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薔薇の呪いが裂ける時

「えーっと、お客さん?下山西中学校でよかったんでしたっけ?今日、学校はお休みですし、グレンバーンも今日は来ていないはずですが?」


 タクシーに乗って移動したアカネは、まさか自分がそのグレンバーンであるとは言えない。


「かまわないですよ。学校というより、その近くに用事がありますから」


 アカネは営業スマイルをしながら運賃を支払い、学校の横でタクシーを降りる。タクシーが去った後にフェンスを飛び越し、校舎の影に隠れて空手型(変身ポーズ)をした。


(変身!)


 昨日と同じ轍を踏むつもりはない。グレンバーンの姿になった後、その上からレインコートを被り、道路をひたすら走った。無論、行き先は田口邸である。道順は、昨日サナエのバイクに一緒に乗って行ったので憶えている。田口邸付近は田んぼや空き地ばかりなので、あらかじめ変身して行くとしたらこの学校しか思いつかなかった。幸い、雨の降る休日に人通りは少ない。それに、下山プリンスホテルにグレンバーンいるという噂のおかげで、ここで誰かに少しくらい見られてもごまかせるだろう。最悪、コスプレイヤーということにしてもいい。


 しばらく走って、やっと田口邸が見えてきた。敷地の外から家の様子を見る。やはり、二階の窓は昨日と同じように、わずかに開いたままだった。さすがにレインコートのまま上がるのは申し訳がないと思ったグレン/アカネは、敷地の中に入り、レインコートを脱いで、塀の隅にあるコンクリートブロックの上に、丸めて置いた。この時、グレンはある変化に気づいた。


(郵便物がポストから消えている!)


 その瞬間、異常な雄叫びが横から迫ってきた。


「きぇああああっ!!」

「ちょっ、待って!」


 鍬を振り回して襲いかかってきたのは、頭頂部が禿げ上がった白髪の老人である。グレンは面識がなかったが、誰なのかはすぐにわかった。被害者である田口ケンジの祖父、田口トモゾウである。


「待ちなさいって!アタシはあんたたちの味方よ!」

「何が味方なもんか!!悪魔の手先め!!」

「アタシは閃光少女!!魔女とは違う!!」

「同じことじゃろうが!!」


 グレンはトモゾウの振り回す鍬を避けながら説得を試みるが、話が通じない。最悪、この老人を殴り倒してでも家の中を調査しなければならないと考えたが、意外なところから助けがきた。


「コラコラ!何をやっとるんだ!?待ちなさい!」

(えっ!?警察官!?)


 グレンがトモゾウの振り回す鍬を抑え込んでいたところに、冴えない中年男性が、警察手帳を見せながら二人に割り込んできた。


「なんじゃいお前は!?警察なんぞクソの役にも立たんわい!!さっさと帰れ!!」

「いや、そうもいかんでしょう。あなたには殺人教唆の疑いがある」

「なに?殺人教唆?」


 鍬を持つトモゾウの手から力が抜けていく。グレンは抑え込んでいた鍬を手放し、トモゾウから離れた。警察官が続ける。


「申し遅れましたが、私は城西署刑事部捜査一課の中村といいます」

(中村……!)


 その名前でグレンはピンときた。サナエには中村ジュウタロウという兄がいて、刑事をしているのだ。つまり、ここにいる中村ジュウタロウ刑事は、サナエが魔法で変身している姿である。サナエがここに来たということは、どうやらツグミがうまく連絡をとってくれたらしい。


「なんで城西署の刑事が城北に来るんじゃい!?」

「そりゃごもっともな質問ですな。ですが、私は666案件、つまり魔法による犯罪を専門とする特別捜査官でしてな。管轄区域を超えて捜査する権限をもっとるんです」


 トモゾウにそう答える中村刑事サナエの口八丁ぶりにグレンは舌を巻く。


「それで、もういっぺん言いますが、あんた殺人教唆の疑いがありますよ?」

「殺人教唆とはなんのことじゃ?」

「とぼけちゃいけませんよ。あんたが暗闇姉妹に人殺しを依頼したことはお見通しなんだ」


 トモゾウは絶句し、手にしていた鍬が地面に落ちた。やがて、膝から崩れ落ち、おいおいと泣き始める。慌てたのは中村刑事サナエの方だ。


「おいおい、何も私はあんたをこれから死刑にするってわけじゃないんだ。お上にだって慈悲はある。事情を話してくれたら、私もなんとか手を尽くそうじゃねぇか」

「……刑事さん、わしゃなにも悲しくって泣いてるんじゃねぇ!嬉しくってぇ泣いてんだ!」


 実際、そういって顔を上げるトモゾウの顔は、泣きながらも満足そうな顔をしている。


「だって、そうだろう!特別捜査官のあんたが俺を逮捕しようと動いたってことはよぉ……暗闇姉妹は本当にいるってことだろうが!わしゃ半信半疑だったんだ……例えこれで、わしがこれから地獄へ落ちようとも、あいつ諸共なら、悔いはねぇ!」


