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第22話 「しりとり」

水越渉は、調子に乗った。

「しりとりなら、罰ゲームは、カミングアウトにしようぜ。」


井上知佳が、質問した。

「カミングアウトって、告白?」


土田守は、神経質なところが有った。

「俺さー、カミングアウトつー言葉、好きじゃないんだよね。ザンゲでいいじゃん!」


渉も知佳も、守の言っていることが良く解らないまま、黙ってしまった。


2人をよそに土田守が、積極的にゲームを進めて行く。

「順番決めジャンケン。」


「最初は、グー、ジャンケンぽい!」

「1番、誠。」


「最初は、グー、ジャンケンぽい!」

「2番、みずきちゃん。」


3番、渉。4番、守。5番、知佳。6番、美樹。に決まった。


「それじゃー、誠から、スタート!」


野田誠がちょっと考えて言った。

「それじゃー、・・・りんご。」


橘みずきは、誠の事を見ていて、誠が言うと直ぐに答えた。

「ごま。」


水越渉は、こういった事が好きで、得意そうだ。

「マヨネーズ。」


土田守は、なかなか単語が出ない。

「ず、ず、ず、・・・・・。」


上野美樹が、待ち切れずに、割って入った。

「おそーい! 時間切れ!」


土田守は、言い訳したい。

「運転してんだからさー、時間切れは無しー。」


井上知佳は、他人に対して厳しいところが有る。

「ダメダメ! ザンゲ! ザンゲ!」


全員のザンゲコールが、始まってしまった。


土田守が、観念した。

「もう、しょうがねーな! じゃー、俺、今ノーパンでー・・・。」


井上知佳は、守が言い終わらないうちに、すぐに言った。

「さっき言ったじゃん! そんなのダメだよ。」


土田守は、最後まで言ってなかった。

「だからー、ノーパンで、オナラしましたー!」


一同「えーっ!」


井上知佳は、すぐに言った。

「くさーっ! 何か臭ってる気がした! もー、そんなのダメ~。」


「え~っ、ダメ? なら、ぅん~・・・・・東西医大受験したけど、落ちた。」


井上知佳が、急にトーンダウンして感心した。

「そーなんだ。はたから見るより、色々と悩んでいるんですね。」


水越渉には、羨ましいとしか思えなかった。

「一応、医者になろうとした訳だ。次行こう。次、守!」


土田守は、割と勇気出して言ったのに、反応がこれだけか?と思った。

「質問はないの? そう・・・。じゃースイカ。」


井上知佳「カメ。」


上野美樹「めがね。」


野田 誠「ねずみ。」


一巡目で、言葉が見つからない人はあまりいない。

みんなすらすらと出てくる。


そして、橘みずきもあまり考えずに、さっと言ってしまった。

「みかん。 あっ!」


水越渉が、嬉しそうだ。

「どぼ~ん! はい、みずきちゃん、ザンゲ。告白でもいいよ!」


橘みずきが、悔しそうだ。

「えー、なんでー、気をつけてたのに~。どうしよう~。

しょうがないなー・・・・・きのーぅ、彼氏と・・・別れました。」


一 同 「えーっ!」


上野美樹が、焦った。

「言っちゃったのー!」


井上知佳も、心配そうだ。

「みずき、いいの?」


橘みずきは、吹っ切れている様子だ。

「いいよ、もう・・・。」


水越渉は、口が軽い。

「っていうことは、誠ちゃんは、失恋後の反動?」


橘みずきは、気にせずに直ぐに反論した。

「違うよ! 失恋じゃないもん! 私がふったんだもん!」


土田守は、自分の努力が水の泡になるのを心配した。

「渉君、軽率な発言は慎むように。せっかく明るい雰囲気になったんだから。」


水越渉は、いたって明るい。

「はい、議長! すみませんでした。(笑)」


橘みずきは、横に居る誠の顔を見た。

「誠さん、違うよ! 失恋の反動なんかじゃないよ! 寂しさ紛らす為じゃないよ!」


野田誠は、内心動揺していた。

「いいよ、別にどっちでも。気にしてないから。」 


土田守は、先に進めた方が良いと思った。

「みずきちゃん、次に行きますか。」


橘みずきも素直に応じた。

「はーい。それでは、うめぼし。」


水越渉はマイペースだ。

「しまうま。」


しりとりは続いた。



お読み頂き、ありがとうございます。更新は、毎週日曜日朝10時です。

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