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第54話 「誠の嘘」


2人は、教習所に向かった。

「今日は、あたし、3時まで教習が有るんだけど、誠さんは?」

「僕は、12時まで。」

「それじゃー、一緒にお昼食べたら、どこかで時間つぶしてる?」

「あっ、今日ちょっと用事が有って、行くところ有るんだ。」

「えっ? そんなの聞いてない。」

「ゴメン。言いそびれちゃって。」

「何処行くの?」

「ちょっと、友達と会う約束が有って。」

「誰? あたしの知ってる人?」

「えっ、まー。」

「サークルの人?」

「まーそんなとこ。」

「なんか怪しいー。あたし以外に付き合ってる人なんていないわよね。」

「そんなんじゃないって。」

「まーいいや。遅くなるの?」

「そんなに遅くならないと思う。」

「そう。なら、晩ご飯支度して待ってるからね。」

「うん。」


2人の教習は、順調に進み、昼休みになった。

近くのファミレスに行って、ランチを取ることにした。

テーブルに着くと、みずきが聞いてきた。

「ねぇーねぇー、教習はどうだった?」

「んー、まぁーまぁーかな。特に注意されなかったし。」

「注意されないなんて、凄いじゃない。あたしなんて、止められて注意ばっかり。

なんか嫌になっちゃう。」

「みんなそんなもんだよ。注意された方が、上達が早いし。」

「そっかー。」


ランチを食べ終えると、誠は一人、鮎川瑠美のマンションに向かった。



誠は、鮎川瑠美のマンションに着くと、オートロックのインターホンを押した。

誠が来るのを待っていたかのように、すぐに返事が有った。

「はーい! どちら様ですか?」

紛れもなく歌姫の声だった。


今さらながらだったが、誠は緊張した。


「あっ! の、野田誠と申します。」

「誠さんね! 待ってましたよ、どうぞ。」

大きなガラスの扉が、サッと開いた。


誠は、エレベーターに向かった。

ボタンを押して待っていると、上から降りて来た。

ドアーが開くと、一人の男が出て来た。

擦れ違い様に二人は目を合わせた。


誠は、体に電気が走った。

なぜなら、その男は、超有名な人気俳優「門脇豪」だったからだ。

構わずエレベータに乗り、24のボタンを押した。

24階に着きドアーが開くと右に進んだ。


誠の目の前に、笑顔の鮎川瑠美が立っていた。

「待ちくたびれちゃったわよ! ほら、見て見て、こんなに首がながーくなちゃった。」


頭を振って、首をくねくねさせている瑠美を目の前にして、誠は呆気にとられた。

「どうしたの? 私のこと忘れちゃった?」

「あっ! いいえっ。鮎川瑠美さんが、あまりにフレンドリーなんで、びっくりしちゃって。」

「そう。なら、もっと、フレンドリーになろうよ。」

瑠美は、誠の手を掴むと、引っ張るようにして、部屋に向かった。


廊下を20メートルくらい歩くと、一気に玄関の扉を開けて、中に入った。 

誠は、反射的に「お邪魔します。」と発した。

瑠美は、「どうぞ。」と言いながらも、手を離さずに、サンダルを脱いで、リビングへ引っ張った。

するとそこには、マネージャーの加藤真紀が腕を組んで仁王立ちしていた。

「あなたが、野田誠さん?」


誠は、一瞬、ドキッ とした。

「あっ、ハイ。」



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