 中村刑事サナエは困ったような顔をしてグレンを見ていたが、やがてトモゾウの肩に手を置きながら言った。


「野郎二人が雨の中、外で話すってのもなんでしょう。とにかく、家の中に入って、事情を聞かせてもらえませんか?」


 トモゾウは何度もうなずき、立ち上がる。


「あんたも今日のところは帰りなさい」


 中村刑事サナエはグレンにそう言うが、二階の窓に目配せしていた。こっそり入って調べてみてください、というサインだ。グレンは小さく窓を指さしたあと「わかった」と唇だけで応えた。


「粗茶ですが」

「こりゃどうも、恐れ入ります」


 田口邸に入った中村は居間に座り、トモゾウが持ってきたお茶を共に喫しながら、二人で座って向かいあった。


「昨日うかがいましたが、親戚の家に行かれていたとか?」

「はい、甥が隣の村に住んでいまして。そちらで……」


 パソコンを操作してもらい『天罰必中暗闇姉妹』にアクセスしたと。本当の刑事ではない中村サナエにとって重要なことではなかったが、トモゾウは自分がしたことを正直に話した。

 2年前に起こった下山川の氾濫。もともと川の近くに住んでいた田口ケンジは、それにより両親を失った。その後、村の外れに住んでいた祖父、田口トモゾウ宅に引き取られる。祖母の方は何年も前に他界していた。祖父と孫の二人だけで、被災者支援金と年金を頼りに、ほそぼそとこの家で暮らしていたのだ。

 被災直後のケンジは、無理もないことだが、暗く沈んでいた。だが1年前、とある出会いによりケンジは変わった。


「はぁ、女の人と」


 中村があいづちを打つ。


「はい。とある少女と出会ってから、ケンジは以前の明るさをとりもどしました。たぶん、その子が好きになったんじゃと思います。わしは直接話したことはないし、なぜかケンジはその少女のことを詳しく教えてくれませんでした。でも、そんなことはどうでもええと思っておりました。元気になったケンジを見て、内心ほっとしとったんじゃが……」


 トモゾウは叩きつけるように湯呑を置く。


「ケンジはあの女に山奥へつれていかれ、殺されたんじゃ!ケンジだけではない!わしは他にも行方知れずになった子供の親たちに聞いてまわったんじゃ!そうしたら、やっぱりあの女の姿を見たという!あいつは山に住んでいる悪魔の手先なんじゃ!なぜ警察は信じてくださらんのか!?」

「……」


 中村は沈黙する。無論、サナエに警察の事情はわからない。だが、日本の司法の限界というものはわかる。まず死体が無ければ殺人事件として捜査はできない。そして、もしも犯人が魔法少女であるならば、その犯罪の証拠を掴むのは非常に難しい。まさか捜査自体をしなかったわけではないにしろ、早々に手詰まりになったのは、容易に想像がついた。


「だから暗闇姉妹にその女の殺害を依頼した、と」


 トモゾウはうなずき、そして口を開く。


「わしは当然、罪に問われるのじゃろうな……」

「まぁ、実際にどうなるかは私の口からは何とも」


 本当の刑事ではないから言えるわけがない。刑事姿のサナエは茶を一気に飲み干すと、トモゾウの目を見つめて尋ねた。


「犯人を、決して許せなかったというわけですな」

「そうじゃ……息子夫妻を失ったわしにとって、ケンジはただ一人残された家族だったんじゃ……憎い……ケンジをわしから奪った、あの女が憎い……!」


 その時、ふと二階から物音がした。


「?」

「田口さん、ちなみに二階の部屋は?」

「物置とケンジの部屋じゃが……何の音じゃろうか?」

「音?私はなにも聞いていませんよ。気のせいですよ。まぁまぁ座っていてください。もう少し犯人の詳しい情報をですな……」


 中村はなんとかトモゾウを引き止めておくよう努力する。二階には今、グレンが侵入しているはずだ。


(見つからない……!)


