アイナの特別授業①
世界観の補足をただ書くのはつまらないと思ったので、ユウ達の試験対策の一部として書いてみました。気軽に読んでみてください。
アイナが指示を出すと、黒板に光る文字が印字されていった。
光る文字を描く魔術。
これは、光彩魔術を応用した物で、何もない空中にだって文字を描くことができる便利な魔術だ。
今日はアイナが歴史と地理の試験対策係として、教壇に立っていた。
前までは先生役を皆んなでローテーションしていたが、最近はアイナがやることが多い。
ほか四人の授業があまりに悲惨だったからだ……。
「私達が今住んでるロワードは、魔族連邦と陸続きで繋がってて、私達が暮らしているクーツ村なんて森を挟んでるだけで、魔族領とは目と鼻の先。まぁ、だからこそ私達がここにいさせてもらって……。
ちょっと、アミ〜……きいてた?」
「うぅ〜〜ん? き、きいてたよ?」
アミーは連日の試験対策により、疲れていたためか、眠たそうだ。
「はぁ……じゃあ、なんで王様はここクーツを私達に与えてくれたの?」
「それは、私達がユーフテス王国の避難民だから。
あとは〜やっぱり、魔族さん達とお隣さんは皆んな嫌がって土地が余ってたからかな?」
「そう、王は9年前の戦争の避難民である私達を受け入れたは良いものの、その対処に困ったの。
だから誰も寄らない余ってる土地を活用しようと考えた訳……」
「たぶん一石二鳥だったんだね」
「じゃあ、次。そもそもなんで、私達は避難民になったのか……」
「それは……」
アミーは分かっていても答えたくないと、口を詰まらせた。
「あまり思い出したくないだろうけど、試験範囲には入ってるから答えれるようにね」
「ごめんなさい……」
「はい! アイナ先生! 俺が! 俺が答えます!」
「じゃあ、ノアお願い」
「俺達の故郷であるユーフテスと魔族連邦が戦争したからです」
「その原因は? 200年前、魔族と人間は講和条約を結んだのに起きたのはなんで?」
「それは間違えなく、ユーフザリア事件が原因だな……と思います!」
「そうね……。念の為に聞いておくけど、ユーフザリア事件の内容、答えられるわよね?
答えられる人は挙手をお願い」
その場のオレ達4人全員が手を挙げた。
「ちょっと簡単過ぎたわね……。
じゃあ〜ルイ。どんな事件だったか、説明してくれる?」
「わかった……。ユーフザリア事件はその名の通り、ユーフテスの首都であるユーフザリアで起こった事件だ。
さっきアイナ……先生もいったが、ちょうどその事件が起きた日は、魔族と人間の講和条約から200年、それを記念とした式典がユーフザリアで執り行わていた。式典には魔族の王である魔王も招待されていた。
そんな中、起こったのがユーフザリア事件……平和を祝う式典で魔王が人間により暗殺されてしまったんだ」
「ありがとう、ルイ……。
そう、魔王が殺されてしまった。しかも最悪な事に人間の手によって。
ゆっくりと築いてきた人間と魔族の友好関係は、それを皮切りに悪化していった。
じゃあ次。まだ当ててないユウに質問……。
そもそも、なんで。こんな事件が起こったと思う? これに明確な答えはないけど、そういう筆記問題だと思って回答してみて」
これまた難しい質問が来たな。
「すぅ〜…………。あれかな、ユーフテスは魔族との関係を早く進めすぎたんだと思う。
ロワードに来てわかったけど、ロワードは守護結界をはって、共存できる魔族を慎重に選んでいた。
違って、ユーフステには規制が殆どなかった。平和主義の王が平等を掲げてたからだろうけどさ。
まあ実際、魔族と人間の関係は悪かった訳ではなかったよ。王の考えを理解していた人が大半だったことも関係して。
でも、国内に来る魔族と人間の揉め事は日常茶飯事だったし、事件の主犯格もユーフテス籍の人だった。
だから何ていうか、まだ早かった。ロワードのように慎重に垣根をなくしていくべきだったんだと思う」
「ありがとう、私と少し違うけど、答えの方向性は同じね。
王様はいい人というか楽観的だった。それは政策にも現れていたし、たった200年で魔族と人間の遺恨が無くなっていると信じていたのね、きっと……。
今の平和も、昔の平和も仮初のモノ。勇者という抑止力があってのものだと理解していれば、また変わっていたと私は思うわ……」
「うっ……難しい、私この問題でたら落とすかも……」
「空白じゃなくて理屈が通ってれば、部分点ぐらいくれるから、とにかく書くこと。
わかった、アミー?」
「はぃぃ……」
「じゃあ、今日の復習はこの辺りで終えましょうか……各自でまとめておいて。
次回は、魔族の進化と、魔人の誕生について勉強するから、予習しておくようにね」
「はい!!!!」
「皆んな! 起立!
アイナ先生今日はありがとうございました!!」
完結優先で細かい間違えやガバは、最後に直したと思っています(物語が許容できないほど破綻した場合は直します)。




