【聖剣の英雄伝説・第7章・13ページより】
「アヤトの活躍、もっと聞かせて欲しいデース!」
アメリカからの転校生、アメリア・フィリップスが英人の右腕に抱きつく。
すると、メロンのように大きな胸の谷間に、彼の腕がすっぽりとハマってしまった。
「ア、アメリア、胸が当たって……」
「Wow、当ててるデスヨ?」
真っ赤になって照れる英人に、アメリアは悪戯っぽく笑い返す。
そこへ、ロシアからの転校生、ナターリャ・バラノフがやってきて、背後から英人の頭を胸に抱きかかえた。
「私も、アヤトの話、聞きたい」
小さいが良く通る綺麗な声で、彼の耳に息を吹くように囁く。
「ナターリャ、くすぐったいよ」
「そう」
英人がまた頬を染めて離れようとしても、ナターリャは彼の頭を離そうとしない。
そんな彼の前に、今度は中国からの転校生、ハク・メイファンが乗っかってくる。
「退くネ、白面共! 英人の嫁はこのメイファン一人で十分ネ!」
「ちょっと、メイファンこそ退かないとまずいって!」
正面から馬乗りになる格好で、中華娘の健康的な太ももが密着して、英人はさらに茹で上がった。
そんな彼とは真逆の意味で、顔を真っ赤にした音姫が叫ぶ。
「こらーっ! 私の英人から離れなさいっ!」
これ以上ライバルが増えては堪らないと、英人の残った左腕を引っ張る。
「勘弁してくれぇ~っ!」
英人の幸せな悲鳴が、校舎に高々と響き渡った。