 二階の窓から田口邸に侵入したグレンは、本棚や机の周りを物色する。そこがまさに目的であるケンジの部屋であるのは良かった。画材が置かれた机や、本棚に並んだ漫画のコレクションを見るに、間違いないだろう。だが、肝心のケンジ本人が描いた漫画が見つからないのだ。


「田口さん、ちなみに二階の部屋は?」

「物置とケンジの部屋じゃが……何の音じゃろうか?」

「音?私はなにも聞いていませんよ。気のせいですよ。まぁまぁ座っていてください。もう少し犯人の詳しい情報をですな……」


 グレンの持っている無線機から階下の会話が聞こえる。サナエが持っている無線機が音を拾っているのだ。グレンがもっている無線機の音もサナエ側の無線機が拾うのだが、サナエ側は無線機の音量を小さく絞っているので、グレンの出す音をトモゾウに聞かれる心配はない。


(トモゾウさんが怪しんでいる。早くケンジ君の漫画を見つけないと……)


 だが、やはり見つからない。考えが甘かったと反省するしかなかった。犯人はすでに漫画そのものを隠滅したに違いない。二階の窓に鍵がかかっていなかったのも、おそらく犯人がもう侵入した後だったからではないか?せめて紙切れにラフでも描いていないかと机の引き出しを開けていると、ふと妙な物に気づいた。


『下山通信』


 なんのことはない、観光委員会が出している広報誌である。何冊か引き出しの中にある。だが、その内容は小学校の催し物とか、どこかで赤ちゃんが生まれたとか、はっきりいって中学生男子が好むような内容ではない。そのカラー印刷で数ページの冊子だけが、この漫画好きの少年の部屋で、場違いな存在に見えた。

 グレンはなんとなく机の上を指でなぞってみる。木製の机には、わずかに凹凸がある。試しにその机の上に原稿用紙を一枚置き、鉛筆で線を引いてみた。線が机の凹凸を拾って震えている。


「もしかして……!」


 グレンは机の上に、まずは広報誌を置き、その上に原稿用紙を重ねた後、鉛筆を横に寝かせて、原稿用紙の表面をなぞっていった。フロッタージュ、すなわちこすり出しである。鉛筆でまんべんなく塗られた原稿用紙が、広報誌の上にわずかに残った凹凸を拾い、かつて描かれた線のネガを写しとる。線が重なっていてわかりにくいが、なにかのイラストを描いた跡だった。


(やっぱり!ケンジ君はこれを下敷き代わりに使って漫画を描いていたんだわ!この面は外れだったけれど、もっと絵の特徴がわかる面があるかもしれない!)


 複数ある広報誌の裏表二面。これらのどれかに『クサナギミツコ』を描いた形跡があるかもしれない。何度目かのトライを経て、やっと姿がわかるネガを写しとった。


「え……でも、まさか……この顔は……?」


 漫画としてデフォルメされていても、グレンには忘れようにも忘れられない顔であった。だが、その反面、何かの間違いではないかと思う。自分が想像するその人物は、最終戦争にて自分をかばって致命傷を受け、まさに自分の腕の中で息を引き取った閃光少女ではないか。お互いに本名を知っているほど親しい仲である。


「草笛ミドリ……?」


 思わずその名前をつぶやいた時、自分しかいないはずの部屋の中で、突如その女の声が響いた。


「ワタクシの名前を言いましたわね」

「え……?な、なにぃ!?」


 突如グレンの右手に植物の蔦が絡みついたのだ。


「部屋の中に潜んでいたのか!?」


 グレンはすぐさま右手を引くが、しかし蔦が右手から離れることはない。蔦は部屋の、どこからも生えてきていない。


「違う!この蔦は……アタシの右手から生えている!」


 右手の甲から、薔薇の蕾が飛び出していた。蕾から伸びる棘付きの蔦がグレンの右手を締め付けている。薔薇の蕾は、まるで人間の口のような形をして喋った。


「あなたはワタクシに二度と会うことはありません」

「ふざけんな!」


 グレンは左手の手刀に炎をまとわせ、右手の薔薇に叩きつけた。これで焼き尽くしてやる!そう思ったグレンであったが、しかし薔薇にダメージが入る様子が見えない。


「まずい!この薔薇……アタシの体を侵食し始めている!アタシの特性を身につけているんだわ!」


 だから、グレンの炎にグレン自身が耐えられるように、薔薇もまたグレンの炎に耐性を獲得しているのだ。しかもまずいことに、叩きつけた左手までもが蔦に絡め取られた。蔦が皮膚を突き破り、そこからさらに細い蔦を伸ばしているのがグレンにはわかる。


「こいつ……このまま血管を遡って、心臓まで登っていく気だわ!これが心臓発作として死んだ呪いの正体……!」


 ピンチはさらに続く。誰かが階段を登ってくる足音が聞こえるのだ。


(まずい!)


