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第94話 「ドッキリ企画」


デビューの日以来、CD、ダウンロード共に、好調な売れ行きでスタートしたMizkiだった。

一週間のCD販売、ダウンロード共に、1位となり、テレビ、ラジオ出演が更に人気に拍車を掛けて、爆発的な売れ行きとなった。


「真紀さん、ちょっと忙し過ぎませんか? 毎日、毎日、テレビとラジオ録りで、クタクタなんですけど・・・。日曜の朝くらいゆっくり寝かせて欲しいんですけど・・・。」

「何言ってるの! 人気がすべての世界なんだから、出演依頼が有ることを喜ばなくちゃだめよ。学校だって、なるべく休まないようにスケジュール組んでるんだから。今日は、伝統的なラジオ番組ミュージックジャムだから、気を引き締めて行くのよ。分かった?」

「はーい。でも、いつもと同じじゃないの?」

「同じじゃないわよ! 生放送なんだから、うっかり変な事、言わないでよ。それに、聴いてる人の数が全然違う全国ネットの超人気番組なんだから。」

「はいはい、分かりました。」

あくびをしながら、楽屋入りをしたMizkiだった。


そして、人気番組ミュージックジャムの出演も、いつものように始まり、いつものように終わるはずだった。

ところが、番組側が目玉企画として、鮎川瑠美とMizkiの同時出演と対談を準備していたのだった。それも、ドッキリ企画でもあり、双方に知らされることもなくON AIRが始まった。


「日曜日の朝10時、FMチェリー、ミュージックジャムの時間です。

ご案内は、トーストにピーナッツバターとチョコクリームを塗って食べる、マイケル安川。そしてー。」

「アシスタントは、いちごミルクとバナナミルクを混ぜて飲む、田辺美奈子がお送りしまーす。」


馴染みのあるオープニングテーマと提供が流れて、番組が始まった。

田辺「ほんとですか? ピーナッツバターとチョコクリームを塗って食べるつーのは?」

安川「本当ですよ。何か問題でも?」

田辺「いえいえ別に。美味しそうだなーって思いまして。(笑)」

安川「バカにしましたねー。いちごミルクとバナナミルクを混ぜて飲むって云うのは、相当だと思いますけど?(笑)」

田辺「やってみてください。美味しいですから。(笑)」

安川「えー、朝食の話をしていると怒られますので、そろそろ、音楽の話といきましょう。」

田辺「賛成です。(笑)」

安川「今日は、凄いんですよ。ゲストが、それも、お2人なんです。」

田辺「ダメダメ安川さん! ドッキリなんですから。」

安川「分ってます。ではでは、最初のゲストさんです。皆さんも知っての通り、巷ではこの人の曲を聴かない日はありません。

そうです。只今大人気のMizkiさんが来てくれましたー。(拍手)」

Mizki「おはようございます。Mizkiです。宜しくお願いします。」

田辺「宜しくお願いします。テレビCMやポスターも拝見してはいましたが、今日初めてお会いしてドキッとしました、こんなにも可愛らしい方だとは・・・ほんとびっくりです。伸びのある透明感のある声で、しっかりとした歌唱力で歌われてるんで、もっとカッチとした顔されているのかと、勝手に思っていたんです。(笑)」

安川「コラ! あなた、また、カッチとした顔なんて、分からないこと言って!一体どんな顔の事を云うんでしょうね?」

田辺「それはねー、分かりますよねー、Mizkiさん。」

Mizki「えー、まー。(笑)」

安川「コラ!コラ! 困ってるじゃありませんか?(笑)しかし、まー、アイドル顔負けの可愛らしさですねー。ですが、皆さん知っての通り、歌唱力は抜群です。せっかく来ていらしたので、これから、Mizkiちゃんを質問攻めにしちゃいましょう。メールをいっぱい貰っています。いくつかこちらで選ばせて頂きました。」

