紅蓮の指輪が燃える時
ツグミの耳鳴りが止まった。辺りが一切の静寂に包まれる。ツグミの目前を、金髪の長い髪の毛が一本、ふわふわと落ちていく。
蜘蛛女が天井からツグミの首へ伸ばしていた両手が、今まさに届こうとする瞬間、ツグミがその場で伏せたため宙を切った。
(なに!?)
ツグミはそのまま転がるようにして逃れ、天井を見上げて驚愕する。顔に8つの目を持つ蜘蛛女が、天井に足を貼り付け、逆さまになったままツグミを品定めしていたからだ。
「だ、誰ぇ!?あなた、何なの!?」
「勘のいい奴」
蜘蛛女が天井から降りてツグミと相対する。
「これはあなたの仕業なのね……!」
無惨に殺された看護師と糸井コウジのことである。
「お前もこれからそうしてやるんだよ!」
蜘蛛女は鋭い外骨格におおわれたその手を、ツグミへ突き刺すように伸ばす。ツグミはとっさに机に置かれていたワープロを持ち上げて盾にした。
「ひっ!?」
分厚いワープロを蜘蛛女の指が貫き、ツグミの顔の寸前で止まる。ツグミは慌ててワープロから手を離すが、すかさず蜘蛛女の回し蹴りが飛んでくる。これもなんとかしゃがんで避けるツグミであったが、蜘蛛女の足は壁ごと窓をえぐり、割れたガラスと石膏の破片を頭から浴びる。恐るべき殺傷力の蹴りであったが、ワープロが手についたままになっていたため、蜘蛛女はバランスを崩した。
「わあーっ!!」
勢いで流れてツグミに背を向ける格好になった蜘蛛女を、ツグミは力いっぱい後ろから押した。蜘蛛女はつんのめるように、書類が入ったキャビネットへ手をつく。蜘蛛女の背後でバタバタと足音が走る。
「逃がすか!」
そう叫びながら振り向いた蜘蛛女であったが、ツグミは逃げていなかった。蜘蛛女の視界に再び現れたツグミは、木製のコート掛けを、すでに袈裟懸けに振りかぶっている。
「んっっ!!」
ツグミが渾身の力で蜘蛛女の頭に叩きつけたコート掛けが、土台の部分から粉々に砕けた。テンプルに重い一撃をくらったヘビー級ボクサーのように、蜘蛛女の膝から力が抜ける。ツグミは続けて、患者用のパイプ椅子を拾い、もう一度振りかぶる。
「舐めるな!小娘が!」
次の一撃は蜘蛛女が片手で受け止めた。そのままツグミの胴体に蹴りを入れると、彼女の体がまるでサッカーボールのように吹き飛ばされる。診療室の外まで吹き飛ばされたツグミは、蹴られたお腹を抑えながら慌てて診療室の扉を閉めた。
「無意味なことを」
蜘蛛女はまるでカーテンでもめくるように、診療室の扉を破壊した。ハッキリ言って、外側から鍵をかけて閉じ込められるような構造ではないため、ドアノブを捻れば内側から普通に開く。律儀に扉を閉めるツグミの行為も無駄だったし、わざわざ見せつけるように扉を破壊する蜘蛛女の行為も無駄だった。だが、蜘蛛女は、この生意気なほど意外な抵抗をしてみせた小娘を、なるべく怖がらせて嬲ってやろうと思った。しかし、この生意気な小娘は、もっと意外なほどすばしっこかった。今度はクリニック入り口の扉が閉まり、自宅側の玄関まで続いている階段を、段飛ばしで勢いよく降りていく音が聞こえる。まもなく、門扉を勢いよく開く音が響く。
「逃げられるとでも思っているのか?」
蜘蛛女は助走をつけると、まるで水泳選手が飛び込みをする時のような姿勢となり、そのまま入り口扉を体ごと突き破り、宙返りをしながら糸井家に面する道路に着地した。頭上から散乱してくる破片を意に介さず、蜘蛛女は道路を見回す。ツグミの姿が見えない。蜘蛛女が開け放された門扉に走って近づくと、そこにツグミの靴が片方だけ残されていた。おもむろに蜘蛛女が拾い上げる。
(逃げる時に脱げたのか……?)