 きっと階下にもこの騒ぎが聞こえたのだ。もっとも、聞こえるなという方が無理な相談だろうが。


「な、なんじゃこれは!?」

「トモゾウさん!近寄らないで!逃げて!」


 しかしグレンの願いは届かなかった。彼女の目の前で、その頭に蔦が絡みつく。


 しかし、何か様子がおかしかった。薔薇の蔦はグレンの手には侵食していくのに、グレンの視界に映るトモゾウの頭には、まるで侵食される様子がない。


「あー……アカネさん?」

(えっ?アタシの本名を知っている?)


 混乱するグレンに続けて言う。


「事情はよくわかりませんが……こいつはやっつけてしまっても構わないんですね?」


 しばし沈黙していたグレンは、ついに目の前の人物の正体に気づき、にやりと笑った。


「やっちゃって!サナエさん!」


 トモゾウの姿に変身していた人物が大股でグレンに近づき、彼女の右手から生えている薔薇を鷲掴みにした。やはり薔薇には侵食されない。


「ですが一つ訂正させてください。今の私は正義の魔人、スイギンスパーダです!」


 その叫びと同時に、トモゾウの姿から、半身をそれぞれ銀と赤に色分けされた強化服を身につけた、サナエの姿へと戻っていく。そう、強化服を着た状態のまま、別の人物へと変身していたのだ。アカネは思う。


(昨日サナエさんのバイクに乗った時の違和感の正体はこれだったのね!サナエさんは臆病な性格だから、心臓発作で死んだ子の話を聞いてから、強化服を着たままにしていたんだわ!)


 サナエ改めスイギンスパーダは、重機のようなパワーで、グレンの体から薔薇と蔦を引き剥がしていく。


「ギミャーー!!」


 グレンの体から引き剥がされた薔薇が悲鳴をあげる。スイギンスパーダが力まかせに壁に投げつけると、すぐさま窓を突き破って外へと飛び出した。


「まずい!スイギンスパーダ、逃さないで!」

「安心してください、グレンバーンさん」


 スパーダは刀をすでに半分、鞘に納めつつある。


「奴はすでに、斬りました」


 その言葉と同時に刀は鞘に完全に納められ、地面に落ちる寸前だった呪いの薔薇は真っ二つに裂けると同時に、その緑色の体液をぶちまけて絶命した。


「日本陸軍伝軍刀操法、基礎居合、二本目『右の敵』」


 スパーダはそうつぶやいた。


「な、なんじゃこれは!?」


 遅れて登場した本物のトモゾウが、荒れた部屋の様子とグレンたちを見て驚いている。グレンはスパーダに聞いた。


「それにしても、なんでトモゾウさんの姿で現れたのよ?」

「ちょっとグレンさんを驚かせようと思いまして」


 グレンはあきれたように肩をすくめた。


「本当に驚いたのは、あの薔薇の化け物でしょうよ」


 サナエとアカネの二人は田口邸を後にした。犯人は『草笛ミドリ』。かつてグレンバーンと共に戦っていた閃光少女だ。そうとわかれば、すぐに報告しなければならない。


「ツグミちゃん!応答して!聞こえる!?」

「あ……グレンちゃん……」


 バイクのタンデムシートにまたがるアカネがツグミに無線機で呼びかける。


「犯人の名前がわかったわ!理由があって今はその名前を言えないけれど、アタシはその人の事をよく知っている!すぐに計画を……」


 そう言いかけたところで、アカネはあることに気づく。無線機の向こう側にいるツグミが、どうやら泣いているらしいのだ。


「どうしたの、ツグミちゃん?なんで泣いているの?」

「……犯人の名前……私たちもわかったの。それで……犯人はもう死んだよ……」

「えっと……それなら……」


 良かったじゃない。かつての友の最期をこの目で見られなかったのは気になるが、ツグミが気に病むようなことではないはずだ。


「女の子が……殺されてしまった……あの子が命がけで、ノートに犯人の名前を残してくれたの……」


 そう報告するツグミに対し、まさかと思ったアカネは尋ねた。


「ねぇ、ツグミちゃん……もしかしてそのノート……表紙に『感想ノート』って書かれていたりする?」

「……どうしてそれを知っているの?」


 ツグミの言葉を聞いた瞬間、アカネは自分の顔から血の気が引くのを感じた。


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