第93話 譲れない想い
また失敗した。
私はなんであんな事言ってしまったんだろう……わからない。
ただ私は、私を認めくれる、かけがえのない存在が嬉しくて、手放したくないだけなのに、いつも思い通りにはいかない。
私は否定されるのが怖い。
幼い頃から、魔人として周りに存在を否定されて生きてきた。それは怖くて寂しい。
だから、私を肯定してくれる。私として見てくれる存在が現れた時には嬉しくて、もうこれ以上、私を否定して欲しくなかった。
だから、私は否定されて戸惑った。例え、些細なくだらないことでも。
わからなかった。そういう時にどう接すれば、いいのかを。
私は昔から攻撃してくる者に、攻撃で返すことしか知らなかったから……。
私はあの時、どう言ってほしかった?
何が気に食わなかった?
今日の私は何をそんなに苛立って焦っていたんだろうか……。
私自身、大したプランがある訳でもなかったし、勝てる見込みが薄いこともわかっていた。
けど目標のためには、チャンスは逃せない。
無理だとしても、弱くても、『才能』がなくても逃げる訳にはいかない。
たぶん……皆には後押ししてほしかった。口だけで上辺強がっていた私に、前に進む勇気を与えてほしかった。
いえ違う、そんな良いものじゃない。結局は無謀な挑戦をしてでも、確実に前に進んでいる口実がほしかっただけなのかもしれない。
自分は努力している、頑張っていると考えてる私は、勇ましい過程に慰めてほしかっただけなんだ、きっと……。
失敗しても、負けたとしても、行動した結果がほしかったに過ぎないんだ。
私は焦っていた。早く結果を出さないと、手放す事になると……。
ユウは正しいかった。無謀な挑戦をしようとしている私を止めようとしてくれたんだ。
私が間違えてた。
でも……私は間違えてるとわかっていても、挑戦しない訳にはいかなんだ。




