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第10話 馴染みの仲間たち④

「それにしても、ユウの遅刻は珍しいな」


 ルイは訝しむ顔で、話し出した。


 また、その話……今日はコレで3回目だ。


 そんなに、ユウの遅刻は希少性が高いのだろうか。学生なら、誰しもが少なくとも2〜3回はすると思うのだがな。 


「さっきも同じこと言われたよ。1つ言っておくと、オレだって普通に寝坊ぐらいするって」


「そうか。ならユウも今から手合わせしとくか?」


 軽く流された……。

 ていうか、普通に不味い展開だ。今の現状、戦闘訓練はどう考えても無理だ。妥当な言い訳を考えなければ。


「いやほら、オレの……応用魔術はソロ戦闘向きじゃないし、今日はもうやめとくよ」


 実際、ユウの術式はソロに向かない物であり、どちらかというと補助の術式なのだ。だから、綺麗に言いくるめるだろう。

 いや、ノアが動けなくても、アイナ達が来ればいい話だが、今は納得してください、お願いします。


「……確かに、そうか。

 そうだ、あと結局、試験本番はどうするんだ。俺がひと役買うか?」


 とりあえず、戦闘訓練は何とか回避できたな。そして、今の問いかけについては、ユウが既に答えを出している。


「最初はみんなの内の誰かに協力を頼もうと考えてたけど、学院側から用意した魔術師で実施してほしいって返答があった」 


「そうなのか? まぁ、確かにその方が、公平で、ユウの魔術がより際立かもしれないか…………」


 ルイは自分の事のように、ユウの試験について考え込んでいる。いつもそうだ……有り難いのだが、いまは自分のことに専念してほしい。今のオレに、そんな構う必要はない。 偽物だからな。


「そうだ、アミーはもう来ていたか?」 


 力尽きていたノアは復活し、きいてきた。


「あぁ、タイミングが合って、一緒に来たよ」


「なんだぁ〜。俺はてっきりアミーのことだから、今朝の騒動の様子でも見に行ってると思ったぜ」


「あの好奇心ならあり得たかもな」


「まったくだ」


「ちょっと!! 流石の私でも、時と場合は見極めるよ!」


 後ろの森林から声が聞こえた。振り向くとアイナと、顔を引きつったアミーがこちらに向かって歩いて来るのが見えた。

 

「怖い顔するなって。だけどさ、もし試験一週間前じゃなかった、絶対行ってたろ?」


「もし……そうだとしても皆との予定は破らないし、行くなら相談するのに……」


 これは少しだけ怒ってるな。また話を逸らすか。


「そうだ、アミー。式の最終調整は終わったのか?」


「えっ? うん、さっき終わったよ。

 これから式の反復練習と持続可能時間の調査を……。

 あ〜〜そういえば、誰かに練習相手(台)になってもらう、つもりだったんだよね……。

 そうだ。ぜひ、ノアにやってもらおうかな〜」


 アミーは不敵に笑い、わざとらしい演技をした。そして、標的を確実に捉えたようだ。


「いや、待てって。俺はもう魔力殆ど、使い切ってて、無理だって」


「ごちゃごちゃ煩い! 始めるから。さっさと武器構えて」


 そういうと、アミーは帯刀していた刀身が細長い剣・ロングソードを鞘から取り出した。手入れ行き届いた刀身の白刃は太陽光により煌めく。


 アミーは構え、剣に魔術を込め始めた。


「うわわ! 待ってて」


 振り上げられた刀が地面に当たる共に、辺りの地面が歪にえぐられ、土煙を上げる。


「あっぶねぇぇ〰!!」


 間一髪で飛び避けたノアは地面に突っ伏す。


「ちょっとは、加減しろよぉ!!」


「おっかしいなぁ〜。十分加減したつもりなんだけどなぁ〜?」


 アミーが冗談を言ってるのはわかっているのだが、あの作った笑顔には寒気がするな……。


「あれ、だいじょうぶなのか、ノアは?」


「大丈夫よ。言葉の通り、ちゃんと手加減してるし」


「手加減か……」


 アミーのあの生き生きとした様子を見るに。最近、魔術が順調に進まなかったストレスが溜まっていたんだろう。


 今はアミーの怒りが収まるのを待つのが得策に違いない。すまないな、ノア……頑張れ。


 オレ達は近くのベンチに腰掛け、二人の戦闘を傍から観戦していると。


「なぁ、さっきの話の続きなんだが。

 みな何故、朝の強烈な音の話ししかしないんだ?

 むしろ、俺は光の方が強く印象に残っているんだ」


 ルイは不思議に思っている様子で、オレやアイナに尋ねてきた。


「ひかり? 音が鳴った瞬間、私は外に居たけど、光なんて感じなかったけど?」


「ほんとうか……? ほんの一瞬だったが、確かに視野の全体を包むほどの光だったんだ。

 ユウは見えなかったか?」


「いや、オレは寝てて、そもそも音も聞けてない」


「あぁ、そういえばユウは寝てたか……。

 けど俺は確かに見たんだ。見間違いじゃないはずだ。いや……まさかな」


 ルイは考え込み、顔に一瞬だけ動揺の色が見えた気がした。


「なに? 思い当たる節でもあるの?」


「……すまない。やはり、俺の思い違いかもしれん。だいたい、よく考えたら、村の人やお前達が見ていないなら、間違っているのは俺の方だろう」


「なに? やっぱり、みてないの?」


「あぁ、ややこしいことを言っていた。忘れてくれ」


 ルイが気のせいというなら、見間違いということにするしかない。

 けれど、アミーの言っていた場所が正しいのだとすれば、オレ達は現場から離れ過ぎている。だから、見えたのは恐らく現象の一部でしかない。より近くで見ていた者たちなら、或いはルイのように違った物が見えていたかもしれない。


 総合的に考えると、やはりオレの身に起こったことと、ほぼ同時刻の謎の音と……光が関係がないとは思えないな。

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