表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/205

第60話 溺れたひと達

 講義室をでて、胸騒ぎを感じつつ、廊下を必死に走る。


 そして、まっすぐ迷いなく学院棟を出たマナに、ギリギリで追いつき呼び止めた。


 マナは意外に足が速くて、見失いかけるほどだ。


「マナ、どこにいるか分かるのか?」


「たぶん……こっち!」 


「たぶんって、そんな感覚で大丈夫かよ!」


         ・

         ・

         ・ 


 学院敷地内の南部は周りに人気がなく。普段、学生達が使わない大きな倉庫が並んでいる。


「ほら、こっち来いよ。お前の立場ってやつをわからせてやる!」


 エリカは5人の少女に強引に捕まれながら、学院内施設でも人が通らない物陰に強引に引っ張られていった。


「にしても、エリカ……また同じ部屋になるなんて、運命的だと思わない?」


「…………」


「なに黙っての? お前さぁ……調子に乗ってんだろ。

 普通科に入れたぐらいで、私と同等になったつもりか? あぁっ!?

 本当だったら私は今頃、上級科にいた筈なんだよ! 枠がなく仕方なく、普通科に来てやったんだ」


「そう……それは可哀想に。貴方は凄いのにね。でも賢くない私は、貴方達と遊んでる暇はないの、そこをどいて」

 

 エリカは穏便に済ませようとしたが、少女達はエリカを逃さぬように立ちふさがる。


 その中の弱気な少女が心配そうに尋ねる。


「い、いいのかな……ダニエラ。こんなことして」


「大丈夫だってポーラ、気にするな……。コイツとは中等学院からの仲さっ!!」


 ダニエラと呼ばれたリーダを気取った少女は、エリカを蹴り飛ばした。 


 抵抗を見せないエリカは、強く壁に打ち付けられる。


「ッ……」


「コイツ等、魔人はなぁ。この国にいるために、私達人間に手を出せないんだよ。それに都合がいいことに回復能力も早い」


「な、なるほど、そりゃいい玩具だね……」 


「あぁ、前の学院ではいいサンドバッグだったからな。また仲良くしようやエ〜リ〜カ!」


 不気味な笑みを浮かべ、嗤う少女達。

 そんな不吉な笑い声は狭い空間で、反響して辺りに嫌に響くが、誰にも届くことはない。


「ほら、ポーラやってみろ、最高に気持ちいいぞ」


「よ、よし……。

 気持ち悪いだよ!! この化け物が!! なんて目で見てんだよ!!」


 リーダに命令されたポーラもエリカの腹部を躊躇いなく、蹴りを入れる。 


 エリカは目を瞑り、顔を歪ませた。


「キャハハ!! なんだ、その顔は!

 誰もお前のことなんか、助けてくれないんだよっ! オラ!!」


「ぐぅっ……」


 もう少女達は止まらない。この快感に溺れては、止まることはできない。自らの手では……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