突き破ったクリニックの入り口、開け放たれた門扉、そして片方だけ残された靴、さらに闇の中へどこまでも続く道路。それらを順に見つめていた蜘蛛女が、突如家に向かって振り返った。
「貴様、家の中に居るな!」
「!!」
玄関扉の裏に隠れて両手で口を押さえていたツグミが、恐怖に息を呑む。蜘蛛女は騙されなかった。屋外へ逃げ出したように偽装するため、門扉を乱暴に開けてから片方の靴を投げ捨て、自身はこっそりと玄関扉の裏に隠れたのだ。だが門扉だけが閉められていなかった違和感を蜘蛛女は見逃さなかった。
蜘蛛女の足音がゆっくり近づいてくるのを察知したツグミは、なるべく音を立てないように気をつけつつも、急いでもう片方の靴も脱ぎ、それを持ったままリビングまで這っていった。
やがて蜘蛛女が扉を開く。見回してみたが、ツグミはいない。玄関に入った蜘蛛女は、扉を完全には閉めず、少しだけ開けておいた。蜘蛛女がリビングへ入ってくる。ツグミはソファーの裏に、震えながら隠れていた。その時、突如携帯電話の着信音がリビングで鳴り響く。姿は見えないが、おそらく蜘蛛女が電話に出たのだろう。
「……父親の方は始末した。写真も撮っている。……いや、まだだ。あの小娘は妙に動きがいい。……もしかして、あんたが探しているのは……」
蜘蛛女はしばらく沈黙して、それから応える。
「……わかった。言われた通りにしてやる。私にやすやすと殺されるようなら、どのみち、そうではないんだからな」
蜘蛛女は通話を切った。ツグミにはわからなかった。なにを「探して」なにが「そうではない」というのだろうか?しかしハッキリわかりきっていることがある。
(やっぱり私を殺すつもりなんだ……!)
蜘蛛女は部屋に漂う獲物の匂いを楽しんでいる。自分が探している小娘は、この部屋のどこかに隠れているのはお見通しだ。嗜虐的な笑みを浮かべた蜘蛛女は、まず自分がたった今入ってきた方の通路に、何重にも蜘蛛の糸を張った。
(何をしているんだろう?)
ツグミは恐る恐る覗き見る。次は浴室へ続く通路を蜘蛛の巣で塞ぐ。そして縁側へ続くガラス戸へも、入念に。
まずい!とツグミは戦慄する。部屋の出入り口を全て塞いでしまうつもりだ!今はもうキッチンへ続く出入り口しか残っていないが、ここを塞がれたら蜘蛛女と密室に取り残される!
