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【聖剣の英雄伝説・第2章・43ページより】
「飯は美味いし風呂は大きいし、ここは天国だな……」
英人がゆっくり湯船に浸かっていると、背後からガラガラと音が響いてきた。
驚いて振り向けば、そこには一糸まとわぬ幼馴染の姿が。
「お、音姫、何で!?」
「英人こそ、どうして――って、きゃあぁーっ!」
自分の姿を思い出し、音姫は悲鳴を上げてうずくまる。
「ご、ごめん、今直ぐ出るから――あっ」
慌てて湯船から出た英人は、誤って石鹸を踏んでしまう。
そして見事に転んだ先には、全裸の音姫がいて――
「うわっ!?」
「きゃあっ!」
ドタンッと大きな音を立てて二人はぶつかる。
「痛てて……音姫、大丈夫か――あっ」
幼馴染を押し倒すように倒れこんだ英人は、慌てて退けようとして、己の手が握っているモノに気づく。
ムニュッと肉まんのように柔らかく、弾力に富んで先が尖った――
「英人のエッチっ!」
バチンッという見事なビンタの音が、浴場の中に反響するのだった。