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3層目 キマイラ

 それは首元で枝分かれした2つの狼の頭に虎のような手足、その手足は胴体に対して模様や素材が違うことから元々違う生物なのだとわかる。それなのに人口感が感じられずそういう生き物であるかのように。


 そして胴体はなんの生物かは分からないが大きく、硬そうだ。そして胴体の上に翼が生えている。見た感じ体全体として重そうだがそれでも飛べる位に大きな翼が生えている。そして尻尾のような場所にヘビが生えていて舌を出し、唸っている。


 その異形を見た瞬間に異形、キマイラと言うべき生物は自分に向かってその強靭な脚を蹴りあげ、大きな翼が羽ばたき狼とは比べ物にならないスピードで襲ってくる。足がすくみ咄嗟に盾を構えてしまう。その盾に狼の片方の頭が当たる。自分は顔を上げるがその時にはもうひとつの狼の頭が牙を剥いて噛もうとしていた。盾を持った腕は先程の衝突で痺れていてまともに動けない。たまたま防げても直ぐに弾かれるだろう。俺は右手に持った包丁を振りかぶりもせず狼の開いた口に刺す。


 包丁は狼の上顎に刺さり抜けなくなってしまった。しかし、包丁が障害となり、キマイラは大きく怯み、片方の狼の口は開いたまま閉じれなくなってしまっている。包丁は諦め手を離すと先程と同様に脚と翼を使い後方に逃げる。羽ばたいた風は想像以上に強い。自分は空いた手で何を持つか迷った。斧はきっととどめを刺す時に使う。今投げようとしたところでその時間に襲われて終わりだ。

出来れば両方の頭、もしくは手足や翼を破損させれない限りできない。時間が欲しいな…待てよ…?狼の頭程度なら鎚で殴ればかなり怯む…それどころか戦闘不能にまでできるのではないか。その後、斧を投げればいいだろう。よし、それでやろう。


 まずは盾で先程同様に片側の頭をガードするように構える。

 するとキマイラは突撃せず、翼で上に飛び上がった。

合わせて盾を上に構えるが上から滑空するように降りてきた。そのスピードに反応出来ず盾を合わせられない。

 そのまま狼の頭がそのまま俺の腹にぶつかってくる。

 幸い、勢いのまま壁まで吹っ飛ばされ、距離を取れたため噛まれずには済んだが背中と頭を壁に打った。

 鎧のおかげか起き上がれなくなるほどではないが…この状態で勝てるだろうか。いや、勝たなければ殺される。俺は人殺しなんだ。こんな命を嘲笑う象徴のような下等生物に殺されてたまるか。今ここで動かなきゃそのまま噛まれて死ぬ。今ここで動けば、立ち向かえれば、痛いが死なずに勝てるかもしれない。

 

 自分に言い聞かせ、体に鞭をうち、鎚と盾を構える。

 痛みで反射神経が覚醒している。ゾーンと言うやつだろうか

 キマイラは調子に乗り、また上空に羽ばたく。しかし、俺は先程の俺ではない。宛もない勘だがさっきの攻撃ではないと予想した。どう来るか。

 キマイラはそのまま滑空するように降りてきた。が、その高度は自分の頭より少し上の高度だ。何が来るのか容易に予想できる。そして俺は右手の鎚を床に捨て、刀を構える。


 キマイラは俺の予想通り強靭な前脚で頭に向けて振りかざす。それを予想していた俺は構えた刀をその足を切り落とすように振りかざす。狙い通り刀は自分に足が当たる前に自分が振りかざした刀が脚に当たり、生々しい感覚と共に脚が床に大きな音を立て落ちた。

 キマイラはバランスを崩したのか、足が無くなったショックなのか上手く羽ばたけなくなってしまっている。

 そのまま頭上をキマイラは通りすぎ、後方の壁に衝突した。勢いがすごかったおかげか、狼はかなりのダメージを食らっているようだが、まだ動いている。


 ぶつかった勢いで目が覚めたのか翼が羽ばたき、着地する。

 着地したが脚が1本ないのでバランスを取るのが難しそうだ。俺はキマイラが慣れないうちにトドメを刺そうと斧を本気で投げる。斧は回転しながら狼に当たり、そのまま狼の頭は見るも無惨な肉塊になったがまだ足は動いている。吐き気を抑えながら警戒しているとゆっくりと地面に伏せていき、2分もしないうちに呼吸による体の動きはなくなり、部屋が静かになる。緊張が熔け、我慢していた胃液が外に出る。部屋には自分の嗚咽だけが響く。

 吐き気がして気持ちが悪い……このまま寝ることにしよう。

読んでくれてありがとうございます!

実は1話と2話の後書きを書くのを忘れていて…すごく後悔してます!笑

なんだか勿体ないですよね笑

個人的な話をすると、ローソンに売っているコメダ珈琲のまろやかミルクコーヒーが美味しすぎます。コメダ珈琲には行ったことはないですが近日中に行ってみたいと思います。

改めてここまで読んでくれてありがとうございました!

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