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8層目 新黒龍 前編

 部屋に入ると黒い皮膚に所々黄色い部分がある、翼の生えた、4本の短い足にゴツゴツとした細かい鱗。それに大きなしっぽがある。

 それはまるで「ドラゴン」だ。

 終焉を告げるかのような。

 俺も彼女も目を見開いて立ち尽くしている。

 するとドラゴンはそんな俺達に口を大きく開けて炎を放つ。その熱気に当てられ俺たちは正気を取り戻す。


 2人で逆の方向に走り、ドラゴンを挟み込む。

 ドラゴンは彼女の方を向きそのまま炎のブレスを放つ。

 彼女は魔法で壁を作りながら氷の風で軽減しているようだ。

 俺はその隙に後ろから静かに近づく。

 気づいていない。

 射程圏内に入った瞬間、斧を振り下ろし、尻尾を断ち切る。

 しかし、鱗に拒まれる。ただ、鱗同士に隙間が開く。

 そこに向かって間髪入れずにもう一度叩きつける。

 すると、尻尾の半分ぐらいまで切れる。

 その瞬間、ドラゴンはこちらを振り向くために足を動かす。でも俺はもう一度尻尾の付け根に向かって斧を薙ぐ。

またも鱗に拒まれる。その部分の鱗は剥がれ周りに散らばる。振りかぶったタイミングで振り向き終わる。左側の翼で叩かれる。

 俺はその衝撃で壁のすぐ手前まで飛ばされる。

 ドラゴンはすぐにブレスを吐こうとする。

 それを彼女が水色の魔法陣を俺とドラゴンの間の床に出し、そこから口に向かって氷の柱が1本飛び出る。それを予測していたかのような動きで顔を上にあげ避ける。

 しかし、避けるためにドラゴンはブレスをこっちに向けるのを辞めたタイミングを見て彼女がいる逆側に回り込む。

 だが、それは切れかけているしっぽによって叩きつけられる。ことは予想していた。俺はその尻尾を飛んで避ける。

 それに合わせ翼でも迎撃してくるがそれは前に掲げた包丁の刃で身を守る。刃は翼に刺さるが切れはしない。俺は直ぐに包丁を翼から抜く。地面に足をつけた俺にすぐさま、両翼を地面に叩きつける。潰されそうになるが後ろに飛んで包丁で翼の付け根を切る。

 またも鱗に拒まれる。


 その頃、彼女はというと、ブレスを魔法で凌いでいた。彼女の左右の床に2つ、顎の下の地面に小さく1つ、空中に4つ、目の前に1つ、水色の魔法陣を出していた。

 地面の魔法陣からは小さな氷の槍が連続で出ている。

 目の前の魔法陣からは横向きの凍える竜巻が、空中の魔法陣からは水が出ている。その水はドラゴンに触れる瞬間に触れた箇所が凍る。

 それを全て口に向けてやっているがほとんどがブレスに溶かされる。

 しかし、ブレスの威力は格段に弱まっており、段々とブレスの勢いも弱まっている。

 両翼を地面に叩き連れられた風の勢いで1度だけブレスの勢いが増しその均衡は崩される。

 俺が見た時には辛うじて氷の風で相殺していた。

 ただそれもジリジリとブレスが押している。

 このままではまずい

 そう思い、鎌を首元に横から刺す。それを抜いてもう一度刺す。その勢いのまま一回転して切りきる。


 血が飛び出る。

 ブレスが止まる。

 ドラゴンはそれに応じてくる。前足で薙ぎ払ってくる。  

 避けれない。目前に爪が迫る。

 それは凍った。そして、砕ける。

 彼女を見ると弓を打っていた。

 ドラゴンは足を1本無くし、怯む。

 俺はすかさず彼女と合流する。

「どうやったら倒せる?」

「――」

と言って首を横に振る。

 分からないか。


 すると彼女は腰に着いている大盾を触り、ジェスチャーで「この盾でドラゴンの頭をどついて」といった。

 何をするのか分からないがとりあえずやってみる。

 気づかれないように素手で近づき近くなったら盾をもち、顔に向かって下から叩く。

 ドラゴンの顔は上を向いて無防備になる。

 その瞬間、顔から血が出る。そして、もう1回。

 またも、ブレスを吐こうとしているのか息を吸う。俺は直ぐに彼女の前に移動しようとしたが彼女はゆっくりと音を立てずに移動している。彼女と目が合うと彼女は口元に人差し指を立て「静かに」というようなサインをした。

 俺は静かに彼女の元に行く。

 ドラゴンのブレスが放たれるがドラゴンは俺たちの方は向かずに一心不乱にブレスを色んな方向に放っている。

 ドラゴンの血が出ている部分を見ると、両目からだった。

 ドラゴンは視界を失った。

 そこからのドラゴンは先程よりも凶暴になったが危険さは格段に下がった。俺は静かに近寄り、力強く包丁や斧を振る。攻撃をした方向にドラゴンは何かしら攻撃をし返してくるため、1度離れてまた、別のところを叩かなければならない。次第に全身の鱗は剥がれていき、体中の切り傷から蒼い血が滲んでいる。

 彼女は移動しながら鱗が剥がれている箇所に矢を射ったり、凍らせて攻撃をやめさせたりしている。

 ドラゴンの攻撃は俺たちに一切当たらない。

 徐々にドラゴンの体が血まみれになっていく。

 どんどんとドラゴンの攻撃の勢いが加速していく。

 しかし、当たらない。

 彼女は分からないが俺は油断していた。

 当たらないことに調子を乗り避ける動きが段々と小さくなっていった。

 俺は同じように斧を細かく降り、なるべく小さな動きで爪を避け――れない。その瞬間から時間がスローになる。

 走馬灯は流れない。彼女は……反対側だ。

 爪が迫ってくる。

 ここで死ぬのか。

 しんだらどうなるのだろうか……。

 まず……彼女はやって行けるだろうか。

 ドラゴンを倒せるのだろうか。

 ということは……彼女は死ぬのか……。

 死ぬと決まったことではない、ただ、もし死んだら……嫌だなぁ。

 動かないと。避けないと。守らないと。

 そう思うと体が徐々に動く。

 ただ、避けるには遅すぎた。

 左腕に衝撃が走る。

 辛うじて致命傷は避けれたが左腕の骨が折れた。

 実はいままで骨が折れたことがなかった。

 この痛みと現象が骨折というものなのだろうか。

 とにかくすげぇ痛くて一切動かなくなった。

 ドラゴンを見ると、相変わらず、我武者羅に攻撃された方向に向かって攻撃しているだけだ。

 彼女がピンチな訳では無い。

 でも、俺は行かないと……。

やっと書けたー!!

って言っても妥協して前後編に分けたんですけどね

時間かかったー

なんてったって前編に2日かかってますからね

危ない危ない

ということで(?)読んで下さりありがとうございます!

後編も是非呼んでください!

火曜日までには出します…

評価とかいろいろ是非してってください

ありがとうございました

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