蜘蛛女はもう一度リビングの中を見回してみた。ソファーの裏か、カーテンの後ろか、あるいはキャビネットの中か。どこに隠れたか知らないが、いずれにしても自分の行動はわかるはずである。蜘蛛女は、わざわざそれらの隠れ場所を改めてみるつもりはない。こうして部屋の出入り口を順番に塞いでいって、最後の出入り口を塞ごうと構えれば、なりふり構わず飛び出してくるはずだ。そこに糸を絡みつけ、ズタズタに引き裂いてやる!蜘蛛女がキッチンへと続く最後の出入り口へ、腕を向けたまさにその時。
「アピアパー!!」
突然蜘蛛女の背後から馬鹿げた調子の男性の叫び声が響き、思わずそちらに糸を飛ばした。糸は素早く、白目をむいておかしな表情を作る男の顔が、画面いっぱいに映ったテレビに絡みつく。
「ふざけるな!」
蜘蛛女は、奇声を発したお笑い芸人の相方が、ツッコミを入れるより早くテレビを両断した。
「あの小娘、どこまでも、どこまでも!」
手こずらせるものだ。蜘蛛女はカーテンを引きちぎり、キャビネットを貫き、力まかせにソファーをひっくり返す。ソファーの裏に、片方だけの靴と、テレビのリモコンが残されていた。
ツグミはキッチンへ滑り込む直前にいくつか身を守る助けになりそうな物も拾っておいた。その一つが固定電話の子機である。コードレス式なので、家の中にさえいればどこでも使えた。通報先に悠長に話していたら殺されるのは必至なので、110番だけ押して放置する。しかし、もしも警察が駆けつけても、なんともならない気がした。ツグミだって既に相手が何者かわかっている。
(魔女だ……)
魔法少女には2種類ある。悪魔と戦う閃光少女と、悪魔のような魔女だ。ツグミはキッチンの戸棚から包丁を抜く。
(やるしかない……!あの人だって、もともとは人間なんだ……!)
と、ここで。なにやらカタカタと金属同士がぶつかるような音が聞こえる。その不気味な音は、ガスコンロの上に置いてあった、大鍋の蓋がうごめいている音だった。その中身はツグミが夕食のために作ったビーフシチューだったはずである。まるで中身が沸騰しているかのように動いていた蓋が、ついにキッチンの床に落ち、鍋の中から巨大な蜘蛛の群れが湧き出てきた。
「きゃああ!!」
巨大な、といっても、昨夜現れた大蜘蛛よりずっと小さい。それでも、その一匹一匹は、足を広げるとツグミの頭よりも大きかった。ツグミは半狂乱になりながら、自分にまとわりついてくる蜘蛛を、夢中で体から剥がし、包丁で刺し、踏み潰した。動く蜘蛛は全て殺し、ツグミは腰が抜けたようにその場にへたりこむ。
「つーぐーみーちゃーん」
背後からぞっとするような声音で呼びかけられ、ツグミの全身に鳥肌が立った。蜘蛛女がそこに立っているのは、振り向いてみなくてもわかる。
「あーそーぼー」
その瞬間、パチリと全ての照明が消えた。蜘蛛女がブレーカーを落としたのだ。自分の命を狙う知能をもった化け物と、暗黒の一室で二人きりになる恐怖は、察して知るべし、である。
「あっ……あ、ああ……」
ツグミよりもずっと夜目が利く蜘蛛女は、ゆっくりとツグミの首に手をかけ力をこめた。真綿で締めるように、徐々に、徐々に。今のツグミは、まさに手のひらに握ったハムスター同然だ。生殺与奪の権利を文字通り掌握した蜘蛛女は、獲物の反応を楽しんでいる。獲物のハムスター。ツグミは、しかし妙なリアクションをした。普通こうやって首を締められた者は、相手の指に手をかけ、無駄なあがきをするものである。だがツグミは手を前に伸ばしている。何かを探すように。そして目当ての物を手繰り寄せたツグミは、迷わずその先端を蜘蛛女の顔へ向けた。
「ぐわっ!?」
