひとたまりもない。
爆音を響かせ、巨体は粉々に砕け散った。
「綺麗……」
まるで宝石の雨が降り注ぐような光景に、街の人々は見惚れて天を仰ぐ。
そこには、宝石よりも太陽よりも眩しい、若き救世主の姿が輝いていた。




