第45話 古書店の少女
アイナと別れ、俺は1人街を探索していた。
本当にここは、おとぎ話の世界のようだ。
都は、村とは違いお洒落で清潔感があり、綺麗に塗装された路、大きなレンガ造りの建造物。そして、人で賑わった明るい街並み。
この街の綺羅びやかな情景が、暗い気分を晴らしてくれる。ここには、前世界では絶対に観ることが叶わなかったであろう世界が広がっている。
そんな城下町を心躍る気分で歩いていると隅の一角に、かなり年季が入った小さい古書店を見つけた。
他にも魅力的で、入りたくなるような商店は沢山あったのに……何故だろうか?
不思議と、この店に強く興味をそそられため、俺は中に入ってみることにした。
ドアを開けた瞬間、古本達の独特な香りが俺を歓迎してくれた。俺はこの匂いが嫌いではない、長い年月の蓄積を感じることができるからだ。
館内を見渡すと、2階建ての吹き抜けに、1階は人が1人通れる幅だけ開けて、高い本棚が隙間なく埋まっていた。木製の棚には沢山の本が敷き詰められており、小さい店ならではの、多くの本を収納するためにギリギリの計算が施されていた。
店の正面玄関からは、店のオーナーであろうか、海よりも少し濃い青色の長い髪に、垂れたアホ毛、そして蒼く透きった目が特徴の少女が店の奥で座って本を読んでいるのが見えた。
髪などの目立つ外観に対して、服装はワイシャツ、ネクタイに茶色のベストなど、落ち着きがあり、本屋にも違和感がないものだ。年齢は今の俺と同じ年ぐらいだろう。
本棚の奥に観える彼女と店との変わったコントラストに思わず魅入ってしまっていた。
すると視線で気づいたのか、コチラと目が合った。しかし俺は、反射的に目を反らしてしまった。 見てたのがバレるのが恥ずかしかったのだ。
目があったのに挨拶もしなかったのは失礼だったと思い。自分が今必要だと思う本を探して、買うことにした。
本を選び、会計を済ませるために、少女の近くに行くと窓から入る太陽の光に照らされ、青い髪がさらに美しく煌めいて見えた。
「すみません……。この本、買います」
俺が本を机に置くと、彼女は読んでいた本に栞を挟み畳み、眼鏡を外し、こちらに愛想よく接客を始めた。
「…………はい。いいですよ。これはえーと。ぜんぶで150ダラです」
まぁまぁするな……。まぁ古本は貴重なものならもっと高いし、こんなもんか。
すまないなユウ、貯めてた小遣いは使わせて貰う。俺にはこの世界の知識が必要なんだ。
「あ〜、なら丁度であります」
財布からお金を取り出し、支払いを済ませた。すると少女は、俺の目を覗くようにマジマジと見てきたのだ。少女の目を見ると、深海の底を覗き込むかのように、先が見えない底に思わず呑み込まれそうになる。
そして、唐突に少女は突拍子もないことを話し始める。
「少しいい? 落ち着いて聞いて欲しいんだけど……。いまね、貴方の未来……。これから先、貴方に最悪が訪れる未来が見えたの」
「えっ?」