蜘蛛女の顔へ白色の粉塵が殺到する。ツグミが手にする消火器に蓄えられた高圧の不活性ガスが、蜘蛛女の目という目に難燃性の粉末を容赦なく押しつけたのだ。糸井家は自宅とクリニックの建物が共用されている。心療内科とはいえ病院である以上、消火器の設置が義務付けられている。それは同じ建物を共有する自宅部分も同様であった。ツグミはキッチンに逃げ込む前に、廊下に置いてあったそれを、万が一の際に使う目眩ましとして持ち去ったのだ。気がつくといつのまにか、ツグミは蜘蛛女の魔の手から逃げていた。
「おのれ……!」
蜘蛛女は完全に頭に血が登っている。
「もう容赦はしない……見つけたら……即死させる!」
と蜘蛛女は口にしない。これから始まるのはお互いに吐息の音すらはばかるステルス戦だ。
キッチンから脱出したツグミはそのまま消火器で廊下に煙を充満させ、咳き込まないように口にハンカチを当てながら玄関へと向かう。この家で生活していたツグミは、例え明かりが無くても、間取りは体が覚えていた。煙によってお互いに姿が見えないのであれば、むしろ有利なのはツグミの方だ。
しかし一つ問題があった。もはや屋外に逃れるほか無いが、どうやっても玄関の扉を開く時に物音がすることだ。最初バタバタと音を立てて逃げていた時はともかく、今はお互いの姿が見えないため、どこにいるかを音で探りあっている。そうなれば、物音に向かって蜘蛛女が攻撃をしてくることは明らかだ。もう一つの出口と言える庭に面した縁側のガラス戸は、既に蜘蛛の巣で封印されている。こうなればリスクを承知で玄関へ向かうしかない。迷っているうちに煙が消えたら元も子もないからだ。
こうして扉へ近づいたわけだが、ツグミの心に安堵の波が押し寄せた。扉が完全には閉まっておらず、少し開いていたのである。べつに古い扉でもないので、開く時に軋むことはない。ツグミは扉をそっと押して、外に出ようとした。その時である。
プツン!と、まるでギターの弦が切れるような、控えめに言ってささやかとは言えない音が響きわたる。ツグミにはその音の原因が、まるで想像つかなかった。
(えっ?なんで?どうして!?)
(かかったわ)
蜘蛛女が仕掛けた罠だった。玄関の扉にわざと隙間を空けていたのは、そこに鳴子代わりの糸を張っていたからである。無論ツグミが消火器で目眩ましを仕掛けるのは予想外だったが、何者かが外から新たに侵入したり、万が一にもツグミに裏をかかれる用心として仕掛けていた。今、扉が完全に開き、玄関で靴音が鳴る。もはやツグミに残された選択肢は、全速力で走ることだ。
「逃さん!」
蜘蛛女はツグミの首の高さに向かって糸を射出する。相変わらず煙のせいで姿は見えないが、手応えがあった。
「バラバラになって死ね!」
蜘蛛女は糸を強く引っ張った。ただの人間が蜘蛛の糸の張力に抗えるはずがない。そのはずだった。
「……は?」
手応えはある。だが、手応えがあり過ぎる。何も切れる感触が無いのはおかしい。まさか勢いをつけすぎて、糸を外の街路樹に引っ掛けてしまったのか。
「くっ!?」
いや違う。相手は無機物ではない。植物でもない。何かがいる!その何かが、蜘蛛女の膂力を上回る力で糸を引き、逆に蜘蛛女の方を引き寄せている。舞い上がる粉塵の中で、その鋭い眼が光る。蜘蛛女はハッと気づく。先ほど玄関で靴音が鳴り、ツグミが走って逃げるとばかり思った。だが、ツグミの靴は今、どちらも脱げているはずだ。
「そこにいるのは誰だ!?」
答えが煙のベールを超えて突如現れた正拳突きとして返ってきた瞬間、蜘蛛女は自分の迂闊さを後悔した。
「がはっ!?」
眉間に打ち込まれる正拳、みぞおちへの貫手、顎への掌打、喉への親指一本拳、脇腹からこめかみへの二連回し蹴りを瞬く間に打ち込まれ、最後に再び糸が引っ張られた蜘蛛女は前のめりに倒れかかる。
「おらあっ!!」
暗闇から伸びてきたシメの後ろ蹴りが、蜘蛛女の体を吹き飛ばし、廊下の突き当りにあるトイレのドアまでめり込ませた。
