異世界へ逝く
とある場所で紛争がおこっており、塹壕の中に男2人と少年1人の部隊がいた。
「おい小僧、お前はこの先使えそうに無いから出てけ」
「まぁそうだな、庇って死んだりしたから笑えんしな」
2人の発言で少年の顔が固まる。
「ね…ねぇ僕は大事な家族だってーー」
「あーそれか、そんな事も言ったな…気の迷いだ、忘れて出てけ」
少年が尋ねようとするが、男の1人が冷めきった顔で追い討ちをかける。
「え…それってーー」
「ほらほら、早く出てけ、ここはお前のいる場所じゃねぇ」
泣いている少年が死体の山を進み、見えなくなる事を確認すると塹壕に戻る。
「良いのか?あんな最後で」
「良いんだ…あの子はここで死ぬべき人間じゃない、それにもし俺達が大々的に処刑されてもざまぁ程度に思ってくれるさ」
「涙ふけよ、隊長」
ハンカチを渡されると隊長が涙をふく。
「おい、わかるか?」
「足音だな、しかもかなり大人数の」
「良いか、これが俺の最後の命令だ、俺達の宝を地獄から逃がせ」
「了解!」
隊長が命令を出すと2人で爆弾を体に巻き付け、塹壕から飛び出し敵部隊へ特攻する。
その頃追い出された少年は泣きながら死体の山を歩いていた。
「家族…いない…寂しいよ…」
1人で呟きながら歩いていると地雷を踏んでしまい、体が吹き飛び死んでしまう。
「あれ…ここは?」
少年は気づくと真っ暗な空間にいた。
[えーと…申し上げにくいんだが…君は死んだ]
何処からともなく聞こえる男の声に死んだことを
告げられると、急に周りが明るくなり遺跡のような場所になる。
[君にスペシャルプレゼンツ、何と今なら転生が出来ちゃいます!]
「えっと…転生って何ですか、僕小さい頃から戦場以外に行った事がないので教えて貰えますか?」
[そ…そうだな~、簡単に言うと人生をやり直せるんだ、君は戦場にしかいないって言ったけど戦場じゃない世界にも行くことが出来る]
「もしかして1人ぼっちじゃなくなる事も出来る?」
[それは君次第だが出来るよ]
「転生したい!」
[よし来た!]
転生について色々と聞き、行きたいと言うと上機嫌な声で返される。しばらく待つと自分の周りが黒いもやで覆われ、足から段々と消えていき、最終的には全身が消える。
「にしてもお前ら体張ったな、本来ここまでサービスしないぞ」
「ありがとうございます」
先程少年と話した声の主の後ろには隊長とその部下が立っていた。
「子供を転生させたら何でもするって言ったよな」
「あぁ」
「何でも言ってくれ」
部下の言葉を聞き、少し考え込むと口角を上げる。
「じゃあ…」




