6.イージーモードを外してみたけど…
「心臓に悪い、無理」
このミッションを続けないといけないって、精神的に無理かも。
今までの攻略キャラはイケメンでも晶さんに似てないし、心乱されず心は渡さない!と鋼の精神で突っぱね、イベントにかかわる接触以外は全力で避けていた。
ラピ様も別ルートで接触は無かったわけではないが、攻略キャラ外のキャラは出番が少なめになるし、私も意識して避けていたので今まで大きく関わることは無かった。
今回は否が応でも向き合わないといけない。
「あ、でもイージーを外したから不慮の事故も行けるかも」
城の大階段を、思い切って踏み外そうとする。さよなら、異世界転生。
「姫」
ガシッと腕をつかまれ、誰かに抱きしめられる。
「う、何?」
「私の目の黒いうちに死ぬのは許しませんからね。飛び込むのであれば私の胸に」
ラピス様だった。しまった、こいつはかなりのストーカーキャラクターだった!事故的な自傷行為をしたりすると、何故か見ているというめちゃめちゃ間の悪い(本人曰く『「主人公の闇の心に引き寄せられる』らしい)キャラクターだ。イージーモード外しても、ラピス様ルートだけはダメなんだった。
「死ぬのであれば美しく、じわりじわりと花の散るように。鳥の羽をむしるように」
「…貴方ね、いくら人に見られてはいないからと言ってそんな変態なこと言っていいと思うの?」
しかも私の婚約者とそっくりな顔で。腹が立ってきた。
「私が今お父様やお母様にお話すれば、大臣の一人や二人だって簡単に首にでき」
「できませんよ。お父上お母上は私無しでは生きられない体になっております」
「なっ…」
「詳しい説明は秘密ですが、私を解雇するのは得策ではないでしょう。そして」
「貴女の真っ白な心は既に暗く染まりだしている…私が気になって仕方ないでしょう?」
クククと宰相は笑う。ええ、気になりますよ。どうしてそんな頭のネジの飛んだ中二発想ばかりが出てくるんだか。
しかし、顔だけはいいのよね。彼を見つめているとぼうっと調子が狂うのが悔しい。ダメダメ!頑張って。どうせこういうのって催眠光線とか出せるとかなんだとかだから目をそらそう!うん。
「部屋に帰らせてください」
「わかりました、姫」
ひょいと宰相は私を持ち上げた。リアルお姫様抱っこだ。晶さんに結婚式でしてもらう予定だったのに!初めてを取られた気持ちになる。そういえばこの香りも似て…ノー!晶さんとは別人!別人!
「一人で歩けます」
「遠慮せず、姫様のお身体が心配なので」
これ以上余計なことを言って喜ばせる(無理矢理展開が大好きな男らしい)のも癪なので、黙ると宰相はそれ以上になんも手出しをせず、部屋に着くと下ろしてくれた。
「うーん、難しいなあ」
「何かお悩みですか、姫様?」
部屋でいつものようにお茶を淹れながらシトリーヌが聞いてきた。
そういえば彼女って宰相の従妹だったなと思ったところで、はたと思い当たった。
「シトリーヌ、ちょっとお願いがあるのだけれど」