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リフトオフから外部燃料タンク分離まで(スペースシャトル)②


時刻:T+0:00:00 「コロンビア」は、ロケットランチャーの轟音の中、固体燃料ブースター(SRB)の点火とともに地面を離れた。パイロットは、計器パネルの前で冷静にカウントダウンを見守りながら、シャトルが持ち上がる振動と共に体を固く保つ。


管制官: 「5...4...3...2...1...主エンジン始動、SRB点火、リフトオフ!」

パイロット: (思考)全てがこの瞬間のために準備されてきた。ここからが本番だ。


時刻:T+0:00:05 発射台を離れると、巨大なシャトルが空中に浮かび上がり、振動が急激に増していく。地上からの目を見張るような光景が、操縦席の窓からはわずかに見える。

管制官: 「発射台を離れた。エンジンは全て正常。」

パイロット: (思考)順調だ。次はロールマニューバだ。


時刻:T+0:00:07 シャトルは120度の「ヘッズダウン」ポジションに向けてロールマニューバを開始した。パイロットは手元のスイッチを操作し、機体の姿勢を慎重に調整する。

管制官: 「ロールマニューバを開始。」


時刻:T+0:00:14 ロールマニューバが完了し、シャトルは適切な姿勢に安定した。パイロットは姿勢指示器(ADI)を確認し、地球の重力に対して垂直/水平を保つ設定に切り替えた。

管制官: 「ロールマニューバ完了。コロンビア、正常。」

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。ロールマニューバ完了。」


時刻:T+0:00:30 シャトルが音速に達し、音の壁を突破すると、パイロットはエンジンスロットルを100%から65%に減少させた。これにより、急激な加速が抑えられ、機体が安定する。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。メインエンジンを65%にスロットルダウンしました。」

管制官: 「了解、アウト。」


時刻:T+0:01:06 シャトルは最大動圧(Max Q)を迎え、エンジンスロットルが再び100%に引き上げられる。パイロットは、CRTキャビンディスプレイで固体燃料ブースターの燃焼室圧力が50 psi以下になっていることを確認した。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。Max Q、オーバー。」

管制官: 「了解、コロンビア。アウト。」


時刻:T+0:02:00 固体燃料ブースターの燃焼が終了し、パイロットはSRBの分離準備を確認する。計器パネルは、燃焼が正常に終了したことを示す。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。SRBの燃焼が終了しました。分離準備完了、オーバー。」

管制官: 「了解、アウト。」


時刻:T+0:02:07 固体燃料ブースターの分離が完了すると、パイロットは操作パネルで確認し、SRBが正常に分離されたことを報告した。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。SRBの分離が完了しました。オーバー。」

管制官: 「了解。こちらでも確認しました。アウト。」


時刻:T+0:04:20 「ネガティブリターン」のコールが入り、発射地点への帰還が不可能であることが確認される。パイロットは機体の状態を再確認し、異常がないことを確認した。

管制官: 「コロンビア、こちらコントロール。ネガティブリターンを確認。」

パイロット: 「了解、ミッションコントロール。ネガティブリターン、アウト。」


時刻:T+0:06:30 コロンビアはトランスアトランティックアボート(TAL)速度に達し、4000 mphを超える。パイロットは計器パネルで速度とエンジンの状態を確認し、次のステップに備える。


時刻:T+0:07:00 メインエンジンが2つ故障しても軌道に到達できることを報告するため、ミッションコントロールに通信する。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。シングルエンジンでMECOに進行中です。オーバー。」

管制官: 「了解、コロンビア。アウト。」


時刻:T+0:07:40 加速度が3g未満に保たれるよう、メインエンジンがスロットルダウンする。パイロットは再び計器を確認し、エンジンの推力が適切に調整されていることを確認した。

管制官: 「コロンビア、こちらコントロール。メインエンジンをスロットルダウン。」

パイロット: 「了解、アウト。」


時刻:T+0:08:28 メインエンジンが65%にスロットルダウンし、パイロットは計器を確認してメインエンジンのカットオフ(MECO)の準備を整えた。

管制官: 「コロンビア、こちらコントロール。メインエンジンのカットオフ許可。オーバー。」

パイロット: 「了解、メインエンジンカットオフをスケジュール通りに実行します。アウト。」


時刻:T+0:08:38 メインエンジンがカットオフされ、3つのエンジンが停止する。パイロットはF7の計器パネルを確認し、全てのメインエンジンステータスインジケーターが赤く点灯していることを確認した。

管制官: 「コロンビア、こちらコントロール。ET(外部タンク)分離許可。」

パイロット: 「了解、ET分離を確認。アウト。」


時刻:T+0:08:54 外部燃料タンクの分離が完了し、パイロットは次の段階に進むため、ミッションコントロールに報告した。

パイロット: 「コントロール、こちらコロンビア。外部タンクの分離を完了しました。アウト。」


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