表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/96

第18話 「雑誌に載ってる飲食店」

6人は、水着の上にTシャツやパーカーなどをはおり、ダラダラ歩いて店までやって来た。

まとめ役になった感じの土田守が、みんなに聞いた。

「何食う?」


橘みずきは、誠に合わせたい様な気持になった。

「野田さんは?」


野田誠は、自分がみずきに聞かれるとは思っていなかったので、戸惑った。

「えっ? 俺。そーだな・・・。ビーフカレーにしようかな。」


橘みずきは、笑みを浮かべて、すぐに言った。

「私も、ビーフカレーにしようっと。」


上野美樹は、みずきと出かけると昔から同じものを頼んでいた。

今日もの習慣に合わせた。

「私も!」


井上知佳は、雑誌には、スパゲティーとカレーが美味しいお店と紹介されていたので、どちらかにしようとしていたが、みずきも美樹もカレーなので結局、同じ物にした。

「私も、ビーフカレー!」


土田守は、3人が誠に合わせたように見えて、ちょっと面白くなかった。

「何それ。じゃー俺は、かつ丼。」


「えっ! かつ丼なんて有るの?」

井上知佳が、思わず声を上げた。雑誌には、スパゲティーとカレーが美味しいお店と紹介されていたので、意外に感じたのだった。


土田守が、メニューを指差した。

「ほれ。」


井上知佳が、覗きこんだ。

「あっ、有る。ハンバーグやステーキも。チキングリルや竜田揚げも。海老フライやコロッケにラーメンまで、ファミレス並みに有るよ。」


水越渉は、一瞬、守に付き合おうかとも思ったが、どうせならと、もうひとつの看板料理スパゲティーにした。

「俺は、カルボナーラ。」


注文した物が、直ぐに運ばれて来た。

あまりの早さに、みんな、びっくりしたようだったが、すぐに食べ始めた。

カルボナーラを食べていた水越渉が呟いた。

「美味いよこれ。ちゃんとパンチェッタが入ってる。」


土田守が、渉に聞いた。

「何だよ、パンチェッタって?」


「これのことだよ。生ベーコンとでも言うのかなー。」


「意外だなー、スパゲティーに詳しかったんだー。車にしか興味ないのかって思ってた。」


「このくらい、みんな知ってるよ。」


カレーやかつ丼は量も少なめで、特別美味しいという訳では無かったが、知佳の手前、みんなは、「美味しかった。ご馳走様。」とたいらげた。


一息ついたので、例によって土田守が、口を開いた。

「君たち、どこから来たの?」


橘みずきが、普通に答えた。

「横浜。」


土田守が、しめたと言いたげに返した。

「横浜! 俺達もそっちの方向だよ。それじゃー帰り、乗せてってあげようか?」


橘みずきが嬉しそうに聞いた。

「車で来てるんですか?」


「うん、うちの車。ワゴンだからみんな乗れるよ。」


水越渉が、補足した。

「こいつんち金持ちだから、いい車乗ってんだ。運転はへたくそだけどね。」


土田守が嫌そうな顔をした。

「余計なこと言うなよ。怖がって乗らないよ。」


「そっか。それじゃー・・・へたくそじゃなくて、免許取ったばかりでヨロヨロ運転してるだけってとこかな。」


土田守は、渉が余計な事を言った事で、彼女達の顔の表情を気にした。

「そんなに酷くないから、大丈夫だよ。」


みんなが苦笑した。

「ウフフフッ・・・。」


土田守は、気を取り直してにこやかに言った。

「みんなもう泳がないだろ? 早めに出ないと渋滞するし。」


上野美樹が、同調した。

「そうね。曇って来たし。」


橘みずきは、昔からの付き合いの中で、美樹との話のタイミングを持っていた。

「疲れたしね。帰ろう。」


まとめ役らしく、土田守が仕切った。

「それじゃー、着替えたら、さっきビーチバレーしてた所に集まることにしよう。」


井上知佳が、土田守に向けて、両手の指でOKサインを出した。

みんなが、それを見て、声にした。

「オーケー。」


みんなレストランから出ると、海の家に戻った。




お読み頂きまして、ありがとうございます。更新は、毎週日曜日朝10時とさせて頂いております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