田辺「では、年齢と出身地。身長、体重、スリーサイズは?」

Mizki「えっ? 答えるんですか?」

だれも、返事をせず、シーンとしている。

Mizki「17歳。横浜出身で、162センチ48キロで、確か・・・83、58、84だったかな・・・。(汗)」

田辺「あらー、言っちゃいましたー。いいんですか? あとで、事務所からクレームとか来ませんか?(笑) 実は、この質問メールを選んだのは、安川さんだったんでーす。良かったですねー安川さん。」

安川「言いたくない事は、言わなくていいですよ。(笑)」

Mizki「えっ?そうだったんですかー。先に言ってくださいよー。」

田辺「でも、驚きのスタイルですねー。グラビアでも十分行けますよー。」

安川「むしろ僕なんか、グラビアが見てみたーい!(笑)」

田辺「はい、病人は置いといて。星野さんは高校生ですね。学校には行ってますか?」

Mizki「はい。毎日ちゃんと行ってます。ですから、芸能活動は、放課後か土日です。」

安川「じゃー学校では、大変な騒ぎになってるんじゃないですか?」

Mizki「初めの頃は誰も気が付かないようで、ほら、ヘアスタイルやメイクで全然変わっちゃうじゃないですかー。でも、最近は、さすがにばれてるみたいで、もしかしてMizkiさんですか?サインください、って言ってくる人もいます。」

安川「そうなんですかー。それもまた、びっくりですね。そんなに変わっちゃうんですかね。制服姿のMizkiちゃんも一度見てみたいですね。」

田辺「はいはい、熱があるようなので、次のメール行きますねー。Mizkiさんは、恋をしていますか? 浮気はしたこと有りますか?」

Mizki「・・・・・。」

安川「いえいえ僕が選んだんじゃないですよ(笑)でも、また凄いの選んだね、美奈子ちゃん。」

Mizki「言いたくない事は、言わなくてもいいんですよね?」

田辺「そこで、答えないと、恋をしているということになっちゃいますよ。」

Mizki「えーっ! まずいじゃないですか! どーしよう・・・ノーコメントです。」

安川「美奈子ちゃん、あんまりいじめると、ファンの方に怒られますから、この辺で、曲に行きましょう。はい、それでは、大ヒットデビュー曲、『TAKE OFF』です。」

青空を突き抜けるようなデビュー曲「TAKE OFF」が流れた。


安川「この曲は、売れに売れて、発売から3週間目の昨日現在で、CD売上137万枚、ダウンロード数770万と、デビュー曲としては、異例のスピードで伸びています。凄いですねー、ご自身では、どうですか?こんなに売れちゃって。」

Mizki「とても嬉しいです。みなさんのお陰です。曲自体も、とても気に入っていて、この曲をデビュー曲として歌うことが出来て、とても幸せだと思います。」

田辺「ほんとにいい曲で、私も買っちゃいました。」

Mizki「ありがとうございます。」

安川「実を言うと、僕もダウンロードしたんですよ。僕がデビュー曲をダウンロードした歌手は、その後も売れ続けるというジンクスが有るんですよ。最近では、ブルームーンが爆発的な人気ですし、鮎川瑠美は記録を次々塗り替えて、今では日本を代表するポップスターですから。きっと、Mizkiちゃんも、次にここに来て頂く時には、もっとビッグになってますよ。」

Mizki「鮎川瑠美さんはあたしの目標ですから、早く追い付いて、抜きたいと思います。」

安川「意外と負けず嫌いのようですね。では、そうなるように頑張ってください。私達も応援しています。そして、美奈子ちゃん?」?

田辺「はーい。ここで、ドッキリのゲストお2人目の登場です。」、

安川「なんと! 只今話題に上がった鮎川瑠美さんです。(拍手)どうぞお座りください。」


瑠美は、空いている椅子の横に立っていた。

その隣には、Mizkiが座っていた。

何も知らされていなかった2人は、お互いの顔を見合わせて言葉を失った。


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