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1.私って姫なんですか?

花読天音はなよみあまねと申します。初投稿で短編(で終了予定の)小説を書いてみました。

不慣れな部分が多々あると思いますが、読んでいただければ嬉しいです。


※追記(1/10更新)

本編14ページです(完結済)。残りは感想や外伝などを書いていくコーナーにしたいと思っております。

「え!私って、姫なんですか⁉」


 目覚めた私、蒼乃(あおの)真里(まり)が放った最初の一言だった。


「アクアマリーナ姫様、まだ寝ぼけてらっしゃいますか?貴方はこのジュエラ王国のたった一人の姫様じゃないですか」


 そう言ったのは姫付きのメイド、後にシトリーヌという名前とわかる少女であった。


「お茶でも淹れますか?お菓子もございますよ。アクアマリーナ姫様」

「あくあ、まりーな…」


 呼ばれた名前を呟いてみる。そしてすべてを思い出した。


 ここは、私が生前ハマっていた乙女ゲーム『ジュエラ王国の伝説』通称『ジュエ伝』の世界だ。

 剣と魔法の国ジュエラ王国の中で沢山のイケメン王子との恋を楽しむ恋愛シュミレーションゲームで、アクアマリーナはヒロインの姫の名前だった。腰まで伸びた水色の美しく長い髪が特徴の16歳の美少女。私はそのヒロインになってしまったらしい。


 そして私、蒼乃(あおの)真里(まり)は29歳。現代日本に住みごく普通の主婦…になる予定だった。

 仕事を寿退職し婚約者の雨水(うすい)(あきら)さんの誕生日に入籍する予定で準備を進めていた。引っ越しもし、式場見学を始めていた。今日は彼への誕生日プレゼントも買い、未来への幸せを1ミリも疑っていない時期だった。それなのに。


 私は死んだ。覚えているのは道路を渡った時に背後から近づいてきた大きな黒い影。きっと交通事故だ。


「ううっ…(あきら)さん…っ、ごめんなさい、ごめんなさい…」


 私は手の中の包みを見つめ、必死で自分の体から遠ざけようとするけど思うように動かない…晶さんにプレゼントしようと思った時計が、真っ赤に汚れてしまう。それが現代日本での私の最後の記憶だった。

 気が付けば私は豪奢な宮殿の一室にいた。これが最近流行り(?)の異世界転生ということか。


「どうして、私」


 異世界のお姫様なんてなりたくなかった。大好きな婚約者の晶さんの隣にいるだけでお姫様になれたのに。


 誤解のないように言っておくが、ジュエ伝をやっていたのはここ最近の話ではない。

 私が大学生だった時期(当時は彼氏いない歴=年齢だったので相当やさぐれていた)にドはまりしていたものだった。


「あの頃は若かったなあ、私」


 晶さんと付き合うことになってからも、なんとなく捨てられず部屋の片隅に取っておいたゲームだったが、流石にプロポーズされた後に、


「もう乙女ゲームからは卒業かな。晶さんにみつかっても悪いし」


 そう思って先日やっとの思いで捨てたのだった。


 大好きなゲームの世界に入る。喪女大生の頃はちょっと憧れもあったけれど、やっとつかんだ現実の幸せ。異世界に転生するのは今じゃなくったっていいじゃない。


「うぇえん、私を帰して、帰してよ!」


 年甲斐(この姿ならまだセーフ?)も泣く私に、シトリーヌが困り果てた時、突然時が止まった。

「え、なんか止まってる?もしもーし?」


「やあマリーナ姫、向こうの世界では真里さんでしたね。元の世界へ帰れる方法…知りたいですか?」

「貴方は…妖精フローライダー!」


 蛍石フローライトのように緑の輝きを持つ妖精フローライダーは『ジュエ伝』の中でのお助け&マスコットキャラだった。

 掌にのりそうな小さな体。くりくりとした瞳。バラ色の頬と唇。緑色の服とブーツ。男の子にしては少し長めな栗色の髪は革ひもで括っている。


「メイドの彼女はお話の邪魔だからね、少しばかり時を止めさせてもらいました」


 キラキラとしたかわいらしい少年の姿だが、その次に発した言葉は衝撃的だった。


「マリーナ姫。君には死亡ルートを踏んでもらいます。」

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