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第十三話 それがどうした?

自分なりの艦魂の役割を考えました。





―――9月15日セイロン島―――


「お、見えたで」


水平線に欝すらと見えてきた二隻の空母とそれを護衛する駆逐艦。岩ちゃんによると、今回はアングルド・デッキの装備は見送ったみたいや。もう少し研究したいみたいや。


久しぶりに会う翔鶴に思わず俺は顔をにやけてしまう。


「長官。気持ち悪いです」


「おぉいッ!!Σ(゜Д゜)」


マリノに気持ち悪いとか言われるとグサッときて痛いな。





―――空母翔鶴長官室―――


「ん〜。やっぱこの部屋が1番やな」


そう呟くと、瑞鶴が転移してきた。


「古賀大和ッ!!!」


「どないした瑞鶴?」


何か怒ってるようやけど。


「ようヌケヌケと此処に現れたなァァァッ!!」


「どういう事や?」


「しらばっくれる気かッ!!」


瑞鶴がバァンと床にある書物を叩き付けた。


よく見たら、旗艦を変えてから行方不明やった大東亜戦争の真実を書いた本やった。


「なッ?!な、何で瑞鶴がそれを……………」


「……姉上が箪笥の隅っこで見つけたそうだ」


ッ?!そうか箪笥の中やったか。迂闊やったな。


「貴様のせいで……姉上はァァァーーーッ!!!」


瑞鶴は目に涙を溜めながら日本刀を抜いて襲い掛かってきた。


「チィッ!!」


俺は右に避けて瑞鶴の左脇腹に一撃を叩き込む。


「カハァッ!!」


瑞鶴はバタリと倒れた。


「……何かめんどくさくなってきたな……」


俺は深い溜め息をついた。





―――予備士官室(翔鶴の部屋)―――


「翔鶴いるか〜?」


気絶した瑞鶴を抱えて、ガチャと開けると、ベッドに丸まっている翔鶴を見つけた。


翔鶴はモゾモゾと動いて顔だけを出す。


髪はボサボサやった。


……恐らくずっと風呂入っていないんやろな。それに……眼が濁っとる。


「……やま……と?」


「そうや。未来から来た古賀大和や」


俺は瑞鶴を椅子に座らせると、翔鶴のベッドに座る。


「……………………」


翔鶴はずっと俺を見てる。


「……何や?俺が黙ってたから怒っているんか?」


「……………(フルフル)」


翔鶴が無言で首を横に振る。


「じゃあ何や?」


「私は戦えない」


翔鶴がボソッと呟く。


「私はあの本を見て思った。大和は私達のために頑張ってくれてるのに艦魂の私は何をしていた?ただずっと見ていた。空戦を、攻撃隊の見送りを、島の占領を、私はただずっと見ていただけだ。私はッ!!お前―――古賀大和と共に戦いたいのだッ!!」


翔鶴は哭いていた。


「なぁ、私はどうしたらいいんだ?艦魂は何故いるんだ?何故、艦魂は何も出来ないんだ?私は………『ワタシハヒツヨウナイノカ?』」


翔鶴が言葉を終えるて同時に俺は翔鶴に平手打ちをした。


パアァーンッ!!


よく響いた音やった。


「必要ない?調子に乗んなや馬鹿野郎ッ!!」


翔鶴は何が起きたかも分からずにただ、平手打ちをされた左頬(大和からしたら右)を押さえていた。


「確かに艦魂は何も出来ひん。だがな、『人間には出来ない何かを艦魂が出来る可能性がある』から艦魂は存在してるんとちゃうか?それに見ている事も艦魂の仕事や」


俺はそっと翔鶴を抱きしめる。


「俺と戦いたいんやろ?なら、俺の側におったらええやん。それだけでもお前は戦ってる。それにお前のツッコミを上手いからな。あれには誰も出来ひん(一回くらいしか聞いてないけど……)」


「………わ…た…」


翔鶴が何か言っている。


「……私は……戦っているのか?」


「あぁ、俺が保障するで」


「………私は悩まなくていいのか?」


「何で悩む必要があんねん。寧ろ、俺が悩むわ。俺の胸に翔鶴の胸が当たってるからな」


やべえ。揉みそうや……。


「………良かった………良かったァァァ〜〜〜〜〜ッ!!!」


翔鶴はそのまま泣いた。


ずっと溜め込んでいたんやろな〜。


てかこのギャップ萌えは凄いす。


泣く姿も可愛いす。


もう押し倒してもええか?


『あかんに決まっとるやろ馬鹿野郎by作者』


「じゃあ皆に説明しろ」


いつの間に目を覚ましたのか、瑞鶴が俺の首に日本刀を突き付けている。


「………はい」


瑞鶴怖いわ。


「……グスッ……瑞鶴、止めんか」


「しかし、古賀は姉上を……」


「心配するな。もう吹っ切れた。私は何かと考え過ぎた。……そうだろう大和?」


翔鶴の瞳は最初に出会ったかのように透き通っていた。


「……あぁ」


「では夜に全てを話せよ?まぁ金剛と榛名が刀で斬りつけようと思うが……」


う……(-.-;)


「……遺書でも書いとこ……」





その後の宴会で全てをばらしたら、予想通りに金剛と榛名にシバかれ、早川と橘には「何でボク(私)達が架空の人物なんだッ!!」と再びシバかれ、ルツィアとマリノには「自業自得だな……」「私達存在していたんでしょうか?」と見放され、六道も「ま、頑張れ」と美味しそうに羊羹をほうばっていた。


長門は「なに、今はお前がいるんだ。お前に期待するさ」とまともな返答に少し泣きかけた。


翌日、金剛達にはお返しとばかりにビンに詰めた黒い塊(主計の奴ら使った)を部屋に置いたら予想通りの悲鳴が聞こえてきた。


ざまぁww


しかし、すぐに分かってボコボコにやられた。


……一応、俺は艦隊司令長官やで?



御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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