玄関の扉が完全に開放されたことにより、廊下に充満していた消火器の煙が、夜風に乗って外へ流れていった。外灯と月の光が差し込み、対峙しているそれぞれの顔を照らす。
「あ……アカネちゃん!」
突如玄関から入ってきた人物にいきなり頭を抑え込まれて伏せていたツグミは、その人物がアカネである事に今気づいた。ツグミの首の高さは、彼女の胸の高さである。アカネの右手には蜘蛛の糸が巻き付いていたが、蜘蛛女を引きずり倒す時に少し食い込んで血が出ただけで、他になんということもなかった。
「アカネちゃん、お父さんが……お父さんが殺された!」
ツグミの報告を聞き、蜘蛛女を睨むアカネの顔が、一層険しくなる。
(あの魔女、知っているわ……!アイツが事件の黒幕だったのね)
アカネはツグミに命令する。
「ツグミ、ここから逃げなさい!」
「アカネちゃんも来て!」
「……アタシにはやることがあるのよ!」
「どうして!?殺されちゃうよ!早く一緒に逃げて!!」
「うるさい!」
腕を抱えて引っ張ろうとするツグミを、アカネは突き飛ばした。ツグミは目に涙をためながらキッと睨む。
「私達友達でしょ!?友達が帰ってこなかったら悲しいって、さっき言ったじゃない!!私だってアカネちゃんが帰ってこなかったら悲しいって、なんでわからないの!?」
「アタシはアカネではない!!」
「……えっ?」
覚悟を決めるしかない。
「アタシは、アイツを倒す者だ」
アカネは自分の正体を明かすことにした。ツグミを逃がすには、もうそうするしかない。空手の型で精神を集中させると、右手の指輪が紅蓮に燃える。
「変身!!」
アカネの体が炎に包まれ、その炎が燃えるような真紅のドレスへと変わっていく。そのドレスとは不釣り合いなほど無骨な籠手が、アカネの両腕で赤熱する。戦士としての彼女の姿は、もう鷲田アカネではない。
「グレンバーン……!アカネちゃんが……閃光少女だった……!!」
変身を終えたグレンバーンは、ここに来てから初めて優しい笑みを見せ、ツグミの頭を撫でた。その大きな手が、とても暖かかった。
「ツグミちゃん、よく一人で頑張ったわね」
そう言われるツグミの目から涙がこぼれる。そうか。アカネちゃんはあの時から、ずっと私を守ってくれていたんだ。
「走れ!」
ツグミにそう叫び、グレンバーンは戦闘態勢をとった。廊下の奥で倒れていた蜘蛛女は、まるで糸で引っ張られるマリオネットのような動きで起き上がる。グレンと蜘蛛女は同時に、お互いへ向かって走り出す。
「アンコクインファナル!!」
グレンバーンが雄叫びを上げながら拳を突き出す。
「グレンバーン!!」
アンコクインファナルと呼ばれた魔女もまた同じようにして叫び返す。
二人の拳が廊下の中央で激突し、発生した衝撃波は糸井家の窓という窓を全て破壊した。
ツグミは後ろも振り返らずにひたすら走った。アカネちゃんがグレンバーンなら、足手まといにならないためにも、力の限り離れなければいけない。それに、ツグミ自身も早く安全な場所へ逃れたかった。保身ばかりの問題ではない。というのも、またしても耳鳴りが始まり、それがどんどん大きくなるからだ。
「これは何なの?危険のサインじゃないの?」
夢中で走るが、靴を履かずに出るしかなかったので、とっくに靴下はボロボロだ。素足で砂利やコンクリートの痛みに耐えるのも限界だった。なにより、息が苦しい。それだけ頑張って走っても、耳鳴りは収まるどころか勢いを増していく。
「どういうこと!?私に何を知らせようとしているの!?」
もはや耳鳴りはとどまるところを知らず、ツグミの限界を越えようとしていた。
「やめて!!私の中から出ていって!!」
そう叫ぶやツグミは、頭を両手で押さえてその場にうずくまってしまった。