第13話 夢の間
子供や大人、無数の声。叫びのような泣き声が、周りから聴こえる。
横には姉さんがいて、オレの手をギュッと握り締めて、離してくれない。
俯いて地面を見ていたオレは立ち上がり、辺りを見た。
そこは、見覚えがある光景であった。
あぁ……よく覚えている。
暫く行っていないが、ここは墓場だ。
簡易的に作られたであろう墓場には、数えきれないほどの墓標が立っている。
墓の前に立っている悲しみの集団、その中に見覚えがある4人の子供がいた。
あれは……あの4人は幼い頃のアイツらだ。
そうだった。
元々、ユーフテスやロワードなど一部の国では、完璧とはまでは言わないが魔族との共存を果たしていたのだ。
しかし、9年前のユーフザリア事件(前魔王暗殺事件)のあと。人間国と魔族連邦の関係に亀裂が入った。
そして、魔族連邦の新たな統治者に政権が渡ったことにより、人間と魔族の講和条約が破られ、世界は変わってしまった。最悪の状態になったのだ。
オレ達が住んでいたユーフテス王国は、魔族連邦の隣国であったため、魔族の軍勢に抵抗する準備も与えられず、攻められた。魔王軍による不意打ちを食らったのだ。
たちまち王国内は戦場と化し、人間は魔族達に虐殺されていった。
それでも、命からがら一年かけて、魔王軍進行から、自分たちの国を捨て、南東側の隣国であるロワード王国に逃げてきたんだ。その逃走過程で、オレ達を含み、多くの人が友達や家族など、親しき人を失った。
その後、クーツ村にきたメンバーで、同世代だったオレ達5人は、バラバラであった感情を結束させ、ある約束を立てた。
その恐怖や悲しみ、悔しさの感情を胸にしまい。上級魔術師になり王国軍に入り、今度こそは、脅威から国民や家族を、そして友を守ることを誓ったんだ。
あぁ……何故、こんなにも奥に、記憶の底に大事にしまい込んでいた大切な物を今、掘り起こしてきたんだ。
オレに、これを改め見せて。一体、どうしろというんだ? なぁ、ユウ……。




